中国で見落としがちな2種類の「グレーゾーンを解決する人脈」


  中国ビジネス交渉 その1 ~中国で見落としがちなグレーゾーンの存在~

  本日は、日本の企業が中国を相手に活動する際に必ず直面する「グレーゾーン」についてお話します。まず、グレーゾーンの実例を挙げて、何が問題となるのかを紹介します。次に、中国でグレーゾーンが発生した背景、発生する原因を説明します。最後に、このグレーゾーンを日本企業はどのように乗り越えられるのかを考えます。


  <グレーゾーンが存在する!?>
  中国には、日本人にとっては大変あいまいで理解しがたいグレーゾーンといえる部分があります。またこれは、日本企業による中国進出にとっても大きな障害となっています。

  例えば、中国の法律上では、ブランド品等のコピー販売は法律違反です、しかし、その省において、地域経済発展を最優先させるということであればグレーゾーンとして黙認します。海外からの取り締まり要請があると、中国政府としては、取締りを行うように、その省に伝達します。しかし、その省は、地域経済発展最優先の考えの基に、一部を取り締まるものの全部のコピー企業を潰すことはしません。

  この際、中国政府の法律には、グレーゾーンは殆ど無いわけですから対外的には「コピー商品を製造販売しないように伝達しておきます。」と言えば終わりです。中国政府、省、企業へとグレーゾーンに切り込んで交渉、相談しない限りは改善しないことになります。


  <グレーゾーン発生の背景>
  中国では1978年から改革開放政策が開始されました。1985年には、鄧小平によって「先に豊かになれる条件を整えたところから豊かになり、その影響で他が豊かになればよいという」先富論の考え方に基づいて加速されました。この結果、経済格差が拡大し、官僚の汚職や腐敗が一層深刻なものになりました。改革開放政策は、経済の活性化と社会の腐敗という大きな矛盾を生み出します。

  この大きな矛盾の発生原因の一つとして、各省の担当者により法の解釈が異なることがあります。中国の法律上、違法と明記してある場合でも、各省の担当者によっては「法の抜け穴」として解釈する場合です。ここにグレーゾーンが存在するのです。


  <日本企業はグレーゾーンどうやって乗り越える?!>
  中国のビジネスパーソンはこのグレーゾーンを理解し、対応策を考え取ることができます。日本企業がグレーゾーンを乗り越える為には、各種人脈が必要であるということは、皆さんもよくご存知のお話だと思います。中国政府や省単位での大きなグレーゾーンを解決する為には、それなりの人脈が必要です。

  しかし、日本企業の多くは、この大きなグレーゾーンを解決できる中国政府や、省単位、企業グループでのそれなりに大きな人脈さえあれば、中国ではもう問題ないだろうと過信しているように思います。

  中国のビジネスパーソンにとって、グレーゾーンを乗り越えてくれる人脈は、大きな人脈だけではありません。中国でのグレーゾーンを解決してくれる人脈には、大と小の2種類あります。

  1.主に進出前にお世話になる、大きなグレーゾーンを解決する人脈
  2.主に進出後にお世話になる、日常の小さなグレーゾーンを解決する人脈


  日本企業が見落としがちなのは、2.の小さなグレーゾーンを解決する人脈です。中国でビジネスを行う中で、企業と企業、企業と個人、企業と監督機関等、様々な場面で小さなグレーゾーンが日常的に山ほど存在します。

  「我々は、現地有力企業や中国政府と太いパイプと人脈を持って….」と、中国から何かの王冠をもらった気分でビジネスを始めたとします。

  「そんな小さなグレーゾーンを対応していたらきりが無い。いざとなったらこちらには大きな人脈がある」と、日常の小さなグレーゾーンに対して向き合おうとせず、“裸の王様“状態のまま対応しないことが最大の問題なのです。

  日本企業の中国進出はこの状態のまま、つまり着地もできずにグレーゾーンの中に浮いたままが長いように思います。対応や解決をなおざりにされた問題は累積します。業績不振も改善できません。現地関係者に対する不信は大きくなり、撤退という残念な結果を選択される企業もあるでしょう。

  中国における小さなグレーゾーンについては、法律や契約等で予めコントロールできるものではありません。すべて「交渉」や「相談」で解決するものです。乗り越えるにはこの2つを実行するしかありません。

  次回は、日常の小さなグレーゾーン、およびそこで行われる実際の交渉対応についてお話します。


庵 博文

庵 博文
http://seamans.jp

株式会社 SeaMans Japan 代表取締役
2010年に自社開設した中国向けECサイトxinwei日本季。中国の若い女性に対する日本ファッション販売を、新浪微博達人のモデル、タレントに盛り上げてもらって実現している。本業のソフトウェア開発で20年以上取引のある中国との架け橋となるべきだという使命感から、ECサイトの準備、運営、集客を通じて得た経験と自らが利用しながら構築してきたシステムを、2012年からは日本国内企業に提供開始している。
中国のECユーザ集客に使用した新浪微博では9万人の粉丝を獲得するに至り、中国に進出した日系企業中4位となる。中国進出前は勿論、進出後にも発生する様々な問題のサポートを、南京にあるSeaMans Chinaとの協力体制により実現する。
中国向けECサイト:http://xinwei.co.jp/
新浪微博アカウント:http://weibo.com/jxinwei
日本国内企業サイト:http://seamans.jp

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著書
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