付加価値を高める中国経済の将来


 中国では春節も終わり、先週から学校が始まり、本格的に経済活動が再開している。

 中国の経済成長が鈍化し、今後はより付加価値の高いサービスが求められる。付加価値とは何だろう? と考えつつ、春節が明けた今マーケティングの視点で今後の経済の方向性を探ってみた。


1. 消費者の行動特性とビックデータ



 最近は携帯電話で何でも支払いができてしまう中国の世の中。食事、買い物、タクシーなど。約90%以上の人が携帯からネットに接続している。おそらくこれらのデータはいろんなところで蓄積されているでしょう。

 携帯電話に、保険や不動産などの勧誘の電話が良く掛かってくる中国の社員の姿を目にする。携帯番号をいろんなサービスを利用する際に登録しているためである。

 また、口コミサイトで、いろんな投稿をしていると、自然とその情報が、ネット会社に蓄積されていく。個人の情報と、利用情報、関心事などの情報が合わせられると、広告をするには非常に有効なデータ、及びリストになりえる。

 中国では、個人情報の流出という意識が薄い中で、各種サービスが日本以上に先行している。今後、これらのデータを活用しつつ、タイムリーに生かせるかどうかがポイントとなるでしょう。


2. リアル店舗VSネットサービス



 これは永遠の課題かもしれないが、リアル店舗は、中国においては、「本物を見る体験ができる」という観点で、非常に付加価値の高いサービスを提供できる。単なる「モノ」から「コト」への消費の転換がどのように実施できるかポイントです。

 タオパオ等のサービスを数回使用してみましたが、ネット上で、商品の追跡情報がタイムリーではありません。先日商品の返品、及び支払いの払い戻しを行ったのですが、ネット上で払い戻し返却の反映されているのですが、商品はストップすることなく、そのまま運送しています。

 イレギュラー対応(返品)すると、なかなか変更が困難なように見えてしまう。ネットのサービスもまだまだ改善の余地がありそうです。逆にリアルな店舗でびサービスは、サービス員が存在しているので、付加価値をつけやすい環境にある、これを消費者のニーズに合わせたサービスができるかどうかがポイントである。


3. ソフト面でのサービス



 先日上海のハイパーマーケットで買い物をしたが、推奨販売員は、「安い」という言葉しか発しない。商品や人にもよるのだが、別に安いから商品を購入するだけではない。商品の品質や、安心感なども必要である。いろんな消費者が存在しているので、店頭でサービスする人の質向上等も。

 また、レストランなどで、店員は確かに存在しているが、人数が少なく、サービスを享受するまで(店員呼んでから駆け付ける時間)が長かったりする。おいしいレストランは確かに増えているかもしれないが、それを提供する人が少なければ、サービスそのものも不十分と言わざるを得ない。

 そのほか、春節前後のネットの物流も、配達員不足で、納期が長かったりしている。サービスの品質は、経済成長のスピードにおいついていない


 今後、生産年齢人口が減少し、経済の成長スピードが緩やかになってきている現状では、原理原則では、画期的な技術、ニーズの発見などが求められる。そうでなければ、利益は減少していく。そう考えると、短期では、販売面での工夫マーケティング活動が必要になってくるでしょう。(製品改良、コミュニケーション改良は時間がかかるため)

 そして、日本ブームの今後の継続性を予測できれば、今後の中国での販売拡大の方向性が楽に予測できるかもしれない。

 中国でも、電化製品、食料品等品質の高い製品が多く存在している。この比率が上昇していけば、日本の製品の品質も決して安心はできないし、危うくなる。継続的な各方面での投資が求められるでしょう。(執筆者:廣田(李) 廣達)


廣田(李) 廣達

廣田(李) 廣達
http://ameblo.jp/sumomohiro/

■所属:
・王子マネジメントオフィス㈱(王子HDの企画部門の会社)に勤務、アジア圏の新規事業等企画担当。アジア圏進出を重点に新規の事業をマーケティングを軸に企画。中国、マレーシア、インドネシア等の現地法人立ち上げの支援をしている。
■ライフワーク
日中、日本アジアの違いに着目し、コミュニケーションの改善を通じて、ビジネスの発展に寄与するための講演活動を行う。
・講演実績:三菱総合研究所、日刊工業新聞社、桜美林大学、異文化コミュニケーション学会、スイングバイ株式会社、東京-上海ビジネスフォーラム、アジア経営研究会、人生繁盛会(道端康代主催)等
・異文化コミュニケーション学会役員・会員誌編集長
・その他:日印協会会員、日本インドネシア協会会員

■強み:中国ビジネス全般・マーケティング・異文化マネジメント
■その他プロフィール:
中国系の華僑(華人)3世。神戸出身。神戸商科大学を卒業後、ユニチャームに就職しベビー、フェミニン、大人用おむつの中国・アジア地域を担当で、商品企画、リサーチ業務参入戦略構築。中国現地法人初ブランドマネージャとして合計上海に3年駐在し、社内の各部門を統括。
■㈱ベネッセコーポレーションで、教育に関する海外展開のため中国事業の支援及びFSを担当。中国におけるビジネス日本語事業、英語事業の中国事業支援、通信教育教材の支援等を担当。
■㈱新日本科学にて、世界的No.3の医薬品の前臨床、臨床試験を行う研究開発の会社(CRO)で中国の会社立ち上げ、中国を中心に合弁パートナーとの交渉を担当。中国以外ではカンボジアの事業、ブータンの事業等を支援。
SIETARのHP
http://www.sietar-japan.org/index.html


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著書
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