中国人は仕事でも1年中ネクタイを締めない


中国現場コラムvol. 168 中国人は仕事でも1年中ネクタイを締めない


 中国人は一般に仕事でも1年中ネクタイを締めません。夏場のクール・ビズのみならず、冬場でもネクタイを締めずに仕事をするのが一般的です。この習慣は、中国中どこに行ってもほぼ変わりません。

 もちろん日系企業(事務所)内において勤務する中国人は、日本人同様、クール・ビズ以外ではネクタイを締めますが、特に中国地場企業の場合、幹部も一般社員も皆がネクタイを締めずに普段着で仕事をしています。

 今回は、中国地場企業における業務中の服装、ネクタイに関する習慣について紹介します。



1. 中国国有企業幹部の服装


 10年ほど前のこと、筆者が始めて大手中国国有企業との交渉のため、重慶市に出張したときのことです。当時、日本ではクール・ビズが始まったばかりであり、まだまだ一般的には浸透していませんでした。

 その時は、筆者にとって、中国企業を相手とした始めての出張でした。中国国有企業幹部も出てくる交渉であったため、筆者は8月の真夏日にもかかわらず、スーツ上下に、長袖シャツ、ネクタイを締めた格好で、出発時間にホテルロビーへと降りて行ったのでした。

経験豊富な先輩:「中国では誰もそんな格好していないぞ。せめてネクタイを外しておけ」

 筆者はネクタイだけは外して、中国国有企業に行きました。会議室で待っていると、中国国有企業幹部たちが一斉に入ってきました。皆さん、ポロシャツにチノパンのような格好、ゴルフ場に行くかのような格好で、ノーネクタイどころか、スーツを来た方は一人もいませんでした



 その後も、筆者は、中国企業との交渉などで様々な中国地場企業を訪問してきましたが、きちんとスーツにネクタイを締めているのは、日本企業相手の業務になれた、中国人弁護士や中国人公認会計士などの専門家以外では、外国勤務経験もあるような、中国大手銀行員程度でした

 それ以外にも、中国の商務部門、工商行政管理部門、社会保障労働部門、出入国管理局、税関、税務局、外貨管理局、経済開発区幹部など、様々な役人とも面談を繰り返してきましたが、皆さん、スーツではなく、普段着か、制服という格好で勤務していました。


2. 中国地場企業の服装


 筆者は以前出向で、中国湖北省武漢市の中国地場/オーナー企業に勤務していました。売り先は全社、中国内陸(湖北省、湖南省、江西省、河南省など)を中心とした中国企業。筆者が交渉する取引先も全て中国人であり、日本人と話すのは筆者相手が始めてという方が大半でした。

 そのときには、筆者も中国現地化しており、上下普段着。取引相手も当然上下普段着の方しかいませんでした。江西省南昌市に行ったときのこと、日本人が珍しかったこともあってか、取引先の社長は、友人たち(別会社の社長)を昼食会に呼んでいました。筆者は、関連企業の社長軍団相手に日本人一人で食事をしました。

ご機嫌の取引先社長:「ミシミシ!」
  
 全く悪気のない様子で、戦争映画の中で日本人軍人が言う言葉を言いながら、乾杯の音頭を取られたのでした(参照「中国現場コラムvol.13 チベット族の価値観とミシミシ その2」)。


≪雲南省シャングリラ・松賛林寺での筆者≫


 ネクタイの件はともかく、一般的には、揚子江以北、特に華北地方・東北地方は日本との間で、習慣にそれほど大きな違いは見られませんが、たとえば、揚子江以南所在の日系ではない中国地場企業では、冬場でも、なかなか暖房を付けたがりません。

 また、1年中、外の空気の状態が悪くても、窓を開けて換気をしたがります。冬場、窓が開いた屋内では、スーツでは寒くて勤務できません。たとえば、筆者が勤務していた湖北省武漢市では、社内でも、厚めのコートを着たままで仕事をすることが多々ありました。外見には拘らず、中身重視が中国式ビジネスなのかも知れません

 ネクタイについては、中国中どこに行っても同様の習慣を持つようですが、其の他の習慣については、日本の26倍の国土を誇る中国では地域差が大きいため、東北地方・華北地方と華東地方(揚子江周辺地域)、華南地方・内陸部とでは習慣・ビジネスの方式が異なり、一括りには概説できないため、注意が必要です。

以 上(執筆者:奥北 秀嗣)


奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

公認内部監査人
1996年早稲田大学教育学部教育学科社会教育学専攻卒業、2001年早稲田大学大学院法学研究科民事法学専攻修了(法学修士)。2009年中国北京にある中国政法大学大学院に留学し民商法を研究すると同時に、中国現地各有名弁護士事務所にて中国法務・労務を中心とした実務研修を行う。
【著書】
◾︎『中国のビジネス実務 人事労務の現場ワザ Q&A100』(共著、第一法規、2010年)
◾︎『中国のビジネス実務 債権管理・保全・回収 Q&A100』(共著、第一法規、2010年)他。
【論文】
◾︎「中国で債権回収に手こずる~現場からみた注意点(合弁、独資別)~」(中央経済社『ビジネス法務 2011年10月号』)
◾︎「中国ビジネス 現場で役立つ実務Q&A」(第一法規『会社法務A2Z』2012年1月号より連載中)
◾︎「中国から”上手”に撤退する方法」(中央経済社『ビジネス法務 2013年6月号』)
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著書
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