90年代生まれの若者たちにとっての「メンツ」とは


 中国の文化は、メンツを重んじる文化です。ですから、一緒にご飯を食べに行くと大変です。ご飯を食べ終わって支払いの段階になると、必ず喧嘩に近いくらい誰が食事代を払うのかでもめます。それぞれが、「わたしが払う」と主張するからです。

 最終的には、前回払った人、今回払う人、そして次回払う人と順番で払っていきます。メンツが大切なので、お金がなくても、わたしが払うと喧嘩に加わらなければなりません。

 そんなメンツ文化にも、変化が生じています。先回ご紹介した、手当を巡って会社相手に裁判を起こし、負けても職場に戻ってくる若者の話に、それではメンツがたたないじゃないか、と思われた方もおられると思います。

“90後”の若者たちとは言え、彼らも中国の伝統を引き継いでいます。一般的に、“90後”の彼らにとって、仕事を選ぶときに大切なのは、お金ではなくメンツと言われています。彼らも、メンツを大切にします。しかし、彼らの言うメンツと、今まで中国で考えられていたメンツには違いが生じています

 今まで中国で大切にされていたメンツは、内状がどうであれ周りの人たちから成功している、お金があると思われるように振舞うことでした。しかし、今の若者たちは、お金に困った生活をしたこともなく、どうしてもお金がなければ困るという生活は送っていません。

 ですから、仕事に見合った給料がもらえるなら、彼らはさほど多くの給料を要求することはありません。むしろ、彼らがどうしても欲しいのは、自由です

 過去の中国文化とは違い、現在の若者たちは西洋文化の影響を受けており、個人主義的な考え方を持っています。自分の価値観があり、趣味や自分の夢を大切にしたいと思っています。ですから、それを奪おうとする考え方には敏感に反応します。

 例えば、失恋をして何もする気がしないのに、会社を休むことを許してくれない。恋人とデートの約束があるのに、残業するよう求められる。お昼ご飯を食べるはずの時間に、仕事をしなければならない。こういったことは、個人を大切にする彼らにとっては、耐え難い仕打ちなのです

 今の若者にとって、誰が食事代を払うかなんで、大した問題ではありません。日常的に、AA制と言われる割り勘を選択しています。彼らの大切にするメンツは、自由に、夢を持って有意義な人生を歩んでいる、と認められることだからです。(執筆者:大西 秀明)


≪ゆっくりする時間を優先する若者たち≫


大西 秀明

大西 秀明
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編集部ライター
ちょっとスパイスの効いた人生をかなえようと、2008年より中国・広東省在住。人間味あふれる中国の人たちとのコミュニケーションを楽しむ日々。中国での業務経験からの情報を交えつつ、今の中国を支える人たちから見る中国世相について、お伝えしていきたいと思います。

著書
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