未だに多い中国ビジネスの失敗事例


  弊所では、契約書の作成・現地法律調査等の予防法的業務に加えて、紛争問題を取り扱うことも少なくありませんが、これだけ日本企業の中国進出が進んだ中でも未だに絶えない失敗事例の1つには、自社の中国人従業員や知人のコネ・伝手のみをもって中国企業と取引を開始し(或いは中国現地法人を設立し)、中国側の法律問題・各種必要手続及びその後の運営をその従業員等中国側に任せきりにしてしまうといった事例が挙げられるのではないでしょうか。

  そのような場合、何らかのトラブルが発生し、必要手続の不備や、手続に使用された契約書が日本企業側に不利な内容であることに起因する問題が顕在化など、大きな損失につながる事例も少なくないといえます。

  以下は、以前のコラムでも概ねお伝えしましたが、現在も上記のような事例が少なくないと感じられますのでもう少し具体的に。

  取引開始時や進出時に仲の悪いパートナーと取引を開始したり、合弁事業を開始することはないでしょう。そして、それら良好な関係が紛争発生時にも継続し、有効的な協議が滞りなく実現するのであればそもそもトラブル事例の多くは紛争には発展しないのではないかとも思われます。

  しかしながら、多くの中国ビジネスの紛争事例は、元々仲の良かった取引先・ビジネスパートナーとの争いであると考えられます。また、事が起こってからその問題を処理するために要するコストは、時として予防にかけるコストの数十倍にも達しかねません。

  以上のような観点から、いかに信頼できると考えるビジネスパートナーとの関係においても、取引開始・進出時に(次善の策としては、取引開始後・進出後も各種契約等の見直し、新規契約締結の検討も)、当該取引について問題が発生した場合の対処法・責任分担等を定める契約の締結、予定するビジネススキームが本当に中国の進出予定地域で可能であるのかといった調査を、日本側のコントロールのもとしっかりと行うことが、将来の大きな損失を予防する重要な手段となるでしょう。

  また、そのようにすることで、問題が発生した後も、そのビジネスパートナーとの人的関係を良好に保つことができるのではないでしょうか。


北川 祥一

北川 祥一
http://www.kitagawa-law.com/

北川綜合法律事務所 代表弁護士。
東京大学法学部卒。弁護士登録後、中国関連国際企業法務分野においてトップローファームといえる大手法律事務所(曾我・瓜生・糸賀法律事務所)に勤務し、大企業クライアントを中心とした多くの国際企業法務案件を取扱う。その後独立し現事務所を開業。上記前事務所勤務時代における中国留学経験も有し法令・契約書等の中国語原文でのレビューも行う等、国際企業法務の観点から中国・アジア国際ビジネスを総合的にサポート。
【セミナー、執筆】
◎2008年IBL(国際商事法研究所)「技術ライセンスの実務」セミナー◎2009年IBL(国際商事法研究所)「中国現地法人の増資・減資の実務~会社法制、外貨管理、税務の各観点より」セミナー共同担当○「国際商事法務」(2009年11月号)■中国法令速報(145)執筆○「国際商事法務」(2010年 1月号) ■中国法令速報(147)執筆

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著書
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