中国のタクシーに荷物を忘れた! 地域で明暗分かれる結果に…


中国現場コラムvol. 140 中国のタクシーの中に荷物を忘れた!

 中国のタクシーの中に、荷物を忘れたまま下車してしまった経験はありますか?今回は、筆者自身および中国人の友人の身に起きた、中国のタクシーの中に荷物を忘れたことの顛末に関する現場コラムです。

1. 湖北省武漢市


 あるとき湖北人の友人が怒っていました。

筆者:「どうしたの?」

湖北人の友人:「タクシーの中に、iPadを置き忘れて来てしまった!×××!」

 発票(レシート)をもらっていなかったため、武漢市のどこの会社のどのタクシーに乗ったのか不明であったため、iPadは戻っては来ませんでした。ただ、この友人は、湖北人の特徴として、気性は荒く言葉は汚いものの、自分自身に原因がある悪いことはすぐに忘れたようでした。

2. 北京市


 筆者自身が北京市に住んでいたときに起こった筆者自身に関する経験です。その日は、日本に一時帰国する日でした。当時中国語学研修生であった筆者は、当日、授業を受け終えた後、最終便で日本に帰国するつもりでした。そのため、朝、タクシーのトランクに荷物を入れてから、語学学校に向かいました。

 学校に着いてから、トランクに入れてあった荷物を取り忘れてきたことに気付きました。しかし、発票をもらっていなかったため、これまた、どこの会社のどのタクシーに乗ったのかも分かりませんでした(北京では、緑と黄色のタクシーが多いですが、それぞれにタクシー会社は異なります)。

 このとき、今後は、どんなに低額でも必ずレシートはもらおうと心に決めましたが、その日に関しては後の祭りでした。だからといって荷物を諦める訳にもいかず、急いで語学学校の事務所に行き、事情を説明して、無線か何かで各タクシーに連絡してもらえないかと聞いてみたのです。

 その結果、無線でタクシー運転手に捜索願を出すには、何とお金が必要だとタクシー会社が言ってきました。筆者は授業があったため、事務所の従業員に、他のタクシー会社にも確認してもらったのですが、結果は同じでした。その額、1,500人民元(当時のレートで、約20,000円)。下手をすると、周りで働いている中国人の月給と同額です。

 不幸中の幸いとして、パスポート等の貴重品は肌身離さず所持していたため、紛失したのは着替え等でした。実際問題、一番高くついたのはトランク自体でした。そこで、捜索願を出しても、荷物が戻ってくる可能性はどうせ低いのだから、1,500人民元が無駄になるよりも、荷物をあきらめる事にしました。

 それにしても、忘れ物を捜すだけでも多額のお金が必要なのは驚きでした。

3. 広東省広州市


 広東人の友人が広州市でタクシーの中に、現金と買ったばかりのアクセサリーの保証書(幸いにアクセサリー自体は買ってすぐに身に着けていたとのこと)の入った袋をタクシーの中に置き忘れて来てしまいました。これまたお約束のごとく、発票をもらっていなかったため、どこのタクシー会社のどのタクシーかが全く不明な状況でした。

 当日は給料日であったため、多額の現金を引き出していたとのことでした。残業の疲れがたたったようですが、後悔しても後の祭りでした。翌日、前日、あれだけしょげかえっていた友人が喜びの余り、興奮していました。

広東人の友人:「昨日タクシーに忘れた荷物が全部戻ってきた!」

筆者:「中身は確かなの?」

広東人の友人:「確か!ウララ、ウララ」

 話を聞くと、次の顛末とのことでした。前日のタクシーには、会社の前から、残業を一緒に終えた同僚と二人でタクシーに乗ったとのことでした。タクシーの中で、土曜日も出勤だ!などと話していると、タクシー運転手が話に入ってきました。

タクシー運転手:「土曜日も仕事とは大変ですね?どういう仕事なのですか?」

広東人の友人:「×××。あのビルで働いているの」

広東人の友人の友人:「○○(友人の名前)、私が先に下りるよ。バイバイ」

 タクシー運転手は、この二人を降ろした後、後ろの席をチェックしたところ、忘れ物があることに気づきました。先ほど乗っていた二人の物に違いありません。親切なこのタクシー運転手は、翌日、タクシー内での会話をもとに、友人が働くビルに入っている会社を一つ一つ訪ね歩いたとのことです

タクシー運転手:「○○という名前の人は働いていますか?」

 そしてあるフロアーに入っている会社でようやく探し当てたとのことでした。

広東人の友人:「やっぱり、広州人は親切!」

 中国の地域差は大きいですが、それにしても、中国ではタクシーに乗るときは必ず発票をもらっておくべき、ということが教訓として残りました。(執筆者:奥北 秀嗣)


奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

公認内部監査人
1996年早稲田大学教育学部教育学科社会教育学専攻卒業、2001年早稲田大学大学院法学研究科民事法学専攻修了(法学修士)。2009年中国北京にある中国政法大学大学院に留学し民商法を研究すると同時に、中国現地各有名弁護士事務所にて中国法務・労務を中心とした実務研修を行う。
【著書】
◾︎『中国のビジネス実務 人事労務の現場ワザ Q&A100』(共著、第一法規、2010年)
◾︎『中国のビジネス実務 債権管理・保全・回収 Q&A100』(共著、第一法規、2010年)他。
【論文】
◾︎「中国で債権回収に手こずる~現場からみた注意点(合弁、独資別)~」(中央経済社『ビジネス法務 2011年10月号』)
◾︎「中国ビジネス 現場で役立つ実務Q&A」(第一法規『会社法務A2Z』2012年1月号より連載中)
◾︎「中国から”上手”に撤退する方法」(中央経済社『ビジネス法務 2013年6月号』)
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著書


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