スマホなしでは暮らせない中国:外売(出前サービス)


 外売(中国語でワイマイ)と聞いて一体何? と思う駐在員とか出張者も多いかと思います。簡単に言えば「出前」サービスである。

 出前と言えば、ラーメン屋とか、ピザなどの出前等を想像する人も多いでしょう。中国では、いろんなものが出前で利用できる。

飲料:可可等(コーヒー、紅茶、タピオカ入り飲料等の)Starbacks
ファストフード:KFC、マクドナルド、PIZZA HUT等
中華系のファストフード:まんじゅう、パン、おかゆ等
その他中華:四川風冒菜、麻辣烫(お肉や野菜等を入れた辛い)

 注目に値するのは、提供するサービス会社は、出前専門会社であるということである。必ずしもマクドナルドなどの食品サービスを提供する会社ではないということである。

 ネットサービスが商品をメーカーに代わって販売している事実を知ると当たり前なのであるが、嗎なかなか人間の思考は新しいものや、日本に住んでいると、イメージがつかないものである。

 では、どういうものがあるか2つ程紹介したい。


1. 餓了么


 言葉の意味は、おなかすきましたか? という意味である。



 最初の画面は、出前の種類を選択できる。上海の特殊事情かもしれませんが、朝食を出前で頼む人もいるようです。

 上海の職場では、出勤時に飲み物を持ってきてもらったり、また自分で購入して、会社で食べる光景をよく見てきた。スイーツの選択欄もある。その他パスタや、弁当、ハンバーグなどもある。



 一つパスタを選択してみた。(黒い〇印)



 一番上のチーズモンスター(店の名前)について、下記のように記載した。

〇出前最低料金:20元
〇配送料:5元
〇出前時間:25分
〇その他のお得な割引もあるようです。(40元購入すると、14元割引など)
選択するとメニューが出てくる。
例えばミートスパゲティを選択する。(28元)






 メニューを選択していくと、精算の前に、トッピングやサイドメニューが出てくる。(追加料金有)

 例えばチーズの追加や、飲み物の追加等(上3つがチーズの選択で、4段目が玄米ジュースで、最後はグレープジュース、価格は8元から9元)。その他追加が必要であれば、トップ画面に戻ればよい。

 そのほか、私は、四川の冒菜(四川鍋をプラスチック容器に入れたもの)が好きでしたので、よく頼んでいた。先のお鍋の辛さを選択し、その後中のおかずを選択する。

 辛さの選択画面(上から微辛、中辛、激辛、中辛中麻(しびれ)の4段階、各4元)



 肉類、海鮮、野菜類、団子、麺類、ごはんなどを選択できる。(下記の牛肉は12.8元となっている。)



 そして出前費用は大体5元で頼むことができる。

 外に食べに行かなくても、大体30元前後で食事ができるのは嬉しいですね。

 支払いは、支付宝や微信(We Chat)で行うのが通常である。現金でやり取りするリスクが非常に低くなるためである。


2. 大衆点評


 言葉の意味は、大衆が評価するという出前(レストランの評価もする)会社である。

 このサービス会社は出前以外に、ホテルの予約や旅行なども取り扱っている。(チケットや、ホテルは、C-Trip、携程網が有名ですが、ここでは割愛する)



 レストランの評価も入っている。

例えば、上海料理や四川料理等検索したい料理を入れると、レストランのリストが出てくる)写真付きで、料理の紹介が出てくる

レストランのリスト


推薦の料理の画面


 上記は、左から少し辛いお餅の入った料理、甘辛豚バラ肉、かえるを使った料理となる。


 もちろんこのアプリは出前も行っている。(レストランリストの写真で「外」という文字が、出前のサービスを行っているかどうかの目印である。)

