2012年 中国ネット通販市場の「現状と特徴」を総括


電化製品を買ったらレンガが送られてきた中国ネット通販初期時代


  中国では1996年に初めてインターネットサービスを使えるようになりました、その翌年の1997年にインターネット広告の利用も開始されました。

  1999年に初めてのC2Cサイトeachnet.comを立ち上げられました。そのeachnet.comは2003年にeBayに買収されましたが、経営不振で今年になって、eBayも撤退したそうです。同じ1999年に初めてのB2Cサイト8848.netをほぼ同時期に立ち上げられました。やはり市場の先行者は追い越される宿命でしょうか、今8848.netもなくなりました。

  1999年に一番の出来事はやはりアリババグループの設立でした。ジャック・マーという元英語教師が作ったアリババグループ、現在中国でB2C,C2Cネット通販の最大手です。

  2000年になると、世界範囲でITバブルの崩壊を始めまして、中国のネット通販業界も低迷期に入りました。

  転換期は2003年にやってきました。中国広東省で発生したSARSに全国恐慌になりました、SARS感染を避けるため、皆が旅行や外食や外出すら控えまして、ネットで買い物する人が増えてきました。そのきっかけにアリババグループも2003年にタオバオ綱を立ち上げました。

  2004年、アマゾンが7500万ドルで中国のB2Cサイトを買収して、正式に中国に進出しました。

  2005年 アリババグループがヤフーchinaを買収しました。同じ年に現在B2Cショッピングモール二番手の京東商城が本格的にネット通販を参入してきました。

  2007年になって、中国のネット通販市場が急速に成長しました、市場規模は初めて約6000億円に達しました。

  さらに2008年にネット通販市場規模は約1.2兆円を突破して、ネットユーザーも8000万人を超えました。その年にタオバオはB2Cショッピングモールのタオバオモールを開設しました。

  2010年の出来事として、家電量販店最大手の蘇寧電器が運営するB2Cショッピングサイト蘇寧易購を立ち上げました。伝統的な家電量販企業は相次いでネット通販市場に参入してきました。

  2011年になると、ネット市場の競争がますます激しくなりまして、ネット通販企業の間の価格戦争が頻繁になりました。

  中国ではネット通販の初期、やはりいろいろな問題が起こりました。例えばネットショップで電化製品を買ってみたら、送ってきた箱を開けると、なんと中に入っていたのは商品ではなく大きなレンガでした。このウソのようなで本当な話ではよく新聞記事に報道されました。当時、ネットで買い物ってかなりの覚悟が必要でした。


ネット利用者急増に伴い、通販市場が急拡大


  21世紀に入ってから、やっと中国でもネットで買い物が普及してきました。これは中国でのインターネット利用者とネット通販利用者規模のグラフですが、ご覧のとおり、利用者の増加は非常に目立ちます。



  今年6月時点で、中国のインターネット利用者はすでに5億3800万人を超えました。モバイルインターネット利用者も3億8,800万人以上を超えました、更に来年の2013年にはネット通販の利用者は2億4,000万人を超えると予想されています。

  利用者の増加と共に、中国のネット通販市場の規模は年々大きくなってきました。このグラフは中国ネット通販市場の取引規模ですが、2009年、中国ネット通販市場の取引規模は約3兆1000億円(2500億元)、2010年、中国ネット通販市場の取引規模は約6兆5000億円(5231億元)、2011年、中国ネット通販市場の取引規模は約9兆6000億円(7,736億元)に達しました。さらに2014年約25兆円、2015年31兆円を突破する見通しです。

  日本と比べると、例えば、2011年日本B2Cネット通販市場規模は約8兆5000億円ですが、中国の同じ市場の規模は約2兆2000億円(1797.1億元)。金額的に日本より少ないですが、中国のネット通販市場は毎年60%くらいの高成長率を維持しながら、ますます発展して行くといえるでしょう。




利益度外視の価格戦争勃発!しのぎを削る中国ネット通販サイト


  それでは、2011年度の中国通販市場の具体的な数字を見ていきましょう。

  B2Cネットショッピングサイト(プラットフォーム型B2Cを含む)がネット通販市場のシェアですが、アリババグループが運営している天猫(tmall.com元タオバオモール)は53.3%で市場の半分以上のシェアを獲得しています。取引高は530億元(約6400億円)

  第二位の京東商城(360buy.com)は 17.2% 取引高が190億元(約2300億円)

