中国の離婚率を上昇させている原因(1) 長距離通勤


 中国の去年の離婚率は、27.8%でした。4組の新婚夫婦が誕生すると同時に、1組の夫婦が結婚にピリオドを打っています。これで離婚率は、12年連続の上昇です。GDPもどんどんと上昇してきましたが、中国の離婚率もとどまるところを知りません。

 そんな中国の離婚率を引き上げている原因は、いくつかあります。河南商報(ビジネス新聞)によると、そのうちの一つが、遠くからの通勤です。スウェーデンUmea大学の調査では、夫婦のどちらか片方の通勤時間が45分を超えると、離婚率は40%増加すると報告されています。

 同じ調査報告書によると、45分以上の時間をかけて通勤している人は、出社した時点で疲れを感じていることが往々にあるそうです。通勤のために往復90分以上使っている人の3分の1は、心理的問題を抱えているともあります。こういった心理的影響や健康に及ぼす影響が、円満な家庭を壊す原因となっています。


《渋滞に巻き込まれながら通勤する人たち》



 では、中国の人たちはどうして長距離通勤をしなければいけないのでしょうか。いくつか理由があります。

 1つ目にあげることができる原因は、多くの会社がオフィスを市の中心に構えているのに対し、その近くの不動産価格はとんでもない値段に高騰していることです。一般市民には、手が出る値段ではありません。ですから、多くの人たちは郊外に居を構えるしかありません。

 2つ目にあげられる理由も住宅事情と関係があります。どの都市でも中心部は開発が終わっているため、新築物件はとても少ないです。新築物件を手にしたい人たちは、郊外で購入する他は方法がないのです。

 3つ目の原因は、都市部の慢性的な渋滞です。大都市では渋滞が日常茶飯事ですが、特に通勤時間帯の渋滞はとてもすごいです。マイカー通勤にしろ、バス通勤にしろ、渋滞がなければ10分の距離が、通勤時間帯は30分かそれ以上かかることが普通です。

 その他にも、通勤時間帯の地下鉄利用者が多すぎるため、何本か乗り過ごさないと地下鉄に乗車できない都市もあります。彼らは、通勤のために多くの時間をかけざるを得ないのです。

 多くの人は、幸せのために、いい企業での、またいい給料をもらえる仕事を選んでいます。しかし、結果的には、その仕事が理由で、離婚に至ってしまう人がいるのは、悲しい現実です。(執筆者:大西 秀明)


大西 秀明

大西 秀明
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編集部ライター
ちょっとスパイスの効いた人生をかなえようと、2008年より中国・広東省在住。人間味あふれる中国の人たちとのコミュニケーションを楽しむ日々。中国での業務経験からの情報を交えつつ、今の中国を支える人たちから見る中国世相について、お伝えしていきたいと思います。

著書
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