- 純日本製よりも「日本風中国製品」の方が中国人に受け入れられている現状
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- by桜井 まき
- on 2016/2/23
≪中国の百貨店にある美容カウンター≫
中国人の美容意識の高まりを受け、中国に進出する韓国や日本のコスメブランドも増えています。大手の百貨店に行くと、さまざまなコスメブランドの美容カウンターがずらりと並んでいます。そばを通るだけで美容部員に呼び止められ、取り扱う化粧品を勧められます。
比べてみると日本のコスメブランドより、韓国コスメブランドの売り込みが上手なようです。
次々といろいろな商品を紹介してくれて、手のひらに付けてくれたり、「ちょっとべたつくから…」と断るとさっぱり系のものを出してきたりと、なかなか引き下がりません。社員教育に国民性も表れるのでしょうか? 中国では、強めの売り込みに慣れているので、日本式だと控えめに感じるのかもしれません。
ドクターシーラボを真似たお店を訪問
そんな中、友達が「最近、日本のコスメブランドのお店ができた」と教えてくれました。買うかどうか迷っているので、一緒に買い物に付いてきてほしいとのこと。
行ってみると、たぶんドクターシーラボを真似たであろう、美容カウンターがありました。パッケージは似ていますが、すぐに「何かが違う…」と感じます。
サンプルを試してみましたが、明らかにドクターシーラボにはない商品が売られていました。お値段は割と高めです。友達にすぐに正規品でないことを教えると、彼女はとても喜びました。日本語が書いてあり、「日本製」を大きく出しているので、中国人には判別できないのです。
これは日本ブランドの安全性や品質の高さへの信頼を利用した販売方法です。今回のように、見た目は日本製ですが、中身は完全に中国製なので品質には信頼できない商品がたくさんあります。
もし日本で同じような販売方法をしたら捕まってしまいそうですが…これがまかり通ってしまうのが中国なのかもしれません。でも、日本製=品質が高いというイメージが中国で根付いていることの証拠ともいえます。
品質は十分でも、中国語表記が不十分な日本製品
タオバオでも、日本のドラッグストアで手軽に買える化粧品を「日本直輸入」として販売していますし、化粧用品のパッケージには日本語が好んで使われています。
中国人の海外コスメブランドへの信頼は厚いので、美容関連商品は日本品質を巧みにアピールすることによって顧客の信頼を得、販売促進も可能だと言えます。現にDHCなどは中国人に日本品質がいいとして信頼され、広く浸透しています。
≪タオバオでは日本のドラッグストアで購入した直輸入であることをアピールして販売います。≫
≪日本製であることをアピールするために、日本語のパッケージの上に貼られた中国語の説明シールをはがしています。≫
個人的な印象として、時々、純日本製よりも日本風中国製品の方が中国人に受け入れられているのを感じます。
なぜなら、日本製の商品の中国で売っていながら中国語の表記が不十分なのです。日本語直訳で翻訳され、中国語の魅力的なキャッチコピーではないようです。現に、日本の化粧品を購入した中国人の友達に「これどんな意味? どうやって使うの?」とよく聞かれます。
このようなわけで、中途半端な日本語パッケージに中国語でしっかりと商品説明されている商品のほうが売れています。せっかく日本品質が高く評価されているので、日本語のパッケージを魅力的な中国語で翻訳するなら、もっと多くの中国人に受け入れられるかもしれません。(執筆者:桜井 まき)
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