中国大学受験の仕組みを解説。「地方出身者の方が優秀」は本当?


  中国の大学への道(その3)「上海人は加点」はウソ

  ところで、「同じ○○大学でも、上海人は受験の時に20点加点されるから、地方出身者の方が優秀」と言われているのを聞いたことがありますが、そのような事実はありません。

  むしろ逆で、上海人が地方の大学を受験する際に20点加点されるシステムになっています。(ただし上海の大学に入りたがる上海人が多いのでこの加点制度はあまり使われていないようです) ただ、少なくとも入学時の学力だけを比べれば「地方出身者の方が優秀」なのはあながち間違いでもないといえそうです。

  実はこの統一試験は、全国統一ではなく、それぞれの省・直轄市での統一試験なのです。そもそも合計点が違うので、合格ラインも均一ではなく、地方ごとに発表されています。例えば「今年の復旦大学の理系は上海試験では600点中520点以上が合格、重慶試験では750点中650点以上が合格」という風に。ちなみに全国的には750点満点のところが多いようです。

  そして大学の所在地出身の受験生の合格ラインよりも、地方出身の受験生の合格ラインは高め、というのは確かに言われています。

  聞いただけなので調べてもみました。同じように「地方出身者の方が優秀」といわれている北京の昨年のデータで比べてみました。清華大学と並んで中国の最高学府とされている北京大学の理系合格最低点を、同じ750点満点の地方で比べてみると、北京630点、四川633点、天津638点、安徽665点となります。

  もちろん、内容が違うのでそのまま比べられるものではありませんが、地方では一般に前回述べた重点大学が少ないために、試験内容が難しいといわれています。そのため、難しい内容の試験で、上海の基準よりも厳しい基準をクリアしたので「優秀」なのです。

  あくまでも学力の話ですけど。

  以上でなぜか大学受験について3回に分けてご紹介しました。筆者も8年前に復旦大学へ留学したことがありますが、留学する前は「エリートだらけできっと嫌な感じ!!」と勝手に思っていましたが、裸でバスケしたりするようなところでした。

  さて次回はもうちょっとローカルな上海の話です。


湯 佳寧

湯 佳寧
http://www.concierge.com.cn

株式会社チャイナ・コンシェルジュ上海支社 「Concierge上海」編集長
1982年中国・天津生まれ。80年代の日本留学ブームで両親が日本へ留学し、91年に後を追い日本へ移住。小中高と埼玉で日本人と同じ環境に学び、暮らし、2001年日本国籍へ帰化。大学在学中の04年に上海・復旦大学へ留学したのをきっかけに、中国への興味が増し、卒業後上海で就職。07年Concierge編集部に入社。09年より編集チーフ、10年より編集長。東京外国語大学卒。

【寄稿者にメッセージを送る】

著書


Facebookページにご参加ください


更新情報やランキング情報、その他facebookページでしか配信されない情報も届きます。下記より「いいね」を押して参加ください。




中国ビジネスヘッドラインの購読にはRSSとtwitterが便利です


中国ビジネスヘッドラインの更新情報はRSSとtwitterでもお届けしています。
フォローして最新情報を見逃さないようにしてください。


 RSSリーダーで購読する   

メルマガ登録