経済発展とともに変化する中国でのペットと人の関係


 日本では、ずいぶん前からペットは家族の一員です。中国の都市部でも、ここ数年ペットに対する考え方が変わりつつあります。ペットをただのペットとしてではなく、家族のように大切に飼う人たちが増えています。

 わたくしが住んでいるマンションでは、ご近所さん9軒のうち4軒で、犬が2匹、猫が3匹飼われています。わたくしも犬を飼っているのですが、休みの日に散歩に出かけると、犬を連れて歩いている人がたくさんいます。また最近では、若いビジネスマンたちの中にもペットを飼う人たちが増えています。


<ペットと楽しい時間を過ごす人たち>


 どうして、彼らはペットを飼うのでしょうか。

 理由としてあげられる一つの理由は、ストレスに対処するためです。中国の都市部で働くビジネスマンたちは、毎日相当なストレスにさらされています。物価の上昇のスピードがとても早いために、頻繁に転職するのではなく、安定した仕事を長く続けたいと考えるようになりました。

 しかし、そのためには仕事を頑張らなければなりません。中国には相当量の労働者がいるため、仕事で結果を出さないと、給料が上がらないどころか、仕事を失ってしまう可能性もあります。そんな職場で感じるプレッシャーやストレスから解放し、癒しを与えてくれるのがペットなのです。キラキラした瞳で見つめてくれるだけで、肩の力がスッと抜けるものです。

 都市部では晩婚化が進んでいることも、若いビジネスマンたちにペットの購入を考えさせる原因の一つです。毎日、仕事から帰ってもだれも家にいてくれない状況に、寂しさを感じる人も少なくありません。しかし、家に帰るとご主人様を待っている犬や猫がいるとどうでしょうか。そっとすり寄ってきてくれるだけで、この子のためにがんばろうと思えるものです。

 ほかに、若いビジネスマンたちがペットを飼う理由には、経済的余裕ができてきたことがあげられるかもしれません。ペットは、子どもほどではないとはいえ、ある程度費用がかかります。経済的に全く余裕がなければ、面倒を見てあげることはできないでしょう。


 このように、男女を問わず若いビジネスマンでペットを飼う人たちが増えているのですが、問題がないわけではありません。ペットを飼いだしてみたものの、散歩に連れて行ってあげる時間がない、仕事に行っている間に部屋の物が壊されたり荒らされたりする、思っていた性格と違った、などの理由でペットショップや動物病院に返されるペットが少なくありません。

 わたくしの生活範囲の中にある動物病院には、里親を探している犬や猫が常に何匹もいます。それぞれの状況や言い分もあるでしょう。しかし、経済発展だけでなく、ペットを一つの大切な命として扱えるような道徳感の向上にも力を入れてもらいたいものです。(執筆者:大西 秀明)


<常設されている無償里子の看板>



<血統書付きでも里子に出されることが少なくない>


大西 秀明

大西 秀明
http://www.chinabusiness-headline.com/author/hohnishi/

編集部ライター
ちょっとスパイスの効いた人生をかなえようと、2008年より中国・広東省在住。人間味あふれる中国の人たちとのコミュニケーションを楽しむ日々。中国での業務経験からの情報を交えつつ、今の中国を支える人たちから見る中国世相について、お伝えしていきたいと思います。

著書


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