日本企業にあらためて必要なのは「日本を愛する人財」



 中国の春節もおわりました。メディアでは中国人の爆買いのニュースが目立ちましたが、外国人観光客に限らず、日本に来る留学生をとってみても、いわゆる「外国人」の大部分が中華圏だったりします。

 グローバルをCHINABAL「中国を軸にした世界経済」なる造語(CHINA&GLOBAL)で、私が語り始めたのはもう10年ほど前になりますが、良くも悪くも、中国、中華人を意識しないことにはグローバルは語れません。

 そんな中、日本企業の中国現地法人に限らず日本国内でも、中国人の採用は大きな関心事です。中でも昨今は、日本語のできる人材の質の低下が叫ばれ、会社によっては、英語のできる中国人を採用し、中国現地法人の社内公用語を英語にする会社も増えています。

 確かに、日本語(これは英語も同じ)ができても、肝心の中国人としての基礎学力、素養が低いケースもある上に、昔は日本語のできる大学生は、大学生そのものが選ばれし人でしたが、大学生が10年前の10倍以上になっている今では、優秀な人材は欧米を向いていて、日本語人材は英語人材の後塵を拝すると言った考え方もなきにしもあらずです。

 実際に一握りの日本語能力のある人の中から採用するより、母数が多い英語能力のある人の中から選ぶほうが確率論的には正しいわけです。

 だからと言って、英語人材が優秀かと言えば、若い人でも本当に欧米人と渡り合えるほどの英語力を持った人財は一握りで、本当に優秀ならば欧米の企業にいるはずです。また、日本企業の日本人が中国で中国人と英語でコミュニケーションをするのも不思議な話です。

 そもそも「中国でビジネスをするなら中国語!」が原点にあるわけですが、さすがに敵地では、下手な中国語では母国語の相手にかなうわけがなく、突き抜けた中国語の教育を施すか、限定的な使用にとどめるべきでしょう。

 ただ、日本人は英語コンプレックスと言うべきか、まずは英語!と企業も語学研修に力を入れていますし、私も突然TOEICを受けたり無駄な抵抗をしているように、最低限の英語力は必要です。だからと言って「中国ビジネスは英語だけで大丈夫」と言うのはまったくナンセンスな話だと私は思います。   

 そこで、あらためて考えていただきたいのが、日本語学科に限らず、日本に興味を持ち、日本から学びたいと考え、日本を愛する人財の起用です。

 ただでさえ競争激しい中国市場では、欧米式でも中国式でも勝てるわけがなく、日本企業はやはり日本式で勝負をするべきだと思います。その為に必要な人材は、まずは「日本を愛する人財」ではないでしょうか?

 日本を愛しているならば、片言でも日本語を学ぶ努力もするでしょうし、語学だけなら後から努力してもできることです。アニメやドラマがきっかけで日本に旅行に来たことのある理系の学生もいらっしゃるわけです。

 何かと桁違いな市場の中国は、学生の数も桁違いになっているわけで、その中できらりとひかる「日本を愛する人財」を探し、日本人と一緒の方向を向いて切磋琢磨することが重要だと私は考えます。もちろん、日本人も中国を大好きになれとは言いませんが、中国に興味を持ち、中国を知り、中国語を学ぶ努力をする必要はあります。(執筆者:小川 善久)


小川 善久

小川 善久
http://www.kanwajuku.com/

株式会社漢和塾 代表取締役社長
大阪外国語大学(現大阪大学)ポルトガル・ブラジル語学科卒業後、株式会社リクルートに入社。10年前に初めて行った中国に刺激を受け,独学で中国語を始める。その後、語学研修会社に転職するも、「学問」と「ビジネススキル」の違いに疑問を感じ、2005年に株式会社漢和塾を設立。2008年には、自らが現場を体験、体感すべく、上海に現地法人を設立。
■事業内容:中国語企業研修/日本語研修/マネジメント研修/中国語教室事業(銀座で学ぶ中国語)/人材紹介事業(許可番号 13-1-302854)/翻訳・通訳・コンサルティング事業/海外事業(漢和塾・上海)
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