中国における業務管理パッケージソフト導入 成功のポイントとは


1.スクラッチ開発とパッケージソフトの活用


  一般的に業務管理システムを開発する場合、大きく分けると、スクラッチ開発(ニーズに基づき、すべての要素を個別に開発する)とパッケージソフトの活用の2つの方式があります。

  スクラッチ開発は手作り開発のため、言わば痒いところにも手が届くようなシステム作りが可能となります。しかし、コストも高くつき、開発期間も長期になることが一般的です。

  一方、パッケージソフトの活用は既に完成しているシステムであるため、きめ細かなニーズに対応するという意味ではスクラッチ開発に比べ、見劣りします。しかし、コストも比較的安く、短期間でのシステム導入が可能となります。また、カスタマイズも可能であり、限界はあるものの、ある程度の個別ニーズへの対応は可能です。

  どちらにも一長一短あり、顧客ニーズにより、何に重点を置くかで、個別に判断する必要があります。


2.パッケージソフトに業務を合わせる


  では中国国内の企業は、どちらの方式が多いのでしょう?

  答えを先に言ってしまうと、圧倒的にパッケージソフトの活用が主流です。ERP、人事管理、販売管理、生産管理、POS(本部支店管理)、財務管理、ECなどの分野です。日系企業においても、その傾向は顕著です。

  日本本社のシステムはスクラッチ開発しているにも係わらず、なぜか中国に進出してくると、パッケージソフトを活用するということが多いです。やはり予算や納期に重点を置き、必然的にスクラッチ開発よりもパッケージソフト導入方式を選択するという判断になるのだと思います。

  まずはパッケージソフトを導入し、「パッケージにあわせた形で業務を遂行する」 「どうしても業務に合わない部分はカスタマイズする」こういう考え方です。低コストでスピード重視ということですね。


3.単にシステム導入するだけだと大失敗


  パッケージソフトは完成品だからといって、ワープロソフトのように、近所のお店で購入してきて、PCにインストールして、さあ使え~!と大号令をかけても、誰も使えません。ましてや現場のユーザ(システムの利用者)は使わなくても業務が進められるのであれば、使わずに済ませたいと思い、使えない理由を探してしまうことも自然なことです。

  システムをインストールするだけなら、1日で終わってしまいますが、それだけでは到底使いこなせず、宝の持ち腐れになってしまいます。
 システム運用上の業務分担や責任、権限範囲の明確化
 業務分析を行って、業務フローを明確化
 業務で利用する各種マスタのデータを準備
 利用者へのトレーニング
 業務とシステムのフィット&ギャップ
 カスタマイズが必要な部分の洗い出しと優先順位付け
 経営者、管理者、担当者等別々にシステム利用のメリットの説明と啓蒙

などなど、システム導入からシステム定着化等、やるべきことは山ほどあります。

  ここで手を抜いてしまうと、どんなに優れたシステムでも「高いばかりで使えないシステムだ」ということになってしまいます。通常、パッケージソフトの導入と言えども、3ヶ月~6ヶ月程度を要す理由はここにあります。(注)パッケージソフトにより、導入期間は異なります。

  パッケージソフトを導入する場合の基本的な考え方は、以下の通りです。
■まずは業務をシステムに合わせるスタンスで(ある程度、割り切りも必要)システムを導入
■業務と合わない部分を洗い出し、カスタマイズの優先順位付けを行う
■ステップバイステップで優先順位が高いものから、予算が許す範囲でカスタマイズする

  システム導入当初から完璧を期すことは到底無理なことです。まずはシステムを使いこなすことからスタートすべきです。システムを使っているうちに、だんだんと課題も見えてくるはずです。これをカスタマイズにより改善し、徐々に業務改善を図り、理想形に仕上げていくイメージが良いのではないかと思います。


末富 昌幸

末富 昌幸
http://www.jp-snic.com/

SNIコンサルタンシー(上海聶欣信息諮詢有限公司)総経理
日本電気株式会社入社後、1995年よりNECグループの中国オフショア開発推進・拡大業務に従事。2004年1月独立、中国上海に渡り、同年3月、SNIコンサルタンシー(上海聶欣信息諮詢有限公司)を設立、同社総経理に就任。中国全土20都市、800社以上のソフトウェア会社を訪問調査(新規パートナー開拓)し、各種業務アプリ系はもちろんこと、組込み系、制御系、ミドルウェア系、ウェブ系、スマホアプリ系や、さらには回路設計等、ハード設計から中国現地生産ラインの立ち上げまで、各分野ごとに強みを持つオフショア開発パートナー約60社と提携。日本企業様への中国オフショア開発コンサルティング事業を開始。その他、日本企業様の中国市場進出コンサルティング(販売サポート、販売チャネル構築等)や上海近郊の日系企業様向けのITソリューションサービス(発注先パートナー選定サポート、パッケージ選定サポート等)等、各種サービスで事業展開中。

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