中国人が怒るポイント、怒らないポイント


中国現場コラムvol. 163 中国人が怒るポイント、怒らないポイント


 中国人と日本人とでは怒るポイント、怒らないポイントが違います。今回は、中国でこういうことがあれば中国人が怒り始めるポイント、日本人なら怒り始めそうなのに中国人なら怒らないポイントに関する現場コラムです。


1. 中国人が怒るポイント



(1)前提:場所によっても、民族によっても色々


 中国人と一口に言っても、56の民族を抱え、日本の26倍の国土を誇る中国では、住む地域によって性格が大きく異なります。

 筆者は、中国のほぼ全省を実際に旅し、その土地の中国人と交流していますが、以下に述べる事案は、主に筆者が実際に居住していた北京市および湖北省武漢市を中心とする実体験に基づくものであり、中国全土のすべての民族に普遍的に言えることではありません。

(2) レストランでの注文品がなかなか来ないケース


 北京人、武漢人は、一般的に中国の南方人(広東省、広西チワン族自治区、雲南省など)よりも短気な方が多いため、レストランなどで、注文した品が運ばれてくるのが少しでも遅いと怒り始めます。これらの地域のレストランで注文すると、注文品はすぐに運ばれてくることになります。

 一方、広州市などでは注文品が運ばれてくるのが非常に遅くても、広東人は気が長いのかのんびりしているのか、北京人や武漢人のようには怒り出しません。あるとき、筆者は、広州市内で中国人の友人と共に空港に向かうまでの時間を利用して大衆的なイタリア料理店で昼食を取ろうとしていました。

 イタリア人オーナーの店で、実際にイタリア人がウェイターとしても働いている市内の店でした。そのとき、飛行機の離陸の時間が間近に迫っているにもかかわらず、注文したパスタがどんなに時間が経っても運ばれて来ません。

 筆者は中国人ウェイトレスに何度も、「キャンセル」と伝えていましたが、最後にはイタリア人が来て筆者に英語で言いました。「注文したのだから食べて当たり前。これから食べる時間がないなら、空港にもって行けばよい」筆者のことを、気の長い広州人と間違えていたのかも知れませんが、よくこのやり方で広州人は怒らないなと感心したものです。

(3) 電車やエレベーターの乗るケース


 中国では、電車でもエレベーターでも、降りる人のことは気にせず、我先にと乗り始めます。降りる人が優先だろう、と主張しようものなら逆ギレされます

 一方、小さな子供がエレベーターや電車の中にいるにもかかわらず、中に詰めようとする人がいると怒ります。日本のようにぎゅうぎゅうには詰めて乗車しませんし、老人・子供など社会的弱者には非常に親切です。


2. 中国人が怒らないポイント



(1) 飛行機や列車が遅れるケース


 飛行機や長距離列車(夜行列車)の出発が遅れることになると怒り始めます。しかし、係員も一緒になって怒り始め、「いつ出発するか何て私に聞かれても、文句言われても、困る!」と主張し始めます。

 そういった中国人を黙らせる一番の方法は、食事をさせることです。飛行機が遅れる場合、遅れることが想定される時間の範囲によって配布物に差があります。飲み物⇒お菓子⇒弁当となります。

 ワーワー言って騒いだり怒っていたりした中国人が、配布された弁当を食べた途端、急に皆で静かになってしまいます。文句は言わなくなります。食べ物、弁当の効果は絶大です

(2) 座席の使用マナーの違い


 飛行機や列車、バスなどの座席を目一杯、何の挨拶もなしに倒しても、後ろに座っている中国人は怒りません。前の人が座席を目一杯倒せば、自分も同じように倒せば良いという考えです。

(3) 並び方の違い


 車の割り込み、列の割り込みにも一般的には怒りません。注意しようものなら逆ギレされることが多々あります

 しかし、最近では人の割り込みは怒る人も増えてきました。レジで長時間並ばされても、日本人以上に気長に待ちます。普段は気が短くせっかちな武漢人が、スーパーなどで、前の人やレジ係員がどんなにのんびりしていても暢気に待っています。不思議なほどです。

(4) 子供のように無邪気だからか?


 筆者は、武漢市を車で幹線道路を走っていたとき、隣のコンクリートミキサー車から水が飛び出してきて乗車していた車が汚水を大いに浴びたことがあります。しかし、運転手は一向に怒りません。むしろ子供のように無邪気に喜びます。

 ある車が、赤信号を無理やりに左折して来たため、まっすぐに進めなくなるなど、他人が交通ルールを守らない結果、自分自身が迷惑を蒙ることになってもそれほどには怒りだしません。お互い様だからでしょうか。

 ただし、同じ中国でも、東北地方(吉林省、遼寧省)などに行くと、当地の中国人はクラクションを鳴らしっぱなしです。武漢人は普段は気が短いのですが、周りのマナーも無茶苦茶なせいか、日本人が怒りそうなポイントでは怒りださない特徴があります。

以 上(執筆者:奥北 秀嗣)


奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

公認内部監査人
1996年早稲田大学教育学部教育学科社会教育学専攻卒業、2001年早稲田大学大学院法学研究科民事法学専攻修了(法学修士)。2009年中国北京にある中国政法大学大学院に留学し民商法を研究すると同時に、中国現地各有名弁護士事務所にて中国法務・労務を中心とした実務研修を行う。
【著書】
◾︎『中国のビジネス実務 人事労務の現場ワザ Q&A100』(共著、第一法規、2010年)
◾︎『中国のビジネス実務 債権管理・保全・回収 Q&A100』(共著、第一法規、2010年)他。
【論文】
◾︎「中国で債権回収に手こずる~現場からみた注意点(合弁、独資別)~」(中央経済社『ビジネス法務 2011年10月号』)
◾︎「中国ビジネス 現場で役立つ実務Q&A」(第一法規『会社法務A2Z』2012年1月号より連載中)
◾︎「中国から”上手”に撤退する方法」(中央経済社『ビジネス法務 2013年6月号』)
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著書
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