中国人観光客が急増中のタイ 日本にない嬉しい「サービス」


 慌ただしい年末の最中、市場調査のため、急にタイへ行かなければならない日程となってしまった。日本のタイ大使館でビザを申請しようと思ってもすでに日時的には間に合わないので、バンコクの空港で着陸してから申請することにした。私にとって初めての試みだから、出発前、一抹の不安があった。


スムーズな入国手続きに感激


 しかし、到着ビザの取得は意外に簡単だった。バンコクのスワンナプーム国際空港に到着したあと、中国語の表示もある案内板の指示に沿ってそのまま進めば、自然に到着ビザ申請所に辿りついた。入国カードを記入するような感覚でビザ申請書類を書き終えたあと、帰りの飛行機の便名を証明できるものと写真1枚添えて提出すれば申請作業はこれで終了。

 その書類に問題がないのを確認したタイ入国管理局の第一窓口から、受理番号を記入した紙とともに申請書類が戻されてくる。今度は隣の入国管理局の第二窓口でビザ取得と入国許可の手続きをする。私の受理番号は910番だった。その日の私までの申請者人数だろうと思った。

 空港の待合室に似た空間で、座って待っていたら、数分もしないうちに番号を呼ばれた。そこで無事、ビザを取得し、入国も許可された。その便利さに感激した。私の観察した範囲で言えば、到着ビザ申請者の85%以上は中国人で、10%はインド人、残りの5%はタイとのビザ相互免許が実現されていないその他の国々の人たちだと思う。


「無料SIMカード」で到着後すぐにネット利用が可能


 空港の入管の第二窓口で入国手続きをしている間、窓口のすぐ横に無料の携帯電話SIMカードが置いてあるのに気付いた。そのSIMカードを携帯電話に入れると、WiFiが使用でき、インターネット電話なども使えるようになるという。通話できる時間やインターネットの利用時間が制限されているが、異国の空港に着いた最初の時よく感じる通信の不便さを解消してくれた。その目立たないサービスに感激した。

 無料SIMカードの説明書にはタイ語、英語、中国語でチャージの方法などが紹介されている。タイの街角によく見かける「7-Eleven」などのコンビニでチャージ専用カードが購入できる。SIMカードの説明書には、通話料金のパターンも親切に紹介されている。観光立国への力の入れようが肌で感じられる。

 タイは2012年中国人観光客の受け入れ人数が270万人で、初めて200万人という大台を突破。マレーシアを押さえ、東南アジアで1位となった。「今年の中国人観光客の受け入れ人数は?」と、バンコクでタイ事情に詳しい中国大手企業の現地子会社の社長に尋ねると、「300万人は超えるだろう」という淡々とした回答が戻ってきた。

 より多くの中国人観光客を受け入れるために、タイは中国との訪問ビザの相互免除に踏み込もうとしている。


莫 邦富

莫 邦富
http://www.mo-office.jp/

作家・ジャーナリスト。1953年、上海市生まれ。上海外国語大学日本語学科卒。同大学講師を経て、85年に来日。95年に莫邦富事務所を設立。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続けている。また、「新華僑」や「蛇頭」といった新語を日本に定着させたことでも知られる。
日本企業の中国進出、中国向け商品のネーミング開発、日中地方自治体や企業に対するコンサルタントも積極的に進めている。博報堂スーパバイザ。SMBCコンサルティング顧問。安徽省観光大使。山梨県観光懇話会委員。石川県中国インバウンド研究会顧問。ニューコン株式会社(IT企業)社外取締役。大妻女子大学特任教授など。

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