こそっと遊んでこそっと帰国? タイ人流「スマート日本観光術」がすごい!


副題:時代は団体旅行からFIT(個人旅行)へ。査証免除が実現したタイ人観光客の行動パターンから明日のインバウンダー「旅行パターン」を先取りしよう。


 全国二千万の中国ビジネスヘッドライン愛読者の皆様。ご機嫌いかがでしょうか? 中国語講座チンプンカンプンのドラゴンならちゃんです。今日も「怪しく鋭く、愛情たっぷりに」インバウンドコラムをお届けしてまいります。


タイからの観光客 意外なリクエストに驚き


 先日、タイランドから「一組の家族」をお迎えして五日間の旅行にアテンドする機会があった。一行は子供二名を含む総勢七名。このファミリーは、タイランド元副首相ご一家であることを除けば、まったくフツーの「典型的家族旅行」である。

ナイトフライトの疲れも見せず、関空から奈良公園まで直行。

ナイトフライトの疲れも見せず、関空から奈良公園まで直行。



 聞けば、このファミリー、北海道やデズニーには、それぞれが何度も行っていたが関西方面は「誰もゆっくり見たことがない」ことに気が付いて急きょ家族関西旅行が決まったのだとか。

 ついては家族で行くなら車の移動が便利だけれど、道不案内な外国で、いきなり自分たちで運転するのもなあ。誰か案内役いないかねえ。

 元政府高官なのなだから地元の領事館に言えば問題解決? とはいかない事情が。なにせ目下のタイは軍事政権。「追い出した側の元閣僚を接待しましたなんて報告を本国に挙げようものなら大阪総領事が本国送還になりかねない? そこで「無難な日本人」として吾輩に白羽の矢がたった、という次第。やれやれ。

 と。思う間もなく一行を乗せた飛行機は、早朝関空におりたった。時刻は朝八時。拶する間もあればこそ、一行七名は膨大な荷物とともに10人乗りワゴン車で奈良へ直行。

 奈良公園の鹿は早起きだった。

 奈良公園大仏殿入口でドアを開けるなり子供ばかりか、大人までも「お出迎えのシカども」に車の中まで鼻先を突っ込まれて歓声をあげるのだった。

「いったいどのくらいのシカがいるんだ?」

「しかとは、だれもわかりません」

いったい何頭のシカがいるんだ?しかとは誰にもわかりません(古典ジョーク)

いったい何頭のシカがいるんだ? しかとは誰にもわかりません(古典ジョーク)



 こんな古典落語の枕みたいな会話を絶叫しながらシカせんべいを買いまくって食べさせまくって一行は大仏殿に突入。

 これまた大仏の偉大さに心を奪われしばし無言。

 さすが仏教国のお国柄。お寺参拝のマナーはよくわきまえていらっしゃる。

「どうですか? ほかに興福寺とか名だたるお寺が多数ありますよ」と車に戻ってお勧めするも『お寺は一軒で十分よ』と軽くいなされておしまい。

 奈良の案内は、正倉院とか興福寺とかフツーの観光先を回ってからシカと大仏に連れて行かんと一日コースは成立しないんだな。と実感。

 そういえば奈良観光ガイド会の会長さんが「このごろ若草山に座りこんでガイドの説明聞いてくれん観光客が増えたんや」とか嘆いてたっけ。

「でも。お寺は一軒みれば十分よ」と興福寺には立ち寄らず一行は大阪でカニしゃぶを(なき。

「でも。お寺は一軒みれば十分よ」と興福寺には立ち寄らず一行は大阪でカニしゃぶを(なき。



 結局この日はランチの後大阪にもどってホテルにチェックインすることになった。

 車中聞き出したリクエストは「柿の木の森に行って柿とりがしたい」だった。

 「カキノキ?」

 聞けば最近タイランドではニュージーランドから柿が入ってきているとのこと。ケッコウな値段がついた高級果実の扱いらしい。そこで日本に行ったら柿山に行って柿の取り放題なんかに行きたかったらしいのだ。ご一行の要望で「かなわなかった唯一のリクエスト」がこれ。柿の木園はタイ人観光客の目玉商品になるかもしれません

 奈良のみなさん、いまから柿植えませんか? 八年後タイ人観光客がきてくれますよ。

日本の女性って、こうしてサービスするんでしょ?とおどける元副首相夫人。

日本の女性って、こうしてサービスするんでしょ? とおどける元副首相夫人。




二日目京都へ


 第一番目のリクエストは伏見稲荷。

 ここで読者各位にクエスチョン。

「伏見稲荷にわざわざ行きたいですか?」

 では、なぜ、外国のお客様は伏見稲荷に行きたいの?

 答えはトリップアドバイザーだった。

 この本(アプリ)に上位候補として取り上げられた結果、外国人観光客は伏見稲荷へ向かうのだった。なるほど。

一行の旅行情報源はトリップアドバイザーだった!

一行の旅行情報源はトリップアドバイザーだった!



