中国担当者が最低限知っておくべきTmall天猫出店の条件まとめ




  日本企業のTmall天猫(旧淘宝商城)出店の機運がふたたび盛り上がっています。尖閣問題での落ち込みは一時的なものにすぎないようです。来年度の出店にむけ、情報・ノウハウ収集、運営方針の調整の追い込みがはじまっているのを感じます。

  Tmall天猫の出店条件の大枠は変わりませんが、細かな調整はひんぱんに行われています。この機会にその辺をフォローしておくと同時に、もっとも基本的な出店条件もまとめておこうと思います。日本企業の中国ご担当者にとっては、Tmall天猫出店の予定があってもなくても、知っておいて欲しい内容です。

  ポイントは2つ。「中国の法律上、あなたの商品が売れる状態である」ことと「Tmall天猫の条件をクリアしていること」。ひとつひとつ見ていきましょう。


1.中国大陸で登記された法人であること



  個人名義でも出店できる淘宝網(タオバオ)と違い、Tmall(天猫)は法人名義でないと出店できません。また、中国大陸で登記された法人である必要があり、台湾や香港の法人では出店不可です。もちろん、その他の外国の法人もダメです。

  とはいえ、自社で中国法人を設立するのはハードルが高すぎる、という場合もありますよね。その場合、販売代理店をたててその名義で出店するというケースも多いです。また、弊社のような運営代理会社の名義で出店することもできます。


2.取り扱い予定商品の小売ライセンスをもっている



  1でみた名義人となる法人が、取り扱い予定の商品の小売ライセンスを持っている必要があります。当たり前のようですが、Tmall天猫はかなり厳しく営業許可証(法人登記証)の記載をチェックしてきますので再度、確認する必要があります。

  以前(1~2年前)は卸売のライセンスでもOK、ということが多かったのですが最近は厳しくなっています(中国では小売ライセンスより卸売ライセンスの方が簡単に取得できる)。Tmall天猫の性質からすると、急に「小売ライセンス持ってないとショップ閉鎖!」などと言い出しかねませんので、これからチャレンジする企業は小売ライセンス取得を前提に動いた方がよいでしょう。また最近では「ネット小売り」(网上零售)というライセンスも出るようなので、合わせて確認してください。


3.取り扱い予定商品の中国での販売許可が下りている



  これも当たり前のようですが、プロジェクトを開始する前に確認しておくべきことです。特に問題になるのが化粧品や食品、健康食品、医薬品など。それぞれ、「衛生許可」という中国政府の許可を取得しないと販売どころか、輸入もできないことになります。またTmall天猫も出店審査の際に許可証をチェックします。

  もちろん、特に許可をとる必要のない商品も多いのですが、慎重を期すにこしたことはありません。キーワードとしては「肌につけるもの」「口にいれるもの」はほぼ確実に許可取得が必要になります。


4.出店予定の商標が、中国で商標登録されている



  よくある間違いが「日本で登録しててもダメなの?」というもの。結論から言うと、ダメです。中国の商標局に改めて登録する必要があります。

  中国の商標登録は
 
  申請  ⇒  受理  ⇒  登録(本登録)

  というステップを踏みます。登録(本登録)までは1~2年かかってしまうことが多いですが、Tmall天猫出店は「受理」の段階でOKです。「受理」までには通常、申請から2~3カ月かかります。

  ではなぜ、Tmall天猫は出店者に商標登録を求めるのでしょうか?それはTmall天猫が基本的にブランドが確立された、「まともな商品」のみを扱うモールである、という立場であるからです。

  中国に住んでいないと実感が湧かないかもしれませんが、中国には非常にいい加減な、ときには危険な商品が出回っています。タオバオはCtoC市場であるため、そのような商品は排除しにくかったのですが、Tmall天猫は断固としてそのような商品は取り扱いません、というTmall天猫の意思表示だといえます。

  これによって消費者の信頼を獲得し、良質の消費者をひきつけ、さらに良い出店企業を集める、という好循環を生み出しています。


5.Tmall天猫への初期費用を支払う



  条件というよりは費用の話になってしまいますが、こちらにも触れておきましょう。初期費用は保証金と技術サポート費用に分かれています。

※文中、旗艦店・専売店・専営店・卖场型旗艦店という出店形態の区分が出てきますがこれについて詳しくはこちらの記事↓を参照してください
Tmall(タオバオモール)出店形態の正しい選び方とテクニック

●保証金
  商標登録の状態によって5万元、10万元、15万元の3パターンに分かれています。旗艦店・専売店として出店する場合、商標がR(本登録済み)であれば5万元、TM(受理のみ)の場合は10万元となります。

  専営店はちょっと高くなり、Rで10万元、TMで15万元。卖场型旗艦店は一律15万元となります。医薬品など特別な商品の場合は30万元という例もあるようです。

●技術サポート費用

  こちらは3万元と6万元の2パターンです。取り扱い商品によって定められ、例えば化粧品は3万元、男女アパレルは6万元となっています。カテゴリごとに非常に細かく設定されているのでここでは詳述できませんが・・・。

  また、技術サポート費用は返金の規定があり、年間の売上が基準Aに達したら半額、基準Bに達したら全額返金と定められています。基準A・Bも商品カテゴリごとに設定されており、すべては書けないのですが、代表的なものだけお伝えします。

  化粧品は年間36万元に達すれば半額、120万元で全額、技術サポート費用が返金されます。アパレルも同様でAは36万元、Bは120万元なのですが、下着・靴下カテゴリになるとAは18万元年、Bは60万元となります。

  費用についてはこの他、売上から2%~5%の販売手数料と、0.5%のTmall天猫ポイント費用が徴収されます。


  いかがだったでしょうか?御社は条件をクリアしていたでしょうか。本気で取り組めばクリアすることは難しくないと思います。中国ご担当者はいつか来るかも知れないTmall天猫出店のときに備えて、この記事をブックマークしておいてくださいね。


久能 克也

久能 克也
http://taobaomall-tubc.com/

上海TU(上海斉優商務諮詢有限公司) パートナー
神奈川県横浜市出身  東京外国語大学卒 上海在住暦7年
中国ECで「実証済み」のノウハウを日本企業に提供することがミッション。現在までに100社近くの日本企業のTmall天猫・タオバオ出店をサポートし、2012年末までに累計4.8億円の日本商品を中国で販売。2013年は2億円以上を販売する計画である。中堅・中小企業がTmall天猫からスタートし、中国内販を成功させていくサポートを得意とする。。2009年の日本郵便会社『海外販路拡大セミナー』をはじめ、中国銀行・香川県などで講師経験多数。2011年、JETRO(日本貿易振興機構) 『アジアキャラバン』ネット通販部門を受託。Tmall天猫本社とはパートナー関係(タオバオパートナー/TP)を結んでいる。
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