絶対に中国人に贈ってはいけない物 <選び方に注意>続編


 「時計」は贈ってはいけない、「傘」もダメ、「扇子」もダメ、以前当コラムではこんなポイントを書きました。

 先日、中国ビジネスヘッドライン読者の方からこんなメッセージをいただきました。

「傘が駄目だと書かれていますが、逆の場合が有るのをご存知でしょうか? 客家人の嫁入り道具に『紙傘』は欠かせません。紙と子の発音はとても近く早生貴子とは早く子供に恵まれますようにという意味です。このように中国の客家人では台湾でも大陸でも同様です。一概に傘が駄目だと言えません」
 なるほど・・・、傘を縁起物としてプレゼントする地域はあると聞いていましたが、具体的な事例に触れるのは初めてでした。

 中国といっても北から南まで広い地域です。その地域によってそれぞれ違う風俗や習慣があることは十分に想像できます。中国をステレオタイプで理解しようとしてはいけませんね。中国の広さと奥行きの深さを改めて確認されられたメッセージでした。<(_ _)>

 「傘は人と言う文字が5つ有るので子孫繁栄の意味も有ります。そして傘の形は丸いので円満の意味も有ります」とのご指摘も・・・。なるほど、これは次のセミナーのネタ(?)で使わせていただきます。(^o^)v


実は私も「扇子」をもらった経験があります。


 中国のお土産に「扇子」をもらったことがあります。「扇子」はダメと聞いていたので、一瞬ドキッとしましたが、この「扇子」のお土産はなかなか心憎い計らいでした。

 企業訪問で工場を見学した後、会議室に通され質疑がありました。会議室の戻ってきてテーブルの上を見ると、紙製の手提げ袋が置いてあります。ちらっと袋の中を覗いてみると、中には箱に入れて丁寧に包装された「扇子」が入っていました。

 「あれっ?この扇子のお土産は・・・、(歓迎されていない証・・・?)」という思いが頭を過ぎりましたが、「まさかそんなことはないだろう」と総経理が会議室に入ってくるのを待ちました。

 総経理はすぐに会議室に戻ってきて、こう切り出しました。「扇子はスペシャルプレゼントです。この地域の伝統工芸品ですが、ぜひご利用ください」総経理の言うままにさっそく箱から取り出して開いてみると、そこには大きく文字がひとつ書いてありました。
この毛筆の文字は私の直筆です。『恕』という文字です。この文字の意味は、これから日本企業の皆さんと助け合いながら、励ましあいながらビジネスを進めていきたいという思いです。譲り合う気持ちを忘れずに長くお付き合いしていきたいという思いを込めて書きました」
 総経理直筆の文字をしたためた「扇子」のプレゼント・・・。行書で書かれた文字はなかなかの達筆で、今までいろいろなお土産をいただく機会がありましたが、今でも忘れなれないお土産のひとつです。


実はお土産も地域によっていろいろ・・・。ステレオタイプで理解するにはなかなか難しい中国人


 日本人はどうももの事をパターン化して理解したがるようです。「○○○地方出身で、△△△という経歴で、□□□という学歴で、◇◇◇業界に勤めている彼はどんな人・・・」というように、型に当てはめて人を理解しようとします。ステレオタイプで型に当てはめてもの事を見る傾向があるようです。

 しかし、このように型に当てはめて中国人を理解することが本当にできるでしょうか? 答えは「NO」です。地域性による違いや世代差による違い、またひとりひとり考え方や生き方の違いなど、さまざまな価値観を持つ人たちの集合体です。

 一般的に日本人は「右へ倣えの横並び文化」だと言われます。誤解を恐れずに言うと、他人と同じ行動をすることで何となく安心感を得て、「出る釘は打たれる」のが日本の文化です。「主張することが評価される文化」が中国、「悟り合うことが評価される文化」が日本・・・。

 贈り物も地域によって私たちがまだ知らないさまざまな風習があることでしょう。そのすべてを理解することが大切なのではなく、そのひとつひとつを自分自身で確認しながら、自分がどう異文化と向かい合っていくべきかを考えること。これが異文化理解を深めるためには大切なことではないかと思います。

 地域による「贈り物」の風習の違いについて、引き続き読者の皆さんからのメッセージの投稿歓迎いたします。よろしくお願いします。(執筆者:吉村 章)


吉村 章

吉村 章
http://www.ippc.biz/default.aspx

ASIA-NET 代表
Taipei Computer Association(TCA) 東京事務所 駐日代表
NPO法人アジアITビジネス研究会 理事
独立行政法人中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー

◆アジアに進出する日本企業を支援するため現地視察やビジネスマッチング、技術アライアンスのサポートなどが主たる業務。1987年~1996年の台北駐在後、2001年からは本格的に中国に進出する日本企業の支援に取り組む。◆中国・台湾をはじめ現場でのヒアリングは延べ400社。徹底的に現場を回ることにこだわり、具体的な中国進出の事例やアライアンス事例から中小企業にとっての中国ビジネスの課題を考える。◆2003年からは自身の海外進出の経験やノウハウを体系化した『アジアビジネススキルアップ研修』を実施。異文化理解を基本としたDo‘s&Dont’sプログラム(海外進出の際の禁止事項、禁止フレーズ、注意フレーズなど)や参加体験型の研修内容には定評がある。http://www.asia-net.biz/20-0.pdf ◆2012年からは現地視察の注意点、展示会出展のノウハウ、自己紹介のテクニックや通訳を使いこなすテクニックなどをプログラムに取り入れた『海外市場開拓セミナー<実践講座>』を提供。各地の商工会議所や地方銀行などで採用されている。http://www.asia-net.biz/20-0.pdf ◆著書に「中国人とうまくつきあう実践テクニック」、「中国人との実践交渉術」(総合法令出版)、「知識ゼロからの中国ビジネス入門」幻冬舎、他。

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