「10年進歩なし」の管理で顧客の信用失墜!



≪写真はイメージ≫

 今回の記事は、中国に工場進出してから10年、進歩がなかった日系中国工場の話です。

 その工場は、規模的には400人くらいの中小規模の工場です。当時の状況

は、重要な特性において顧客クレームを頻発して、顧客の工場監査でいくつもの指摘をされたものの十分な対応・対策ができず、顧客の信頼を失いかけていました。

 「この工場の何が問題だったか?」を一言で表すと、「旧態依然の管理」ということに尽きます。

 この工場は中国に進出してから10年近くなりますが、工程管理・品質管理が中国に進出した当時のまま進歩することなく行われていたのです。10年前の管理レベルのままだったのです。

 「10年前はその管理内容で、問題はでなかったのか?」という疑問が湧いてくる訳ですが、実際に大きなクレームは出さずにここまできていました。なぜかと言うと、重要特性の要求規格に対して、製品の実力値に余裕があり多少ばらついても規格から外れることはなかったので、バラツキやその推移を管理しなくても不良が出ることがなかったのです。

 ところが、時代が進むにしたがって顧客から様々な要求があり、この工場の生産品に対する要求も非常に厳しいものになってきました。

 最も厳しかったのがコストダウンの要求です。それを実現するために顧客の側から製品のメイン材料を変更したものでの生産要求がありました。材料を安価なものに変更すれば、製品の特性に影響が出ることは容易に想像できました。

 しかし、顧客から材料を変更しても製品特性を維持することが求められました。これを実現するためには、バラツキを小さくすることが必須でした。

 それにも関わらずこの工場では従来の生産工程のまま生産を継続していたので、バラツキによる不良品が出るようになりました。

 品質管理も従来と同じでバラツキ管理を行っていませんでした。抜取り検査で不良品が見つかった時は、ロット内の製品に対する確認を行ってから出荷するのですが、検査で捕まえられないと顧客に納入され、顧客で不良品が発見されることになったのです。このような状態が続いて、顧客の信用を失っていました。

 中国に進出したときに行っていた工程管理や品質管理レベルが、進出後何年も経っているのにまったく変わっていない。このような状況は、日系工場でも起きている現実です。

 顧客の品質に対する要求が10年変わらないということは、あり得ません。

 品質に対する顧客要求は、常に進化し厳しくなっています。それに伴い、生産する工場の工程管理・品質管理も進化させる、レベルを上げないといけません。変わらないというのは、退化と同じことです。(執筆者:根本 隆吉)


根本 隆吉

根本 隆吉
http://www.prestoimprove.com/

◆ 主業務:日系中国工場の品質管理体制構築、品質改善支援。
 現場管理のキーパーソンである班長の育成研修にも 力を入れている。
駐在員が能力を発揮することを目的とした駐在員コーチングも手掛ける。
◆ 電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て、香港・中国に駐在。
 中 国においては、購入部材の品質管理責任者として延べ100社に及ぶ取引先品質指導ならびに現場改善指導に奔走。
◆2007年より現職。生産の3要素で捉えた中国工場の品質管理の問題点と指導 のポイントをテーマにしたセミナーの実施多数。外観目視検査の精度アップセミナーの講師も務める。

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著書
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