意外と身近な偽札たち



 ちょっとギョッとするタイトルですが、中国で生活している人間にとっては意外と普通に偽札を目にし、手にしたことがあると思います。日本では全く考えられない事ですが、私自身も何度も体験している事柄です。

 もし、皆さんが偽札を手にしたらどうしますか。日本なら交番へ持って行くと本物と交換してもらえると思いますが、中国ではただ没収されるだけです。ゆえに警察へ届けたという話を聞くのは皆無に近く、多くの場合、偽札は回収されず流通しているのが現状だと思います。

 本来、偽札を使用する事は違法で最悪逮捕される可能性もあり、警察へ届けるのが当然ですが、損得勘定が優先するのか、はたまた、偽札と知ってか知らずか、多くの偽札は人から人へ流れて行きます。

 では偽札とどういう形で出くわすのが、多いのでしょうか。10元、50元といった紙幣の偽札は、おつりとして商店等からもらう、またはタクシーからもらうといったケースが多いと思います。

 100元札の偽札は少し状況が変わってきます。最高額紙幣である為、両替や銀行から出てくるケースが意外と多いのです。

 私自身、実際に体験した事ですが、銀行のCD(自動現金引出機)から、お金を引き出した際に偽札が複数まぎれて出てきました。他の国ではCDから偽札というのは聞いたことがないかもしれませんが、中国ではあり得ます。銀行で偽札を手にしてしまった場合は、すぐにその場で銀行側と交渉する必要があります。

 私のケースでは目の前で出てきた偽札を提示しても、銀行はその場でその非を認める事はしませんでした。最終的に1時間以上交渉して私の引き出し記録や、引き出し時の映像などを確認してもらい、私に非がなく銀行に非がある事を認めさせ、偽札を銀行に引き取らせ、私の損害を防ぐことが出来ました。

 おそらく、一度その場を離れてしまっていた場合は、絶対に銀行もこの事実を認める事はしなかったと思います。

 逆に言うと、機械の真贋判定をすり抜けるほど精巧な偽札が出てくるという事を意味しています。私が手にしたものは透かし、銀色のテープ、立体的に凹凸を感じる部分など正確にコピーされていました。違和感を感じたのは、紙幣の紙厚と質感、色の濃淡などでした。

 後で聞いた話ですが、銀行の機械はCDよりATM(自動現金預払機)の方がセンサーの精度が高く設定されているというのです。銀行への侵入は厳しく防ぐが、もし銀行に紛れこんでいた場合は、速やかに排出するという事なのかも知れません。さすがコピー大国というべきか分かりませんが、出て行くお金の真贋は問わないという銀行の姿勢に驚きを感じると同時に、偽札など作らず、是非の他の技術へ労力を移してほしいと強く感じました。(執筆者:武田 康夫)


武田 康夫

武田 康夫
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編集部ライター。中国上海在住。中国で大学を卒業し、中国と関わり始めて、約20年。毎日中国語のみ話す生活環境。現在は現地法人の最高責任者を務めて6年ほどになります。

著書


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