外国人患者様はむしろ迷惑? 中国富裕層の需要増加とビザの壁


 今日、中国人富裕層は日本が好きで、日本に来て、日本に多額のお金を落として行っていることは前回の記事で既に書かせて頂きました。

 しかし、弊社のお客様が美容整形クリニックで1人あたりの手術費過去最高額を1日で軽く抜こうとも、世界中の5つ星ホテルのルームカードキーを重ねたら1m以上になったよって教えて頂けたとしても、やはりそこは中国人、ビザの取得がかなり面倒なのであります。


中国人達にとってのビザの壁


 富裕層であっても中国国籍であれば日本に来る際はもちろんビザが必要であり、ビジネス以外で来る場合、大体は観光ビザでいらっしゃいます。弊社のお客様も大半がそうです。ですが観光ビザでは、短期すぎるということや、旅行会社が決めたホテルを予約しなければならないという欠点があります

 たとえば、美容整形の手術をしたあと、抜糸日までビザが持たずに1回帰国したあと、抜糸する為にまた来日されることもよくあることでした。

 また、前回も書いた通り、旅行会社のプランに付いているホテルでは到底満足していただけないお客様がいます。キャンセルもできない仕組みですので、そのホテルをほったらかしのまま、5つ星のホテルに宿泊するっというパターンが出来上がっています。

医療滞在ビザと国際医療交流コーディネーター


 「医療滞在ビザ」をとって頂いた場合、そのような無駄がなくなります。この「医療滞在ビザ」は、有効期限は最長3年で、最長6ヶ月滞在できます。中国人であると、観光ビザできた場合通常は滞在期間が15日以内です。

 医療滞在ビザを取得する場合、登録された身元保証機関(国際医療交流コーディネーターか登録旅行会社)に連絡し、受診等のアレンジについて依頼することとなります。弊社も先日晴れて国際医療交流コーディネーター認定されたわけですが、コーディネーターは実際どのようなことをするのでしょうか。大きく説明するとこうです。

・患者様と医療機関のマッチング
・医療ビザのサポート
・医療通訳、一般通訳派遣
・来日から帰国までのトータルサポート

 要するにビザ取得のサポートはもちろん、患者様が中国にいらっしゃる時から日本に来て治療を受けている時に、日本を外国だと思わせない安心のコールサービス、頼まれればホテル・観光の手配、美味しいランチのお店にも連れて行き、24時間友達のように悩み相談やコンビニにサンドウィッチを買いに行きます。さらにお客様が完全に帰国されたことを確認し、帰国後の日本医療機関とのやり取りのフォローまで任せていただけます。


中国人富裕層からの需要大


 さて、実際に中国からの需要があるでしょうか。

 野村研究所が中国の一般人を対象とし調査した「日本の医療サービスに対する利用意向」では、日本の医療サービスに対して、回答者の74.5%が「利用してみたい」と回答した。一方、「利用したくない」は13.5%、「わからない/知らない」は12.0%であったことから、日本の医療サービスの需要は多いにあると言えます。

 また、経済産業省にのせてある外国人患者からの問い合わせ件数で一番多いものは中国で、ほぼ半数に及びます。ちなみに、下のグラフで症例別問い合わせ件数をみると「がん治療」、「検診・健診」、「整形外科」を合わせると全体の半数ほどですが、中国人富裕層はほぼこの3つを理由に来日しています。


(経済産業省 平成25年度 医療の国際化~世界の需要に応える医療産業~より引用)


 このように、中国人患者様からの日本医療受診希望はあり、実際にも観光ビザで来日し、その短い時間で健康診断や小さな手術を受けられてきたわけです。しかし医療滞在ビザが取得できるようになった今、富裕層の方には医療滞在ビザをとっていただき、余裕をもって、受診・治療を受けていただきたい、そして日本経済も潤していただこうではないですか。


日本のお医者様の本音


 この医療滞在ビザですが、以前は日本医療現場からしたら、熱く歓迎されるものではない、というより逆に迷惑がられる傾向がありました。(今もないとはいえませんが)外国人患者様といえば、苦手・うるさい・日本語通じない、という印象があるようで、そうなってくると医療時間は倍以上、敬遠されることは必然でしょう

 ところが近年は医療機関も国際化に向かっているのです。2020年開催予定のオリンピックの影響もあって、外国人患者様を積極的に受け入れるところが増えてきました。通訳のできる看護師を募集したり、規模が小さな病院では通訳を外注したりして外国人患者様を診療するところも見受けられます。

 海外在住の患者様が日本で診療・治療を受ける為には、医療滞在ビザが必要です。

 ビザ取得に「国際医療交流コーディネーター」の存在はかかせません。医療機関とコーディネーターはお互いに協力し合っていけば、近い将来、「医療滞在ビザ」で、もっと開けた日本医療を見られるかもしれません。(執筆者:夏川 浩)

  
 


夏川 浩

夏川 浩
http://www.brisian.co.jp/

ブリジアン株式会社 代表取締役。
北京出身、中国系日本人。千葉大学工学部卒業後、一部上場IT企業と一部上場印刷会社で国際営業に従事、中国において政府・メディア・企業経営者等に幅広い人脈を持つ。
2011年にブリジアンを設立、新華社・CCTV・瑞麗をはじめ中国の多くの大手国営メディアと提携し、日本企業の中国でのプロモーションやマーケティングをトータルでサポートしている。特に中国富裕層に対するアプローチを得意とし、日本への誘致や中国での高額品販売イベント・富裕層パーティーなどを手がけ、多くの成功事例を作る。
2014年には国際医療交流コーディネーターとして認定され、日本の最先端医療を求める中国人患者に円滑な渡航を支援している。
ブリジアンは日本国内において中国富裕層の集客から来日後の対応など、ワンストップで対応できる業界の第一人者である。

著書


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