「爆買い」はあと2~3年で終わる 中国経済に関する今年の3つの予測



 新年明けましておめでとうございます。新年快楽!

 といっても、春節がやっとあけました。ようやく本格的な新年の到来です。中国だけではなく台湾、香港、韓国、インドネシア、ベトナム、マレーシア、タイ等多くの華僑が住んでいる国で祝っています。

 さて、中国の経済は今後どのようになっていくか、各方面で予測をしている。

 私自身もマーケティングが専門なので、そのような視点から中国の経済をいろんな視点から考えてみた。主に3つのことをお伝えしたい。


1. 中国人の日本への爆買ツアーは2~3年で終了する(最長でも5年)



 円安と、中国での所得水準の向上で、日本への旅行者は後を絶たない。日本の報道を見ていると、爆買はもっともっと増えると見越している。しかし私自身は2つの視点から永遠に継続しないと見ている。

理由1:同じものを同じ人には与えない


 自分の親戚や友人に買い与えて、1巡、2巡で商品を購入すれば、もうあまり新鮮味がなくなり必要となくなる。買っても自分で消費する分程度にトーンダウンする。

 同じお土産をほしいくらい貴重なものでしょうか? メンツを重視する中国人は同じものを同じ人に与えることはありません。

理由2:中国の経済発展によるもの


 以前、中国でマーケティングの実務をしていた頃、中国人の部下に、ナプキンやおむつを購入した場合、お皿を景品に差し上げたらどうだと勧められました。

 私は、いろいろ考えた挙句、NOという結論を出しました。当時、赴任間もなく中国の事情を知らないと馬鹿にされましたが、それでもNOと言いました。

 結果として正解でした。他のメーカーが皿、コップなどをオンパックキャンペーンして売り上げを上げたというニュースを毎日仕入れていました。ところが、その勢いは6か月、1年後には、どんどんトーンダウンしていきました。

 何故か?

 コップや皿などは、たくさん所有する必要がなく、一定量所有すればそれ以上必要なくなるからです。

 上海や北京でお皿を持っていない家庭はあるでしょうか? 今になっては、そんなキャンペーンが有効であると言い出す中国のマーケッターはいないでしょう。

 中国政府が爆買禁止(海外での外貨使使用を制限する)などの政策を導するかどうかの報道もあるが、そんなことをしなくても、中国人による爆買は2-3年で収束するでしょう。(日本企業がむしろ爆買しなくても今から売れるしくみを構築すべきである。)


2. 中国本国経済はサービス業へのシフトが加速する



 GDP成長2015年は6.9%に終わった。ある意味でまだ奇跡が続いていると思います。そして、第三次産業の割合が初めて50%を超えた。まさに、「モノ消費」から「コト消費」への経済の構造が変わりつつあります。

 言い換えると、製造の国ではなく、本格的に消費の国へと脱皮していくということである。

 アリババの総裁の馬氏も言及しているように、ネット会社のこれから目指す方向は「物流」、「金融」、そして「情報サービス」と言及している。中国のBAT(Baidu、Alibaba、Tencent)は、おそらくサービス業へと大きく舵を切るでしょう。

 健康志向が強い中国で、以前は、医療技術があまり発達せず、日本に人間ドッグツアーが盛んであることを実際私の周りでも多かった。一方で、日本でも10個未満しかない「ガン粒子線治療センター」は、中国でも単なる研究用から、実際の運営する方向で動き始めている。

 富裕層今は、日本やタイ、マレーシアに行って人間ドッグ、各種治療を受けているが、今年は、医療サービス開始元年になる予感がする。日本企業としては、この波に乗っていけるかどうかです。


3. 中国企業の海外進出は、異文化マネジメントを実践する試金石になる



 私の友人である雲南省連誼協会の役員や、ある銀行のM&A担当者のコメントとして、日本から中国に進出する案件よりも、中国から日本に商品、サービスを提供する案件が多くなっているとのこと。これは円安、元高を背景とした経済の大きなマクロ的な動きである。

 すでに、日本であれば、HUAWEIが日本に進出し、蘇寧電機はLAOXを買収して日本進出を果たすなど、中国企業が、中国以外の国でのマネジメントの機会が増加している。

 中国人の海外のマネジメントは、多くのケースにおいては、日本と違い企業文化などにはあまりタッチしない。異文化理解の上では、中国人化を求めるなどの日本的な発想がないだけ特に問題ないのですが、経営目標を示して、会社を一つの方向にもっていくマネジメントは、まだまだこれからではないかと思う。

 企業の発展モデルとして、自国主義→相手国主義→地域主義→グローバルという発展段階の中で、地域主義を志向する中国企業が出てきてもおかしくない。きっとエリア共通のマネジメントの段階に入る企業も出てくるだろう

 つまり中国式でもなく、日本式でもない、地域で最適なマネジメントという意味である。そうすれば、本格的な中国企業のグローバル化のステージも上がることになる。

 中国企業で自国+相手国主義以外のマネジメントスタイルをあまり聞いたことがないので、今年あたり、そういうマネジメントスタイルが出てくるかもしれない。中国人でも海外経験豊富な人材も出てきているので、基本に忠実な経営層が簡単にこなすかもしれない。

 日系企業としては、グローバルマネジメント中国企業との競争を念頭に置いたほうがよさそうです。

 筆者はマーケティングが本職なので、このようなお伝えした3つの予測を自分でも検証していきたい。(執筆者:廣田(李) 廣達 )


廣田(李) 廣達

廣田(李) 廣達
http://ameblo.jp/sumomohiro/

■所属:
・王子マネジメントオフィス㈱(王子HDの企画部門の会社)に勤務、アジア圏の新規事業等企画担当。アジア圏進出を重点に新規の事業をマーケティングを軸に企画。中国、マレーシア、インドネシア等の現地法人立ち上げの支援をしている。
■ライフワーク
日中、日本アジアの違いに着目し、コミュニケーションの改善を通じて、ビジネスの発展に寄与するための講演活動を行う。
・講演実績:三菱総合研究所、日刊工業新聞社、桜美林大学、異文化コミュニケーション学会、スイングバイ株式会社、東京-上海ビジネスフォーラム、アジア経営研究会、人生繁盛会(道端康代主催)等
・異文化コミュニケーション学会役員・会員誌編集長
・その他:日印協会会員、日本インドネシア協会会員

■強み:中国ビジネス全般・マーケティング・異文化マネジメント
■その他プロフィール:
中国系の華僑(華人)3世。神戸出身。神戸商科大学を卒業後、ユニチャームに就職しベビー、フェミニン、大人用おむつの中国・アジア地域を担当で、商品企画、リサーチ業務参入戦略構築。中国現地法人初ブランドマネージャとして合計上海に3年駐在し、社内の各部門を統括。
■㈱ベネッセコーポレーションで、教育に関する海外展開のため中国事業の支援及びFSを担当。中国におけるビジネス日本語事業、英語事業の中国事業支援、通信教育教材の支援等を担当。
■㈱新日本科学にて、世界的No.3の医薬品の前臨床、臨床試験を行う研究開発の会社(CRO)で中国の会社立ち上げ、中国を中心に合弁パートナーとの交渉を担当。中国以外ではカンボジアの事業、ブータンの事業等を支援。
SIETARのHP
http://www.sietar-japan.org/index.html


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著書
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