爆買いの後に見える風景 ~今、問われるわが国インバウンド事業者の主体性~


質問:

Q:大阪の心斎橋でドラッグストアの店長しています。中国からの観光客をずっと見てきましたが、なんかこの一か月お客の金の使い方が変わった気配です。買い物の金額がへってきました。爆買いはやっぱりおわりますかね?
34歳男性 五月のゆううつクン
                    

回答


二千万中国ヘッドライン愛読者の皆さまご機嫌いかがですか? 中国語講座チンプンカンプンのドラゴンならちゃんです。今日も明るく楽しく皆様のお悩みを解き明かしてまいりましょう。

いよいよドラッグ店長さんのご登場です。客筋と売れ筋の変化ということですね。

まず、中国では一体なにがおこっているのでしょう?

予想外の高額関税をかけられたのか? 空港で所有放棄したと思われる土産モノの山。

予想外の高額関税をかけられたのか? 空港で所有放棄したと思われる土産モノの山。



1. 通関厳格化


吾輩ドラゴンならもつい先日、上海経由で山東省のチンタオ市に行ってきたところです。

上海プードン空港で目撃したのがこの光景。

どうやら税関検査で「所有権放棄」となったみやげ物の山。吾輩本人は通関にあたって、「荷物を開けろ」とか言われずにするりと通り抜けたのですけれど。

入国してからこんなリスクが発生するのでは買い控えが起きるのは仕方ないかもしれません。

2. 便数減少


先週≪16年5月第2週≫来日した青島市の若い友人は急に「帰国日が変更になった」と言ってホテルの追加を頼んできました。聞けば帰国便が週5便から3便に減ったとか。


以上の出来事。なにか中国国内で「変化」があった(または進行している)気配は感じるところです。

では、中国の友人たちが日本という国(観光地?)のグッズや観光体験に飽きたのか? あるいはもう行きたくなくなったのか? というと全然そうではないようですね。

ここで話は、大きく脱線(いつものことですが汗)します。

今回、チンタオ市民の前で発言する(紹介される)機会がありました。

いままでは「日本人はめだたないように」と言われることが多かったので吾輩自身も大勢の人前で名乗ることはあえてして来ませんでした。

で。ところはチンタオ市内の教会(正式な会堂ではなく、「家庭集会」を名乗っていました)。教会の所定のプログラムが終わって最後に「初参加者紹介」があったわけです。

嫌がる吾輩を無理やり立たせて自己紹介しろとほぼ強制的に発言を強いられた、と思ってください。やむなく一言。

「日本から来ました」

そのとたん。

「おお、日本! へえ、こんなとこによく来たね!」

会衆からは言葉にならない熱いリアクション。礼拝プログラムが終了してからも「私、日本行ったよ。」、「こんど日本行くよ」と握手を求める会衆が引きも切らないありさま。こんな事初めてです。

おっと。ドラッグストアの話でしたね。

店長さんならご存知でしょう。あなたのお店は「外国人観光客」のためにどれだけ広告宣伝費を使ってきましたか? ツアコンや旅行社には、膨大なキックバッグとかリベートと呼ばれるお金は支出されていたかもしれませんね。

しかし、ツアー客が減って売り上げが減ったならその分の割戻金も減ったはず? ですよね。

気の早い中国人店員(留学生のバイト)はもうどっかへ転職していったかもしれません(ということはその分の人件費も浮いた?)。

その全部とは言いません。「本来発生したかもしれない経費」の半分でも三分の一でも使って「日本で薬を買うなら当店で」と中国国内で宣伝してみたらどうでしょう?

商品情報はあっても店舗情報はほとんどない


中国国内のネット情報では商品情報は飛び交っています。しかるに店舗の情報は「ほとんど」出てきません。機会があれば観光客に、お土産を買う店の名前を聞いてみてください。まず出てきません(キッパリ)

もう一度中国国内の事情を注意して観察してみてください。

(1) 貧しい連中も多いけれど中産階級層もそれなりに厚く育ってきました。
(2) これから人民元は確実に対円・対ドルルートを下げていくでしょう。

つまり、中国人民の個人資産は目減りしてしまいます。(対ドル・日本円)

「みすみす目減りさせるくらいなら」と海外資産の買い付けに動くのは誰の目のにも明らかです。

(3) 「同じ買い物するなら知ってる店でしたい」のが、万国共通の人情というもの。

爆買い曲線が高原状態に移行しつつある現段階(2016年5月エンド)こそ、販促活動がモノをいう時代の到来です。以上(執筆者:楢崎 宣夫)


楢崎 宣夫

楢崎 宣夫
http://chinpunkanpun-school.com/

売上三割増をめざす中国語研究会 代表
1957年大阪生まれ。
1980年 東京農業大学農学部卒。同時に大阪の食品メーカー就職。

1988年工場勤務を経て海外事業(中国原料開発・タイランド工場建設)に参画。同時に業務外で中国残留婦人帰国を実現する市民の会に参加。
1990年中国人帰国者の就業・生活支援を通じて中国語をブラッシュ・アップ。

1995年 阪神大震災を機に社内プロジェクト高齢者食材チームを立ち上げる。

2004年 中国山東省新会社設立プロジェクトに志願して山東省石島に進出。JUSCO YOKADOなどで試食販売を自ら実施。営業活動を展開。中国でモノを実際に売った数少ない日本人と自負。販売中「日本語うまいヒトがいる」と多数の日本人観光客から賞賛を浴びた(?)

2010年 家族の介護のため帰国。

2011年 大阪で、売上三割増を目指す中国語研究会・中国語講座「チンプンカンプン」を開講。
インバウンド取り込みをはかる商店主やショップ店員にゼロからスタートする中国語を指導する。中国語は三カ月で仮免許まで到達できます。あなたもお気軽にご参加ください。http://www.chinpunkanpun-uriage3wariup.jp/
趣味 語学(英語・中国語・タイ語・韓国語) 弓道二段
座右の銘 「人生は足りないものが問題ではない。あるものをどう活用するかが問題なのだ」A アドラー
 「情報が流れれば人が動く。人が動けばモノが売れる」 P/F ドラッカー
 「ケンカ買います。人生一度きり」

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