「爆買い終焉」なんて誰が言った? 「匠の技」と「安全安心」を求める中国セレブ達 -最新中国人セレブ動向-


 中国経済は2014年から悪化し続け、「中国大停滞」、「困難の兆候は積み上がっている」などなどの悲観論が相次ぎました。中国の国家統計局のデータによると、中国の2015年GDP伸び率は6.9%、25年ぶり低水準となりました。

経済成長率の推移

経済成長率の推移



 「長い冬に突入する」と言われている中国経済は、日本にはどうのように影響を与えるのか? 今までチャイナマネーを動かした中国人セレブ達には真冬が訪れるのか?弊社が対応したセレブお客様に密着し、実話を語りながら、深く探っていきましょう。

最新中国人セレブ動向



有名観光地はチャイナタン化に進む勢いか?


 2010年にはニセコの温泉ホテルが7億円で中国資本に買収され、中国人の土地爆買い報道は相次ぎました。中国人セレブの多くは観光地に訪れるのは観光目的ではなく、観光施設、宿泊施設や土地を投資する目的と言われています。

 弊社のお客さんの中でも、セレブ同士がプライベートジェット(ビジネスジェット)3台で香港、北京、上海から飛んできて合流し、土地を買い占め、ビジネスが済んだ後にそれぞれのビジネスジェットで帰った方々もいました。

 ビジネスジェットの維持費は年間平均2~3億かかるようです。そう考えたら何億円の土地はその方達にとっては高いと思われないのは、我々一般人は納得するかもしれないですね。

有名観光地はチャイナタン化に進む勢いか?



東京で250㎡のホテル部屋にお泊り?


 「日本人はウサギ小屋に住んでいる」この言葉が登場したのは1970年代でした。データによりますと、日本の1人当たりの住宅床面積は、37.3平方メートルということが分かりました。(国道交通省 「住宅経済データ集」2013年)。

 近年、観光立国の推進とともに、日本を訪れる外国人観光客が急増し、「東京のホテルのお部屋は狭い」という外国人観光客の声をよく耳にしませんか? その一方で、東京の6つ星ホテルにあるプレジデンシャルスイートルームにお泊りしたセレブもいました。

 プレジデンシャルスイートとは? 文字通り、大統領が宿泊するのにふさわしい特別なスイートルームのことです。

 従業員も入ったことがない特別のお部屋ですので、事前にどのようなお客様が泊まるのかホテル側に告知する必要があると言います。広々した空間にフカフカのベッド、調度品も一流品で、格調の高いお部屋です。面積はなんと250平方メートルでした。

 最近、弊社のお客様が噂の250平方メートルのプレジデンシャルスイートにお泊り致しました。驚いたのは、付き添いであるお手伝さんやボディーガードさんまで同じホテルのスイートルームに泊まらせ、合計7つのスイートルームを取りました。

 夜の11時にチェックインで12時間未満の滞在時間で約300万の宿泊料金を使ったのは、我々には唖然するしかなかったです。ちなみにその日の食事は都内の高級ステーキ屋さんで150万円くらいを使いました。弊社の社員たちは、「僕たちボディーガードとして雇ってくれないかな」と冗談半分に語りました。

東京で250㎡のホテル部屋にお泊り?


爆買いは一段落したと言われていますが、セレブ達はまだまだなんでも爆買い!


 「爆買い」と聞いたら、銀座の百貨店や秋葉原の家電量販店に群がる中国人観光客の“爆買い”シーンが思い浮かぶと思います。今度は日本の病院が健康を“爆買い”する外国人でいっぱいになる日は訪れるかもしれないです。

 「医療ツーリズム」という言葉が、日本で注目を集めるようになったのは2008年ごろからだったと言います。当初、「健康診断で日本を訪れた外国人に、ついでに観光してもらってお金を落としてもらおう」というとらえ方が主流だったのです。「中国人富裕層を狙え」と多くの関係者が医療ツーリズムのターゲットとして挙げました。医療ツーリズムには「医療」と「観光」を結びつけ、各方面から強い関心と期待が集まっています。