  そして第三位の蘇寧易購(suning.com)は3.3% アマゾン中国(amazon.cn) 2.6% 凡客誠品(vancl.com) 2.1% 当当綱(dangdang.com) 1.9% 易迅網(51buy.com) 1.3% 庫巴網(cool8.com) 1.2% 新蛋網(newegg.com.cn) 0.8% 麦網(m18.com) 0.7% 紅孩子(redbaby.com.cn) 0.3% その他 15.2%



  この3位の蘇寧易購は家電量販店最大手の蘇寧電器が運営するネット通販サイトです。蘇寧電器といえば、2009年家電量販店のラオックスを買収したことで、日本の消費者にも名前を知られました。

  C2Cネット通販市場では、タオバオが9割以上を握っていますので、一人勝ちの状態を続きます。

  今年に入りまして、中国ネット通販業界の競争はますます激しくなってきました。多くのB2C企業は事業を拡大のため、「利益度外視の価格戦争」をよく行いました。先月15日でも、2番手の京東商城が3位の蘇寧易購を挑発しまして、「エアコン、テレビ、冷蔵庫、ストーブなどの商品について「利益ゼロ」に、そしてすべての家電製品は蘇寧易購より最低でも10%安い」と宣言しました。

  一方、挑発された蘇寧易購も応戦しました。「価格が京東より高かった場合、すぐに価格調整して、またすでに購入してしまった人には差額を倍返しする」と宣言しました。

  この価格戦争の背景は、蘇寧易購が約990億円(80億元)ほどの大型融資を持ち、ネットビジネスへ本格的に参入してきました。豊かな資金力をもって、2010年のシェアは9位でしたが、たった一年でシェア3位まで成長しました。現在さらに毎月に約18%の成長率で延び続けています。つまり京東商城にとって、蘇寧易購は最大のライバルのひとつだとされています。


押さえておくべき中国ネット通販市場の3つの特徴


(1)「南北格差」

  中国では地域によって、ネット通販市場の格差があります。基本的に南部地方は北部よりネット通販の利用率が高い。上海及び周辺の華東地域は36.9での利用率で全国リードしています、四川省を始めする南西地域も34で2位を占めました。一方、北西地域は23.0、東北地域は25.4で利用率が著しい低下しています。

(2) よく売れる商品はアパレルとデジタル・家電製品

  2011年中国ネット通販市場の購入商品のシェアから見てみます。例年通り、アパレル商品とデジタル・家電製品を合わせて市場の50%を占めています。

 

  調査によりますと、7割(70.1%)のネット通販利用者は、アパレルを購入したことがあります。6割以上(68.1%)のネット通販利用者はデジタル・家電製品を購入したことがあります。

(3)中国人の商品購入の決め手は”価格の安さ”



  上記のグラフは2011年中国ネット通販ユーザーがデジタル・家電製品を購入した理由のまとめです。実店舗より価格が安い 49 宅配できるから速くて便利 26% 商品種類が多い、選択余地がたくさんある 13 ネット限定のため、実店舗で買えない 4 情報が豊富、自由に商品選びができる 6 その他 1%


  もちろん、例外もあります。2008年で発生したメラミン汚染された粉ミルク事件で、外国の粉ミルクは高い値段でもネットで飛ぶように売れました。政府から事実上輸入禁止まで制限されました。
 

最後に、中国ネット通販ユーザーの購買習慣をもう一度まとめてみましょう。


  価格に敏感:中国人にとっては、ネットショップはイコール商品を安く買える場所です。価格的にメリットがなければ、なかなか買ってくれません。

  口コミを重視:中国人はネットで商品を買う時、商品の口コミを非常に重視しています。なにより、現実店舗でも贋物が多いので、多くの中国人はネットで買い物をする時、警戒心がとてもつよい。得られる情報が少ないため、商品或いはネットショップに対する口コミ、評判は重要な判断材料です。

  ロイヤルティ性がない:日本の楽天市場の出店数は約3万に対して、アリババ系のTモールの出店数は約5万店舗です。同じ商品、同質なサービスを提供している店が非常に多いので、どこでも似ている商品、似ているサービスですから、ユーザーのロイヤルティ性がとても薄いです。


林 剛

林 剛
http://jp-vision.jp/

株式会社ジェーピービジョン 代表取締役
中国出身。来日12年。宮崎産業経営大学を卒業後、建設会社、商社を経て、2011年に株式会社ジェーピービジョンを設立、代表取締役就任。現在日本の中小企業に向けて中国調達・中国進出事業をサポートさせて頂いております。日本のことを積極的に中国に発信、中国のことを正しく日本に伝えることが自分の使命だと思います。 

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著書
中国にご興味のある方に、こちらもお勧めです。

ChaiMaga 中国ニュース情報サイト:http://chaimaga.com/



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