中国人が理解できない「日本型集団責任」 個人は責任負わない?


  ある中国会社は日本会社と取引の商談を行っていた。1年前から、日本会社の担当者が3、4回ぐらい中国現地に視察に来てくれ、中国側のサンプルも何回提出して日本のお客さんから結構高い評価をいただいて取引もほぼ合意に至った。

  「ここまで来たら契約を結んでくれるはず」と。中国会社の社長さんが自信満々に商談に臨んだ。会議室に案内され、そこには待っていてくれたのは、今まで付き合っていた二人の担当者のほか、関係部署の担当者8人もいた。

  商談が始まると中国企業の社長さんがだんだん愕然とした。契約を結ぶどころか、いままで合意した内容を殆んど覆され、結論として一からやり直せと告げられた。中国側の社長さんは当然納得ができないのでいくつか異議を唱えたが、日本側の担当者は話し合いながら、とりあえず上の人間と相談してから回答すると明確な理由を避けた。

  日本の会社は個人より集団のほうが最優先とする。商談の時でも集団によって話し合い、集団によって決めるから、結論(決断)が間違っても個人としての責任を負わなくて済むのである。これは日本会社の特徴とも言えるだろう。

  また、日本人は結果より努力する過程のほうがもっと重視される傾向がある。例えば失敗したスポーツ選手はインタビューを受けたとき「やれることが全部やったから悔いがない」と答えれば、世間の輿論はその選手に応援するように傾くだろう。

  中国人はある権限を得られるとそれなりの責任を負うべきと、つまり権限と責任はセットものだと認識している。自分の守備範囲内で自分の意志で物事を判断するから、成功したら誇れるキャリアになり、失敗したら自ら責任を取るのも承知の上のである。

  中国人にとって結果がすべて。いくら序盤がうまく行ったとしても、最後の最後が乱れて失敗したら今までの努力は全部無駄になり無視されるはず。結果を厳しく求められる中国人の会社では、失敗したら失敗責任を取り、むしろ居場所がなくなって去っていくしか選択肢がないだろう。

  日本式経営は「中庸」、「和」を重視するに対して、中国式経営はもっと欧米式に近い、すべて結果を最優先とする実利主義のである。


林 剛

林 剛
http://jp-vision.jp/

株式会社ジェーピービジョン 代表取締役
中国出身。来日12年。宮崎産業経営大学を卒業後、建設会社、商社を経て、2011年に株式会社ジェーピービジョンを設立、代表取締役就任。現在日本の中小企業に向けて中国調達・中国進出事業をサポートさせて頂いております。日本のことを積極的に中国に発信、中国のことを正しく日本に伝えることが自分の使命だと思います。 

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