中国PR業界の最新トピック 「雅安地震」と「水成分表示問題」


  今回は、最近の中国PR業界における最新トピックについてご紹介したいと思う。

雅安地震


  4月20日に四川省雅安でマグニチュード7.0の地震が発生し、多くの被害が発生したことは皆さまの記憶に新しい事と思う。被害の度合いは2008年の四川大地震と比較すれば小規模であったが、経済界における支援の動きは早く、中国系、日系、欧米系を含む各企業より続々と援助の発表がなされた。メディアも各社の動きに注目し、義捐活動を行った企業を早々にリストアップして報じる媒体もあった。

  支援形態としては現金または支援物資、もしくはその両方という形で援助を行うケースが一般的であり、自動車メーカー、食品メーカー、日用品メーカーなどでは自社商品を送付し、支援を行う企業が多く見られた。他にも「被災者救助作業専用ラジオ」(ソニー社)、「緊急用通信設備」(モトローラ社)、「浄水設備及び簡易浄水フィルター」(九陽社)など、災害支援ならではの援助内容も確認された。

  各社の義捐金の金額については「100万元~500万元」といった範囲での支援が大半であったが、中にはかなり高額の寄付を行う企業もあり、1億円の加多宝社(以前清涼飲料水の「王老吉」を販売していた広州の製薬会社)、6,000万元の三星(サムソン)社、5000万元の苹果(アップル社)などはメディアにおいても非常に大きな注目を集めた。


農夫山泉成分表示問題


  中国の大手飲料水ブランドである「農夫山泉」の成分表示問題が論争を呼んでいる。発端は4月10日に北京の主要紙である「京華時報」が、同社は一般的に基準が緩いとされる浙江省の基準を他地域での生産商品にも適用しているため品質に問題があると指摘し、同社のコピーである“農夫山泉はちょっと甘い”にかけて「農夫山泉の基準は甘い」と報じた。

  その後も同紙は農夫山泉に対して激しい攻撃を行い、1ヶ月間の間で67ページもの紙面を使って批判を繰り広げた。

  これに対して農夫山泉社も自社基準の正当性について意見広告などを通じて反論したが、5月2日にはこれらの動きを受け、5月2日に北京市桶装饮用水销售行业协会(北京市ボトル入り飲用水販売営業協会)が北京市内の各小売店に対して農夫山泉の販売停止を推奨するなどの事態に発展。5月6日には農夫山泉社は記者会見を開き、市場環境の悪化を理由として3ヶ月以内に北京工場の閉鎖と北京市場からの一部撤退を発表した。

  一方で、同社は商品の安全性、同社基準の適正さも同時に訴え、媒体の指摘、主張を否定。そのため会場では京華時報の記者と同社・鐘董事長らが怒鳴りあうような場面も見られた。また、すでに農夫山泉は京華時報に名誉を毀損されたとして、6,000万元の賠償を求める訴えを北京市中级人民法院に対して起こしている。


清時 僚

清時 僚
http://dspr.com.cn/

DSPR・東方三盟公共関係顧問有限公司 上海分公司 副総経理
日本の大手PR会社に6年在籍後、2005年より新華社とアサツー・ディケイの合弁PR会社であるDSPR・東方三盟に出向。北京本社勤務を経て、現在東方三盟・上海分公司に在籍。自動車、化粧品、家電、製造、サービス業界の日系企業および官公庁等多数の日系クライアントに対し、中国におけるPRサービス・危機管理サービスを提供する。2010年には、担当した日系食品メーカー・クライアントの上海万博におけるPR活動が、「2010年度PRアワード グランプリ コーポレート・コミュニケーション部門 最優秀賞」を受賞。その他日本商工会等にてセミナー、講演活動も行っている。

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