中国ビジネス交渉 「グレーゾーンの実例」 2つの顔持つ中国人


  前回は、日常の小さなグレーゾーンについて説明しましたが、今回は、実例を挙げながらお話いたします。

  中国駐在員A:「某監督機関から、勉強会の案内が、また、来たよ。前回、行ってみたけどたいした話ではなく、全然、勉強会にならなかったよ。しかも、勉強にならないのに金まで取るんだよ。ひどくないですか?今回は、行くのを止めておこう。」

  中国に駐在していたら、このような勉強会だ、なんだかんだと有料の会合に出席を求められます。出席しなかったからといって、別に罰則規定等はありません。普通、日本人の感覚では、別に行かなくても… となるのは無理の無い話です。これが、後で、大きなしっぺ返しを食らうことになります。

  中国の人たちは、このような会合には必ず顔を出します。これらの多くの会合は、国や省が行うものではなく、某監督機関の担当者達が行っており、全然勉強にならないことも勿論承知の上で行くのです。つまり、この勉強会の参加費用は、某監督機関の担当者達の懐に入ることが多いようです。法律では、賄賂や金銭を受け取ってはいけない、ということになっています。

  しかし、勉強会等を開催してはいけない。また、その勉強会において講習料金等を受け取ってはいけない。ということは一切明記されていません、明記されていないのであれば、担当者としては、勉強会を開いて料金を徴収してもよいという解釈になります。これが解釈の差による中国特有のグレーゾーンです。

  そして、このような某監督機関の担当者達の勉強会に参加しないと様々な妨害や罰金が突然請求されたりする場合があるそうです。その際は、その担当者との交渉、相談で罰金等の価格が決まります。

  これは、日本で言うところの「付き合い」に近い勉強会です。このような中国式付き合いが他にもたくさんあります。日ごろ、この中国式付き合いをしておくと、何かグレーゾーンの部分で事が起きたりした時に、交渉や相談のテーブルで有利な話し合いをすることができます。

   さて、中国ビジネス交渉の話ですので、ビジネスのグレーゾーンについても、お話をしておきましょう。

 中国人A社員:「日本人はケチだね。だから、日本人とは商売したくないよ」

         「その上、小さいことを細々条件を言ってくる。やってられないよ。」

  中国A社員の話を聞くと、中国人A社員の会社の商品を買いに、日本人が商談に来たそうです。まとまれば。結構大きな商売になる案件です。

  買う側の日本人としては、少しでも安く買いたい。そう思うのは、誰でも、そのように思って交渉するわけですから、別に、中国人A社員が怒るようなことでも無いと思うのが、日本人としては当然のことです。

  しかし、中国は中国でビジネス習慣があります。例えば、交渉後、200円の商品が100円まで下がったとしましょう。「それでは、その差額の100円を、2人で50円ずつ分けましょう。」ということになります。これが、中国のビジネス習慣です。

  このような中国のビジネス習慣を無視すると、先ほどの「ケチだね。やってられないよ。」ということになります。それって、不正じゃないか?不正を進めるのか?と、みなさんにお叱りを受けそうですが、このような商習慣の例を出すことによって、中国特有のグレーゾーンを理解していただくために極端な例を出してみました。

  さて、今回2つのグレーゾーンの例に共通するところがあります。それは、某監督機関の担当者、某企業の社員という職業を持っています。しかし、彼らは、某監督機関や企業の利益を考える一方で、個人としての利益をグレーゾーンの中で考えているということです。正当な企業の中での社員の顔とグレーゾーンの中での個人事業主としての顔、そんな2つの顔を持っている中国人の方が多数おられるということです。

  よって、ビジネス上交渉する際には、企業人としての交渉、個人事業主としての交渉が必要となることに注意したほうが良いと思います。次回は、正当な企業の中での社員の顔とグレーゾーンの中での個人事業主としての顔、2つの顔を持つ中国人との交渉の実例をお話しいたします。


庵 博文

庵 博文
http://seamans.jp

株式会社 SeaMans Japan 代表取締役
2010年に自社開設した中国向けECサイトxinwei日本季。中国の若い女性に対する日本ファッション販売を、新浪微博達人のモデル、タレントに盛り上げてもらって実現している。本業のソフトウェア開発で20年以上取引のある中国との架け橋となるべきだという使命感から、ECサイトの準備、運営、集客を通じて得た経験と自らが利用しながら構築してきたシステムを、2012年からは日本国内企業に提供開始している。
中国のECユーザ集客に使用した新浪微博では9万人の粉丝を獲得するに至り、中国に進出した日系企業中4位となる。中国進出前は勿論、進出後にも発生する様々な問題のサポートを、南京にあるSeaMans Chinaとの協力体制により実現する。
中国向けECサイト:http://xinwei.co.jp/
新浪微博アカウント:http://weibo.com/jxinwei
日本国内企業サイト:http://seamans.jp

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