 一行が出したリクエストは下記のようなものだった。

カニしゃぶ
しゃぶしゃぶ
神戸牛ステーキ
USJ
海遊館


 それが証拠に結局、伏見稲荷の本当の見せ場は「裏山の千本鳥居」なのだがここへ行くには二時間コースになってしまう。そのことを説明すると一行は「そんな暇ないよ」と本殿参拝だけで次の目的地金閣寺に向かうのだった。

 京都最後のコースは清水寺。

 舞台からサンセットを眺めよう。こんな思惑で坂道を時計をチラ見しながら登ってみると。まあ、着物の女性の多い事。そのほとんどが中国台湾の観光客! 来年はタイ人女性にもキモノが流行りそうな予感。

 USJや海遊館など大阪ポイントはクルマ不要ということでご一行は自主行動。

人気アトラクションは4時間待ちだった。

人気アトラクションは4時間待ちだった。



 最後の日のアテンド先は神戸。こちらの目的はもちろん神戸牛。

 そしてもう一か所。外せないご指定が。

 なんとクツ。

 神戸って靴の街として外国人に認識されているとは関西人の吾輩には「初耳」だった

 ご一行がこだわったのかつて阪神大震災で壊滅して、やっと復興なった長田。「わたしは、日本のクツしか、履けないの」という元副首相夫人の「たっての希望」。

 ここ長田で、補正メデイカルシューズをご発注。靴の修正の時間を利用して一行は神戸牛を満喫。さらにオニヅカショップを発見大興奮。タイのみなさんは日本のクツが大好きなのね。知らんかった。結局ご一行は10足以上のクツをお買い上げ。

タイ人や中国人ってクツフェチ多いんですよ。補正靴で一泊神戸泊りをジョーシキにさせよう!

タイ人や中国人ってクツフェチ多いんですよ。補正靴で一泊神戸泊りをジョーシキにさせよう!



 いよいよ日本旅行も残すところ数時間。フライトは深夜なのでまだもう「ヒト遊び」。「さあ、どうします? ドートンボリ行きますか?」一行から歓声が上がる

 タイランドにあるトンブリのあたまにドウをつけたらドウトンボリ。ホテルから歩ける距離にあったせいもあって道頓堀は人気スポットになっていた。

 クルマは関西空港に移動する前に道頓堀のドン・キホーテで最後の買い物を満喫。大大大満足で関西空港を出立していった。


≪まとめ≫


1. タイ人の「いまど旅行パターン」→金曜ナイトフライトで日本にひとっとび。土日遊んで月曜朝、空港から職場や学校にこっそり直行。

2. その結果、職場の同僚への『お土産』に気を使うことなく自分の自由な旅行が満喫できている。

3. 背景にLCCの増便など選択肢の充実が貢献している。片道1万円は驚異的!

4. 今後中国公民への査証審査の簡素化⇒免除化が進むつれてタイ人の観光行動パターンは大いに参考になると思われる。

5. タイ人家族旅行者むけ、レンタカーサービスおよび運転関連需要は可能性大。交通環境の整備(道路標識)など課題の解消を急げ。

 タイ人の旅行パターンは査証免除実施以降、このような家族連れ→レンタカー利用が増えているようだ。タイ人にとって、右ハンドルの日本の道路はなじみやすいせいか?(執筆者:楢崎 宣夫)


楢崎 宣夫

楢崎 宣夫
http://chinpunkanpun-school.com/

売上三割増をめざす中国語研究会 代表
1957年大阪生まれ。
1980年 東京農業大学農学部卒。同時に大阪の食品メーカー就職。

1988年工場勤務を経て海外事業(中国原料開発・タイランド工場建設)に参画。同時に業務外で中国残留婦人帰国を実現する市民の会に参加。
1990年中国人帰国者の就業・生活支援を通じて中国語をブラッシュ・アップ。

1995年 阪神大震災を機に社内プロジェクト高齢者食材チームを立ち上げる。

2004年 中国山東省新会社設立プロジェクトに志願して山東省石島に進出。JUSCO YOKADOなどで試食販売を自ら実施。営業活動を展開。中国でモノを実際に売った数少ない日本人と自負。販売中「日本語うまいヒトがいる」と多数の日本人観光客から賞賛を浴びた(?)

2010年 家族の介護のため帰国。

2011年 大阪で、売上三割増を目指す中国語研究会・中国語講座「チンプンカンプン」を開講。
インバウンド取り込みをはかる商店主やショップ店員にゼロからスタートする中国語を指導する。中国語は三カ月で仮免許まで到達できます。あなたもお気軽にご参加ください。http://www.chinpunkanpun-uriage3wariup.jp/
趣味 語学(英語・中国語・タイ語・韓国語) 弓道二段
座右の銘 「人生は足りないものが問題ではない。あるものをどう活用するかが問題なのだ」A アドラー
 「情報が流れれば人が動く。人が動けばモノが売れる」 P/F ドラッカー
 「ケンカ買います。人生一度きり」

【寄稿者にメッセージを送る】

著書


Facebookページにご参加ください


更新情報やランキング情報、その他facebookページでしか配信されない情報も届きます。下記より「いいね」を押して参加ください。




中国ビジネスヘッドラインの購読にはRSSとtwitterが便利です


中国ビジネスヘッドラインの更新情報はRSSとtwitterでもお届けしています。
フォローして最新情報を見逃さないようにしてください。


 RSSリーダーで購読する   

メルマガ登録

 アクセスランキング(24時間)
  • もっと見る / 週間ランキング / 月間ランキング
  • 新着記事
    PR
    メルマガ登録