タブーを破って「お好み焼き」を機内食にしたピーチの企業努力


 最近、私は注意深く読んでいる新聞の記事がある。航空業界に焦点を当てる日本経済新聞の連載記事だ。

 先日の日本経済新聞に、安いのは当たり前というイメージのある格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションに関する記事が載った。関西国際空港を主要拠点に国内外14路線を運航するピーチは「大手の航空会社にはないサービスをめざせ」として、9月から機内で日本の庶民の味「お好み焼き」の試験販売を始めた。

 たまたまこの記事を上海浦東空港のJALのラウンジ内で読んだだけに、そこから受けた衝撃も格別に大きかった。以前、関西のシンポジウムに出たとき、関西のたこ焼きをこよなく愛する日本コナモン協会の熊谷真菜さんから面白い話を聞いたことがある。日系航空会社に、関西空港で発着する国際線便の機内食としてたこ焼きを提案したことがある。しかし、においが強すぎるのと加工の手間がかかるということで、その提案が却下されたそうだ。

 しかし、ピーチは、においが強い食べ物はタブーということを逆手に取って、逆ににおいにつられて注文が続出する波及効果を狙って、庶民の味「お好み焼き」を機内食にしたのだ。報道によれば、「国際線で受けがよい。12月から正式メニューになる。1枚700円と安くはないが、大阪の有名店と組んで味にこだわった」という。

 11月中旬、日本航空の関係者と一緒に中国の安徽省を訪問した。出張先の黄山で、私は日航の国際便の機内食の改善を強く求めた。特に、日本と中国との間を飛ぶ、日本発の便の機内食に相当拒絶反応を起こしている。ここ数カ月、その機内食を拒否するようにしている。

 小分けにしている機内食は見た目ではそれなりのものだが、味も質も量も評価できない。その意味では、むしろ中国発の同社便の機内食の方がましだ。カレーの加温が中途半端なものとは言え、まあまあの感じでいただけた。

 もう一つ、日本航空の機内食関連のサービスの仕方に不満を持っている。熱い食事とともにアイスクリームが同時に運ばれてきた。食事を済ませてアイスクリームを食べようとしたとき、機内食の熱さでアイスクリームがすでに溶けていた。

 以前は食事のあと、配られていたのだが、おそらく手間を省くため、一回の配布ですべてを配ることに変わったのだろう。効率の向上には繋がるかもしれないが、サービスの低下と乗客の不満を招くような改善策は果たして改善策とは言えるのだろうか?

 タブーを破ってお好み焼きを機内食にしたピーチの企業努力に、日本航空もいいヒントをもらってほしいものだ。


莫 邦富

莫 邦富
http://www.mo-office.jp/

作家・ジャーナリスト。1953年、上海市生まれ。上海外国語大学日本語学科卒。同大学講師を経て、85年に来日。95年に莫邦富事務所を設立。知日派ジャーナリストとして、政治経済から文化にいたるまで幅広い分野で発言を続けている。また、「新華僑」や「蛇頭」といった新語を日本に定着させたことでも知られる。
日本企業の中国進出、中国向け商品のネーミング開発、日中地方自治体や企業に対するコンサルタントも積極的に進めている。博報堂スーパバイザ。SMBCコンサルティング顧問。安徽省観光大使。山梨県観光懇話会委員。石川県中国インバウンド研究会顧問。ニューコン株式会社(IT企業)社外取締役。大妻女子大学特任教授など。

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