- 中国で「同業の店舗」が並んでいることが多い理由
-
- by桜井 まき
- on 2016/3/21
マクドナルドもケンタッキーも広く中国人に受け入れられていて、場所によっては店舗が集中しているところもあります。興味深いこととして、ケンタッキーの近くにはたいていマクドナルドが並んでいます。
≪隣り合うケンタッキーとマクドナルド≫
互いに競合するはずのハンバーガーショップ。できればお互いの客を奪わないよう、離れた場所に建てた方がいいのでは? と思えます。でも、お店が潰れることがありません。不思議です。
市内をよく見てみると、中国では同じ業種の近くに店舗を構えていることが多いようです。電気店さんなら電気店の近くに、建築工具専門店なら似たような建築工具を扱うお店がずらりと立ち並んでいます。様々な場所にそれぞれ店を構えた方が、需要と供給のバランスがとれそうに思えます。
でも、これが功を奏しているのです。なぜでしょうか?
私の以前の経験をご紹介します。初めて中国に引っ越しをした時、マンションに網戸が付いていませんでした。大家と交渉の結果、自分たちで網戸屋さんを探すことになりました。
でも、どこで売っているか分かりません。
困っていると中国人の友達が「あの辺りに網戸や格子窓など扱っている店があるから行ってみよう」と提案してくれました。彼はその辺りに行ってみれば売っているかもしれない、という感覚です。確実性はありません。
とりあえず、友達と一緒に網戸を取り扱っていそうなお店のある通りに行きました。アルミサッシ専門店が立ち並んでいます。彼の考えでは網戸は窓に付けるものだから、きっと専門店なら売っているだろう、というものでした。
一軒一軒、網戸を取り扱っているか聞いてみます。1件目は網戸の取り扱いはなく、次の店へ。30分くらい探し回って、やっと3件目の店が網戸を扱っていることが分かり、注文できました。それまで素通りして見過ごしていたお店だったのですが、こうして必要なものが出てくると、同じようなお店が並んでいた方が消費者としては都合がいいものです。
この方法はとても時間がかかりますし、非効率です。「これが中国の方法なのか…」とげんなりする部分もあります。でも、これが一般的なのです。
こうした状況の背景には「お店が長続きしない」という理由があるかもしれません。
中国人は、長年同じ場所でずっと一つの仕事を続ける人は少なく、もし事業がうまくいかなければ場所も職種も変え、すぐに違う仕事を始めます。店舗が短期間で、下手すると1カ月くらいでコロコロと入れ替わる場所もあります。
それで、自分の取り扱う商品の専門店の近くに店を構え、互いに「あの辺りに売っていそう」と思わせる広告効果を狙うのです。
同様に、マクドナルドやケンタッキーも、若者や子供連れなどお客さんの層が似ています。それで、互いに主客効果を狙って、近くに建てるのかもしれません。こうした点は、中国でお店を出店する時、場所を選ぶ点で役立つでしょう。(執筆者:桜井 まき)
Facebookページにご参加ください
更新情報やランキング情報、その他facebookページでしか配信されない情報も届きます。下記より「いいね」を押して参加ください。
中国ビジネスヘッドラインの購読にはRSSとtwitterが便利です
中国ビジネスヘッドラインの更新情報はRSSとtwitterでもお届けしています。
フォローして最新情報を見逃さないようにしてください。