 しかし、弊社は2014年に経済産業省から国際交流医療コーディネータとして認定されて以来、弊社のお客様に関しては単純に医療目的で来日する方がほとんどで、「医療」目的でついでに名観光地を観光するお客様は約1、2割にしかいないです。目的は治療を受けることであって観光ではないと言えます。

 「なぜ観光地に行かないの?」と聞いたら、「人がいっぱいいるし、遠いから」、「時間をかけて観光地に行くのは時間がもったいない。中国では似たような場所もいっぱいあるから」という答えが多かったです。

 弊社が接したセレブ達の訪問地を見ると、「銀座」は圧倒な一位でした。訪れた医療機関、宿泊地、買い物や食事する場所はほとんど銀座周辺に揃い、移動時間は30分を超えたことはあまりなかったです。

 受けられた項目は、「健康診断」に限らず、がん治療や美容整形、歯科治療、また中国で受けることができないアンチエイジング治療や再生医療など、幅広い分野となります。その中で、数百万円を使う方が大半で、富裕層の方の健康意識の高さに脱帽します。

 先日、歯の治療で700万以上を使ったお客様もいらっしゃいました。香港の有名なお医者さんは半分くらいの費用で治療ができちゃうというお話もあったのですが、それでも日本を選んでいただきました。なぜ!?それは日本の技術の高さと日本の匠の精神を信頼しているからです。「日本製」に「信頼できる」という概念がメディカル分野においても絶賛されています。

 自社データによると、医療目的で来日のお客様の延べ数は2014年に比べ、3割増え、月に30組くらいに伸びました。弊社は中国現地に支店がなく、旅行会社と提携して集客するという形でもなく、インタネットでの一般集客や弊社独自の集客方法で集客しております。リピート客は多く、たくさんのご紹介のご依頼も頂いております。口コミの力がいかに偉大であることと実感しています。

爆買いは一段落したと言われていますが、セレブ達はまだまだなんでも爆買い!



真のセレブが日本に求めるものは?


 中間富裕層の爆買いと違って、真のセレブ達に爆買いさせるには何が必要でしょうか。

 健康目的といい、投資目的といい、中国のセレブが日本に求める事は、一言で言えば、「匠の技」と「日本の安全と安心」だと思います。真のセレブには質の高いもの自体を求めるのはもちろんですが、それより安全と安心なサービスを買っているのでしょう。

 高くても構わなく、プライベートを重視し、一人一人に丁寧で「オーダーメイドサービス」を提供し、ブランド力を創っていくことが大事だと思います。対応の中で、臨機応変や柔軟性、高い自由度なサービスが欠かせないでしょう。

 セレブ達の健康意識の向上とともに、医療分野はまだまだニーズが大きいでしょう。セレブに対する「オーダーメイド」サービスを本気で取り組んでいければ、日本医療の爆買いはやってくるでしょう。それに伴う宿泊、小売、外食の新たなビジネスチャンスも広がってくるでしょう。(執筆者:夏川 浩)


夏川 浩

夏川 浩
http://www.brisian.co.jp/

ブリジアン株式会社 代表取締役。
北京出身、中国系日本人。千葉大学工学部卒業後、一部上場IT企業と一部上場印刷会社で国際営業に従事、中国において政府・メディア・企業経営者等に幅広い人脈を持つ。
2011年にブリジアンを設立、新華社・CCTV・瑞麗をはじめ中国の多くの大手国営メディアと提携し、日本企業の中国でのプロモーションやマーケティングをトータルでサポートしている。特に中国富裕層に対するアプローチを得意とし、日本への誘致や中国での高額品販売イベント・富裕層パーティーなどを手がけ、多くの成功事例を作る。
2014年には国際医療交流コーディネーターとして認定され、日本の最先端医療を求める中国人患者に円滑な渡航を支援している。
ブリジアンは日本国内において中国富裕層の集客から来日後の対応など、ワンストップで対応できる業界の第一人者である。

著書
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