 出前を選択すると、先ほどと同じようにメニューが出てきて、自分で好きな料理を選択する。料理を選択できたら、配達をしてもらう。

出前の受け取る方法について


 通常携帯電話をアプリに登録することになっているので、到着直前に配達員が、利用者に対して電話確認をすることが多い(配達員は、配達場所に慣れていないため)。

 中国語での電話応対になるが、多くの駐在員は対応しているようである。

 出前を持ってきて、商品を受け取れば、それで終了となる。

 このように、メーカーが出前をするのではなく、サービス会社との棲み分けがきっちりと確立されており、それを配達する会社の存在により、この仕組みが成り立っている。

 余談であるが、このアプリは日本のレストランなども検索できるようになっている。(中国人が検索し、注目している内容を見ることができるという意味でもある。)



 例えば、日本に旅行した際に、GPSの位置(上記は北海道)だけではなく、左の段上から順に茨木、千葉、横浜、箱根、右の列は、日光市、東京、鎌倉となっている。(関西の地名はなかった。)

 では一体、アプリの会社の収益はどのようにもたらされているか?詳細は不明ではあるが、レストランからの広告料の収入や、このサービスを利用した個人などの情報を有効活用して、収益源にすることや、個人情報を他の会社に販売する等となっているようである。

 日本では個人情報の制約もあるので、このようなことはできないが、中国はどうも可能になっているようである。

 ただ、少なくともこれらの活動によりさらにビジネスチャンスが広がっていると言えるのである。(例:パスタの出前を利用する人にワインのサービス情報を提供するなど)


3. 今後の携帯サービスの展開について


 これらのサービスは全て携帯によって行われていることに注目したい。出前だけでなく、コンテンツの提供サービス等がもっと活発になってくると予測される。

 広告記事なども携帯中心にどんどん記載され、積極的に展開する必要性が出てきている。商品、サービスが良ければ売れるというのは、中国では通用しないレベルまでになっている。(商品、サービスの魅力を伝えきって初めてコミュニケーションができたという異文化コミュニケーションの原点の発想に立つべきである)

 携帯サービスは、微信(We Chat)を中心として広がっている。微信は2018年3月時点で、10億人を突破(2018年3月6日、BBCニュースでも3月8日報道)した。(人口比で約76%)年齢層の高いユーザーにとっても必需品となっている。

 日本の場合のLineと比較した場合、登録者数は約71百万人(2017年9月現在、Line媒体資料を引用)個人情報等の制約や、年齢層の制限(Lineは約75%が49歳以下のユーザーで、預貯金を多く持つシニア層の使用率は高くない)等から、携帯からのサービスが制約されている。

 今後中国進出済企業でも、特にBtoCのビジネスを行っている会社は、携帯サービスは無視できないレベルに達していることを最後に付け加えたい。それはLineと違い、微信(We Chat)や支付宝による決済機能の発達とって支払い、50歳以上の一般人なども使用し生活の一部として機能しているからである。(執筆者:廣田 廣達)


廣田 廣達

廣田 廣達

■所属:
・王子ホールディングス(王子製紙グループ)の中国の子会社に出向。中国におけるマーケティングの担当。上海駐在。
■ライフワーク
日中及び日本アジアの違いに着目し、コミュニケーションの改善を通じて、ビジネスの発展に寄与するための講演活動を行う。
・講演実績:三菱総合研究所、日刊工業新聞社、桜美林大学、異文化コミュニケーション学会、スイングバイ株式会社、東京-上海ビジネスフォーラム、アジア経営研究会、人生繁盛会(道端康予主催)等
・異文化コミュニケーション学会役員・会員誌編集長

■強み:中国ビジネス全般・マーケティング・異文化マネジメント

■その他プロフィール:
中国系華人。神戸出身。神戸商科大学を卒業。

■ユニチャームで勤務:ベビー、フェミニン、大人用おむつの中国・アジア地域のマーケティングを担当。当時上海に通算で約3年駐在。

■㈱ベネッセコーポレーションで勤務:教育に関する海外展開のため中国事業の支援及びFSを担当。

■㈱新日本科学で勤務:世界的No.3の医薬品の前臨床、臨床試験を行う研究開発の会社(CRO)で中国の会社立ち上げ、中国を中心に合弁パートナーとの交渉を担当。中国以外ではカンボジアの事業、ブータンの事業等を支援。

SIETARのHP
http://www.sietar-japan.org/index.html


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