いざ、チベット鉄道に乗車


中国現場コラムvol. 87 いざ、チベット鉄道に乗車

  標高3,400~4,100mの雲南省シャングリラ(チベット族の街)に行ったとき、下痢や体が重いという高山病(高原反応)に苦しんだ経験を持つ筆者は、高山病予防の薬をチベットに到着する前から飲むことにしました(友人の一人は、高山病による体の重さについて、「寝ていたら、上に小錦が乗っていた」と表現していました)。高山病の薬は、事前に飲んでいないと効かないと言われたからです。西寧の旅のドライバーも飲んでいた地元民お勧めの薬でした。

  しかしながら、翌日夜、チベット鉄道に乗車し、標高5,000m周辺を走り出してから、高山病予防の薬どころではないことになりました。チベット鉄道内は、旅の本によると、気圧調整・酸素調整がされており、高山病対策万全の車内のはずでした。

  しかし、実際に乗車してみると、高山病予防効果はほぼゼロに等しいと言わざるを得なかったのです。筆者だけでなく、周りの漢族観光客も騒ぐことなく、昼間から寝込んでいる人が多くいました。友人の一人は真っ青な顔になり、身動きもせずに、布団の中に倒れていました。

  あこがれのチベット鉄道乗車前の西寧の駅での経験から、乗車時の出来事までを紹介します。

1.       西寧の駅構内

  西寧の駅構内へは、出発1時間前に到着しました。駅構内に入る前に、チケットと荷物の検査とが行われました。土族(トゥー族)のガイドとは、ここでお別れとなりました。乗車前に我々グループで、1枚の荷物確認表が作られました。チベット鉄道乗車前に、駅係員から、この荷物確認表をチェックされることになっていました。

  また、「旅客健康登記カード」への記載も求められました。記載内容は、「私の体は、標高3,000mを超える高地にも対応でき、問題ない」といったものでした。漢族の友人からは、「心臓が弱い人がチベットに行くと、死ぬこともある。あなたは、心臓は大丈夫か?乗車前に健康診断は必須だ」と脅されていました。

  中国では、長距離列車に乗車する場合、乗車時間直前にならないと、プラットホームには入れないようになっています。そこで、筆者は、軟臥(1室4人の部屋、2段ベッドが左右に2台ある)専用の待合所で荷物整理などをして待っていました。「軟臥専用の待合所」とは言っても、何か特別室があるわけではなく、一帯が区切られているだけの場所でした。

  中国の寝台列車では、乗車してもすぐには、トイレは利用できません。列車が停車しているとき、およびその前後には、トイレに鍵がかけられるのです。列車が動き始め、しばらくしてからようやく係員が鍵を開けてくれるのです。これは列車が駅に着く度に行われます。トイレに行きたい人は、駅に着く前後を外して行っておく必要があるのです。

  筆者は、チベット鉄道乗車前に、駅構内でトイレを済ませておくことにしました。入口近くの便器で用を足そうとしたところ、小便器の中には大きな大便が入っていました。大便をする場所がどこも空いていないことから、我慢できない人が、小便器にお尻を入れ、大便をしたようでした。別の小便器を使うことにしました。

2.       いざ、チベット鉄道車内へ

  筆者が乗車するチベット鉄道への乗客の入場が開始しました。改札を通過して、階段を降り、乗車予定の列車が止まっているプラットホームに駆け上がります。

駅員:「荷物確認票は?」

  荷物確認票を持っていた友人が、チベット鉄道の写真撮影に夢中になっていました。

筆者:「後から来る友達が持っているよ。友達に言って」

駅員:「あなたたち日本人?」

筆者:「そう」

  乗車できました。筆者が利用する軟臥は、3人が我々日本人、1人が我々グループとは別の中国人の年配男性という利用者になりました。

  筆者も、自分の寝台に荷物を置くと、早速、貴重品とカメラだけを持って、チベット鉄道の先頭車両に向かい、列車の撮影をしました。日本でも写真で見る牽引車は、翌日、ゴルムドに到着後に接続される、とのことでした。ゴルムドからは高地に向けて登るため、高地とは言え、平地を走る西寧~ゴルムド間とは違った牽引車だったのです。写真撮影を終え、軟臥に戻ってくると、違う若い中国人男性が一人座っていました。

中国人男性:「先ほどいた人と場所を変わったのだよ」

  この人は、翌日朝、ゴルムド駅で降りて行きましたが、日本人に囲まれた部屋ではあったものの、非常におとなしい人でした。

  ここからおもしろおかしい、チベット鉄道車内での体験が始まりました。



※ チベット鉄道の食堂車で出た朝食(ゴルムド駅停車時に食した) これに饅頭とスープが付く。

以 上


奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

公認内部監査人
1996年早稲田大学教育学部教育学科社会教育学専攻卒業、2001年早稲田大学大学院法学研究科民事法学専攻修了(法学修士)。2009年中国北京にある中国政法大学大学院に留学し民商法を研究すると同時に、中国現地各有名弁護士事務所にて中国法務・労務を中心とした実務研修を行う。
【著書】
◾︎『中国のビジネス実務 人事労務の現場ワザ Q&A100』(共著、第一法規、2010年)
◾︎『中国のビジネス実務 債権管理・保全・回収 Q&A100』(共著、第一法規、2010年)他。
【論文】
◾︎「中国で債権回収に手こずる~現場からみた注意点(合弁、独資別)~」(中央経済社『ビジネス法務 2011年10月号』)
◾︎「中国ビジネス 現場で役立つ実務Q&A」(第一法規『会社法務A2Z』2012年1月号より連載中)
◾︎「中国から”上手”に撤退する方法」(中央経済社『ビジネス法務 2013年6月号』)
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著書


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