「中国第2子解禁」の裏事情 中国で子供は増えるか?


 1979年に始まった「1人っ子政策」が幕を閉じようとしている。中国政府は10月末に急速に進む少子高齢化を食い止めるべく、「第2子解禁」政策を発表した。当政策は来年2016年より施行予定だ。中国国民はこの政策をどう思っているのだろうか。


まずは福利厚生を整えて



 2人目が解禁になったとはいえ、子供1人を育てるのにも苦労するのは日本も同じだが、出産を奨励している日本と違い、補助金などほとんどない中国の現状はさらに厳しい。1人っ子政策では2人以上出産した場合、地域にもよるが原則として罰金を課せられることがほとんどだ。

 今回の第2子解禁はその罰金が撤廃される以外の奨励などはない。さらに既に2人目を出産している夫婦が第3子以上を出産する場合は、以前通り罰金が課せられるのだ。これではただ「2人以上はダメ」から「3人以上はダメ」に変わっただけである。共働きが一般的な中国の夫婦にとっては無縁な政策とも言える。


黒孩子(ヘイハイズ)問題



 1人っ子政策を実施したこの36年間に急増したのが戸籍を持たない子供、いわゆる黒孩子(ヘイハイズ)だ。内陸や農村部に多く、中国当局の調べではその数およそ1万3000人にのぼるとされている。しかし、実際はその10倍もの数になるという見解も多く、実に人口の1割を占めることになる。

 戸籍を持っていない彼らは正規で就学、就業ができずに貧しい生活を余儀なくされる。もちろん、戸籍のない親の産んだ子供に戸籍を持たせることもできない。黒孩子(ヘイハイズ)問題は今後の中国にとってさらに大きな課題となるだろう。


わがまま小皇帝が親となる



 さて、先ほども述べたように1人っ子政策を実施して36年になる中国。現在父親、母親として子供を育てる立場となる20~30代の若者のほとんどが1人っ子であるということになる。

 両親からはもちろん、祖父母の愛情を独り占めできる1人っ子達はそのわがままぶりから「小皇帝(小さな皇帝)」と呼ばれており、社会問題のひとつともされている。

 そんな小皇帝たちが自分たちの身を削り、2人の子供を育てられるのだろうか

 実際に中国の調査によると、この政策の発表を受け、男女約3000人に聞いた調査によると、約52%が「第2子は考えない」と回答した。理由としては「生活水準が低下するから」、「金銭的に余裕がない」などが挙げられた。

 発表直後から雲行きの怪しい第2子解禁政策、今後の中国政府の対応に注目したい。(執筆者:竹内 さくら)


竹内 さくら

竹内 さくら

編集部ライター。
北京のお隣、天津での留学を経て現地採用として大好きな中国で働く24歳。
主に現地での生活情報や珍事件などを紹介する。
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著書


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