「就労者ランク付け」真の狙いはコレだ! 赴任者選定への影響は?


 今年に入り、中国に進出する企業では、中国政府が発表した外国人のランク付けの話題で持ちきりで、公表されている点数表を計算しても点数が足らないと言った問い合わせも相次ぎました。

 日本人を含む外国人の就労者をABCの三段階に分けて在留資格にも制限をつけると言うもの。

 一部では、日中問題の火種的に取り扱う向きもありますが、簡単なところでは、中国人の若年層を中心に就職難が叫ばれる中、自国の雇用を守ると言う名目もありますが、実態は別の大きな問題を解決するためでもあります。




就労者ランク付けの真の狙い


 それは中国に限らずアメリカやヨーロッパでも問題になっている不法入国者への対策です。

 2015年の統計にはなりますが、中国国内に200万人以上とも言われる外国人労働者のうち、なんと30万人が不法労働者で、中国政府としては看過できない状況になっていることが今回の措置の主要な原因だと言えます。

 その中でもアフリカ、中東、東南アジアの3つのエリアからの不法労働者が多数を占めているとのこと。

 全世界的に見てもアメリカのメキシコ人に対する対策や、ヨーロッパでも中東・アフリカからの難民が問題になっていて、トランプ大統領に限らず、どこの国も保護主義的な動きになっていることから、中国だけが特別な施策を打ち出したわけでもありません。

 ただ日本企業からすれば駐在員の人選にも多少影響してくることは必至で、

(1) 年齢
(2) 学歴
(3) 中国語のレベル
(4) 年棒
(5) 勤務日数
(6) 勤務年数
(7) 勤務地
(8) その他の項目

 の点数でABCとランク付けされることになります。


過剰反応する必要はない


 日本企業の駐在員の方はノーベル賞ものの高度人材を除けばほとんどがBランクに位置しています。

 在留許可の出ないCランク(60点未満)の方は、元より厳しく制限していた現地の大学を出てそのまま中国で働く若年層や、日本の定年再雇用のような高齢者の方を除けば少数と思われます。

 そのため、対策の主眼がアフリカ人などの不法就労者であることを考えれば現時点であまり過剰反応することもないと言えます。




この春から影響が出始める


 私ども語学研修を営むものとしては、中国語試験の基準をHSKに絞らざるを得ないなど対策は必要ですが、だからと言って中国語が必須です! 的なセールスに惑わされないようにするべきで、あくまで点数的に有利になる追加要素です。

 ただ、現実問題は一部の技術者を除いて、中国語も用意せず中国語で仕事力を発揮できる可能性は少なくなっているのも事実で、英語ができればOKなどとは元から有り得ないと常々申し上げていますが、業務内容に応じて語学力を用意するのは在留許可云々以前の話です。

 中国のことですから、まずは法律を施行、あとで問題が起きれば修正をしていくことになりますが、この春から赴任される方に多少影響も出ます。

 タイムリーに政府関係も含めた関係者から情報を探るようにしますが、年齢的な要素(高齢者と若年者)と学歴(高卒)の面ではこれまで同様、あるいはこれまで以上に厳しい条件になる可能性はあると思います。4月以降の動向を見守りたいですね。(執筆者:小川 善久)


小川 善久

小川 善久
http://www.kanwajuku.com/

株式会社漢和塾 代表取締役社長
大阪外国語大学(現大阪大学)ポルトガル・ブラジル語学科卒業後、株式会社リクルートに入社。10年前に初めて行った中国に刺激を受け,独学で中国語を始める。その後、語学研修会社に転職するも、「学問」と「ビジネススキル」の違いに疑問を感じ、2005年に株式会社漢和塾を設立。2008年には、自らが現場を体験、体感すべく、上海に現地法人を設立。
■事業内容:中国語企業研修/日本語研修/マネジメント研修/中国語教室事業(銀座で学ぶ中国語)/人材紹介事業(許可番号 13-1-302854)/翻訳・通訳・コンサルティング事業/海外事業(漢和塾・上海)
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著書
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