中国の調査(企業・業界等)で正しい結果を得る為の4つのヒント


  弊社にはB2Cだけでなく、実はB2Bのプロジェクトも多いです。B2Bの場合、まず中国の企業や業界の調査から始めるケースが多いですが、実は、中国の企業や業界についての調査はさほど容易なことではありません。なぜなら中国は日本と違って、業界データがほとんど整備されていないからです。しかも、せっかくデータを集めたのに、変化の激しい中国では、半年も経てばデータ自体が古くなることもよくあります。

  さらに出所や根拠が不明確なデータが出まわっており、そのまま鵜呑みにすると大変な判断ミスになることも多いです。

  このような状況の中で、どうすれば中国の企業や産業、そして業界の真実を正確に把握できるのでしょうか。以下は簡単ながら弊社の最近のB2Bプロジェクトの経験を少しまとめてみましたが、皆様にとってご参考になれば幸いです。


1, 統計データや企業データを慎重に見極める必要がある


  中国国家統計局、そして中国の各地方の統計部門が出版した統計年鑑を通じて中国経済の全容、各地方の産業の概要を把握できます。ただし各地方政府が発表したデータを合計しても、中央政府が正式に発表した合計値と一致しない場合があります。

  企業や地方政府の都合によってデータが変えられている可能性もあるので、企業データや統計データを高いお金を払って購入したとしても、他の方法を使って情報を集めたりして慎重に判断する必要があります。統計データに拘り過ぎると中国の企業や産業の実態がかえって読み取れないこともあります。


2, 新聞、雑誌、論文、ネットの公開情報から実態に迫るヒントを得る


  中国の業界紙(誌)、論文集やインターネットなどにも、必要な情報がたくさん存在しています。しかし、報道や記事、そして論文も断片的なことしか取り上げていないので、そのまま使うのではなく、こうした断片的な情報から全容や実態に迫るヒントを見つけることが大事です。

  一つヒントが分かれば、それを使ってキーワード検索していければ、どんどんと情報が浮かび上がり、次第に実態が見えてきます。こうしたキーワードやヒントを掴んでいくには、豊富な調査経験から培ってきた鋭い勘が不可欠ですが、さらにやはりネイティブ中国人の肌感覚もなかなか重要です。


3, 協会などの業界組織も重要な情報源


  中国では業界の協会組織がたくさん存在しています。例えば、「中国物流行業協会」「中国医薬商業協会」「中国連鎖経営協会」等々。協会組織からは、業界概要、業界最新動向、業界データ、政府の関連政策への企業の対応、主力企業データなどより詳細な情報が入手できます。

  また、こうした業界組織は、時々業界の白書や調査レポートそして業界のキーパーソンの情報を発表していますので、業界調査の重要な情報源にもなります。


4, 難度の高い調査は、業界関係者から情報を取る


  データの取得が難しい場合、最後は業界関係者やキーパーソンへのヒアリングがかなり役立ちます。

  ただし、日本のようにいきなりアポイントを取ることは大変困難です。中国は人脈社会で、信頼関係をベースとしたネットワーク(これは中国では「圏子」と言います)以外の人間が警戒されるため、この「圏子」に入るのは容易なことではありません。

  これについては、弊社がこれまで培ってきた中国専門家ネットワークは大いに役立っていますが、単に人脈だけでも済みません。例えば今後一緒にビジネスができるきっかけになるかもしれない等といったメリットを提示するなど、中国ならではのテクニックも必要になります。

  最近は、中国でもSNS(が普及しており、業界の専門家もよく使うようになりました。SNSを上手に活用すれば、専門家の人脈を広げやすくなるだけでなく、情報のやり取りの効率もよくなります。

  繰り返しになりますが、中国では企業、産業そして業界データは基本的に整備されておらず、出所や根拠の乏しいデータもよく出回っています。日本企業は正しい中国戦略を立てるには、専門の中国調査やコンサルティング企業を使うことが必要ですが、とりわけネーティブのプロの中国人専門家を上手に使うこともますます重要になっていくのでしょう。




(上記投稿は弊社メールマガジンを加筆したものです)


陳 亮

陳 亮
http://www.cm-rc.com/

株式会社中国市場戦略研究所 コンサルタント
中国の大学卒業後来日。中央大学大学院で総合政策を修めたのち、現職にいたる。
◆主要担当分野:
中国産業調査、中国市場進出に関するコンサルティング、消費者調査など。健康食品、飲料業界から、半導体、家電製品、化学業界にかけての調査・コンサルティング、そして、消費者行動の調査・分析の実績を持つ。今現在、外食企業の中国進出に手掛けている。
◆セミナー講師
日本新華僑報の「インバウンド復興メディア戦略セミナー~」の講師を担当

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著書


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