中国は好景気なのか?不景気なのか? 沿海部支える地方の犠牲



 昨今、中国経済が減速という内容が世界各地の報道で目に付くようになってきました。今まで上海などの一部大都市にいると表面上余り感じずに過ごすことが出来るため、世界の心配とは裏腹に好景気のような感覚にとらわれている人が多くいますが、私のように地方の各都市を多く回っている人は、少なからず問題を感じている人が多いのではないでしょうか。

 最近は中国の外の報道で言われている通り、GDPがあてにならないとか、電力消費量の伸びや鉄道貨物の推移に注目するとか様々な情報を元にした景況感をよく目にするようになり、疑問を感じる事も多くなってきました。私自身が見聞きした限りでは、実際はここ5、6年の地方の疲弊はどんどん進んでいるように感じています

 地方都市の様々な製造業の経営層と話をしていると、一見積極的な事業展開をしているように見えますが、地方政府の支援の下、子供が高価な玩具を欲しがるように、最新で近代的な身の丈に合わない過剰な設備を抱え、在庫過剰に陥っている企業を数多く見てきました。

 中には360度見渡す限りの在庫を抱え、まだ生産を続けている国営企業もあり、在庫が多くなるのは物流便を思うように押えられないからだという話をしていました。しかし、現実には出荷できずに数年たっている在庫もあり、政府指導によるもので、一般的な我々企業人としては理解できない生産状況に陥っていると容易に推測できる状況でした。

 実際に地方の小都市で特に少数民族の多い地域の国営企業にとっては「雇用の継続=治安の維持」という側面のあるようで、簡単に生産を止めるわけにはいかない事情があるとの話を別の現地の人間からこっそり耳打ちをされました。

 また、最近あまり聞かなくなったのは計画停電や突然の停電です。

 好意的に考えれば電力供給能力が全国的に落ち着いてきたという事になるのかもしれませんが、2年前くらいから地方の小都市でもほとんど聞かなくなってきたのは電力消費量が落ちているという事ではないかと感じています。これは、私の個人的意見ですが原材料を中心に、供給過剰の状態の地方の中核企業を政府が支えている状態に突入しているのではないかと考えています

 上海などを代表とする沿海部や、大都市における大量消費の華やかさは、実はこういった地方の犠牲の上に成り立っているのではないでしょうか。もしそうであるならば、仮に全体GDPが成長していたとしても、現在の状況は好景気なのか、不景気なのかわからなくなります。ひょっとすると中国は大きな曲がり角に来ているのかもしれません。

 何にしても展開が早い中国です。外国人として、中国で企業を存続させ発展させてゆく為に何が大切なのか、または反対に撤退という考えとそのメリットデメリットを分析し手札として持ち合わせ、どんな波が来ても素早く対応する事が必要不可欠になってきていると強く感じる今日この頃です。(執筆者:武田 康夫)


武田 康夫

武田 康夫
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編集部ライター。中国上海在住。中国で大学を卒業し、中国と関わり始めて、約20年。毎日中国語のみ話す生活環境。現在は現地法人の最高責任者を務めて6年ほどになります。

著書


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