百度が独自OS搭載スマートフォンを発売。その狙いとは?


  日本語記事でもいくつか紹介されているので、既にご存じの方も多いかと思うが、中国検索サイトの雄、百度(Baidu、バイドゥ)が独自OS『Baidu Cloud Smart Terminal platform』を搭載したスマートフォン「長虹(ChangHong) H5018」を発表した。


  こちらは富士康(Foxconn)がOEM生産をし、製品名にもなっている中国大手家電メーカーの長虹(ChangHong)や通信キャリアの中国聯通(China Unicom)などと連携し、1,000元を切るローエンド端末という位置づけで発売を予定している。

  同機種のスペック(規格)などはその他ニュースでも取り上げているので、こちらでは割愛するが、そもそもなぜ検索をはじめとしたインターネット大手企業の百度が独自OSを搭載したスマートフォンを発売するのか、その狙いについて推察したいと思う。

  結論から言ってしまえば、単純だが同社のモバイルソリューションを強化していくことがその狙いであるが、モバイルソリューションを強化する1つの策として、それぞれのモバイルアプリを拡散させるというのがある。

  そして、そのモバイルアプリ拡散の方法としては、アプリマーケットでその存在が目立つようにプロモーションを行うことと、既存の人気スマートフォンなどにモバイルアプリをプレインストールしてもらう、というのが一般的ではあるが現在中国はモバイル業界が非常に賑わっており、新浪(Sina)、腾讯(テンセント)などをはじめに数多くの企業が凌ぎを削っている。

  そうすると、当然アプリマーケットにしてもスマートフォン端末などにしても人気が高ければ高いほど、その目立つためのポジション取りは熾烈を極め、アプリマーケットにしてもプレインストールにしてもスペースは限られるため、価格が高騰したり、或いは陣取り合戦に敗れてしまうというケースが非常に多くなってくる。

  それを回避する1つの策がこういった専用モデル、独自モデルの発売になってくるのである。


  というのも百度で代表的なサービスといえば当然検索であるが、PC市場では圧倒的な存在感を示せている百度もモバイル市場ではトップに立ちながらも圧倒的な存在、とまではいえない現状がある。


2011年第1四半期のPCにおける検索市場シェア。百度は78.5%と2位のGoogle中国に大差をつけ圧倒的なシェアトップに立っている。


同時期のモバイルにおける検索市場シェア。PC市場と比較するとシェアが34.9%と半分以下で圧倒的な存在とはいえない。

  また、百度は検索だけではなくその他様々なインターネット系のサービスを展開しているが、当然10億を超える契約ユーザーがいるモバイル市場、特に今後の飛躍的な伸びが期待できるスマートフォン市場というのは、特に注力していきたい分野であり、その施策の一環がオリジナルOS搭載スマートフォンの発売である。

  こういった動きは何も百度だけではなく、PCやモバイル向けセキュリティソフトで中国最大手の奇虎360も専用スマートフォンを発売していくことを表明しているし、インスタントメッセンジャーのQQでお馴染みの腾讯(テンセント)も既にAndroid 4.0をベースとした独自OS”Tita”を提供し、現在は既存の端末向けに提供しているに留まっているが、今後同様に独自OSとして展開し専用スマートフォンを発売してくる可能性は非常に高いとみている。

  こういった独自OSや専用モデルというのは、話題にこそなれ実売という意味ではあまり結果が出ないことが多いが、今後どういったプレーヤーから同様な動きが出てくるのかを含め、しばらく注視していきたいと思う。


中尾 貴光

中尾 貴光
http://www.anhuioss.com/company01.html

安徽開源軟件有限公司 董事長 兼 総経理
安徽省馬鞍山市花山区高級招商顧問、馬鞍山師範高等専門学校 ソフトウェア学院理事
日本のIT業界に16年、その中でもLinuxに代表されるオープンソースの業界には10年超の経験を有する。2008年からは中国に拠点を移し、ソフトウェア業界に従事。現在は中国安徽省馬鞍山市でAndroidと微博(マイクロブログ)系の自社製品開発、アウトソーシング、トレーニング、コンサルティングなどに従事する会社Anhui OSSを設立するとともに同地に滞在。上海Androidの会会長、中国オープンソース推進連盟常務理事などコミュティ活動にも積極的に従事。また、その専門性を活かしAndroidを中心とした中国のモバイル業界や微博に代表される中国のソーシャルネットワーク業界動向などのブログや執筆活動も行っている。

【寄稿者にメッセージを送る】

著書


Facebookページにご参加ください


更新情報やランキング情報、その他facebookページでしか配信されない情報も届きます。下記より「いいね」を押して参加ください。




中国ビジネスヘッドラインの購読にはRSSとtwitterが便利です


中国ビジネスヘッドラインの更新情報はRSSとtwitterでもお届けしています。
フォローして最新情報を見逃さないようにしてください。


 RSSリーダーで購読する   

メルマガ登録