中国(北京)食事事情 下痢を引き起こす4つの意外な原因に注意


  中国で生活を始めると~食事編~

  日本を離れ海外で生活を始めると、それがたとえどこであっても、今までとは勝手が異なるため、慣れるまでは一苦労があります。中国は日本の25倍の国土を誇るため、生活の場とは言っても、単純に「中国」と一括りにすることはできません。

  乾燥の激しい北京、湿気の高い広州、大都会の上海、中国大陸とは一味違う香港、はたまた日本人の少ない内陸部など、中国国内であっても、その地域によって生活環境は大きく異なります。中国の料理は、それぞれの環境によって、食材・味付けなども大きく異なるため、「中国料理」「中華料理」とは一括りにできません。

  今回は、首都北京で生活した筆者の経験、北京生活の際、周りにいた日本人の友人などの経験を通じて、中国で生活を始める際に問題となる「食事」を中心に現地事情を紹介します。

1.     北京に着いて早々

  北京で生活を始めて早々、多くの人が、悩まされるのが下痢です。元々下痢をしやすい性質の人であれば気にすることもないのかも知れませんが、下痢に対する耐性が弱い性質の人の場合には体に堪えることもあるようです。私自身、北京に着いてから1ヶ月間もの間下痢が続きました。

  北京に来てから知り合った日本人の友人たちに聞いても、多くの人が下痢になっていました。酷い風邪になって寝込む人もいました。湿疹が出来続けるという人もいました。下痢になるだけでなく、北京に着いて早々寝込み、湿疹が出来続けた友人は、北京の食事に原因があるのだろうと考えました。その友人は、毎日食べるものの種類を差し引いたり、足したりして何が原因かを分析していました。

 彼が辿りついた原因物質は、「油」でした。私が最初に北京に住み始めたのは、中国語の語学研修生としてでした。そのため、日本人の友人の多くとは、北京の語学学校で知り合うこととなりました。日系企業派遣の語学研修生の大半は、中国語を話さざるを得ない状況を作り出すため、妻帯者であっても単身で各地に住むことが会社から義務付けられています。そのため、外食の機会が多くあったのです。

2.     食用油

  あるとき、北京の日本料理屋で食事をしながら店主と話をしていると、食用油の話になりました。その日本料理屋の隣には、中国ローカルのファーストフードに近い中国料理屋がありました。その中国料理屋は、使用済み油を隣の溝に捨てていたらしいのですが、それだけに止まらず店で使う食用油は新品ではなく、使用済み油を仕入れ、それを店の料理に使っていたとのことでした。

  小さい頃から耐性があればそれでも問題ないのかも知れませんが、耐性のない日本人は下痢をしがちです。下痢だけに止まるならまだしも、悪い油、体に合わない油は特に体に堪え、湿疹・アレルギーなど、体の各所に異変を来すようです。

 3.     カニ

  カニなどの甲殻類には特に気をつける必要があります。

  北京には海がなく、内陸に入っているため、輸送状況により海産物は新鮮でないことがしばしばあります。(上海の高級店で食べた上海カニにあたり、入院騒ぎになった方もいます。北京に限らず、油断してはならないようです)。そのため、同じ食べ物でも、食べても良い店と食べてはいけない店を見極める必要があります。たとえば、信頼できる店では刺身を食べるが、街中にあるちょっとした中国料理屋では刺身を食べない等です。

  北京では、健康食ブームもあってか、金持ちであったり、都会に住んだりする人ほど、日本料理を食べます。近年は、内陸部の一般的な中国人など、今まで刺身など生で食べ物を食する習慣がなかった人たちにまで、徐々に生食が広がってきています。

  あるとき、私は北京にある有名台湾料理店に入りました。そこは有名な店であり、清潔でもあったため、安心しきって何でも気にもせずに注文をしていました。大いに平らげ帰宅すると、体に異変を感じました。疲れているのかと思い早く寝ると、翌日、自分の腕と足が赤紫色に腫れ上がり、象のようになっていることに気付きました。

  私はアレルギー体質ではなく、日本にいたときには何を食べてもアレルギー反応が出ることもありませんでした。北京で人生初、食べ物にあたってしまい、象のように腫れ上がった腕と足を見た私は早速病院に駆け込みました。

医者(中国人):「昨日は何を食べました?」

私:「台湾料理です」

医者:「具体的には?」

私:「AにBに、後、カニ餡かけが乗った料理も食べました」

医者:「原因はカニですね。甲殻類を食べながらビールを飲みました?」

私:「飲みました」

医者:「駄目ですね。甲殻類には特に気をつける必要がありますが、魚介類を食べるときにはビールは駄目で、白酒ですね」

中国人によく言われるお約束の言葉を医者からも指摘されながらも、原因物質はカニだということが分かり、何だかほっとしたのも事実でした。

4.     牛乳・ヨーグルト

  牛乳・ヨーグルトなどの乳製品が好きな私も、中国では気をつけて商品を選ぶことになりました。

  北京に到着後、新居の周りを見て歩いていた私は、探索を兼ねて入ったスーパーで牛乳を買おうと手に取りました。そのときあることに気付きました。日本とは異なり、牛乳の賞味期限が異様に長いだけでなく、常温でも保存できるということに。中国と日本では牛乳の種類が違うようですが、そのとき私は、これからは気楽に牛乳も飲めないなと思ったものでした。

  さらに、ヨーグルトにも製造メーカーによって異なる特徴があることに気付きました。北京のスーパーで最初に購入し食べた、とある中国メーカーのヨーグルトは何度食べてみても下痢をすることに気付きました。そこで、別の中国メーカーのヨーグルトに切り替えてみると、全く下痢をしないことに気付きました。同じ中国メーカーであっても、どこのメーカーのヨーグルトでも同じ、というわけではなかったのです。

5.     包丁

  中国では包丁にも気をつける必要があります。

  あるとき、私は新疆ウイグル自治区ウルムチを旅していました。そこでは、名物のハミグアと呼ばれるメロンやスイカが街中の屋台で切り売りされていました。周りのウイグル族を始めとする人たちは、屋台で買い、その場で食べていました。

  そのとき、中国人の運転手が「ハミグアはおいしいから買って来てあげるよ」と言って、屋台で切りたてのハミグアを買って来てくれたことがありました。そのとき、既に切ったハミグアやスイカなども売られていましたが、運転手は新鮮だからという理由だけでなく、「洗った包丁で切ったものでないと下痢になるからね」と言って包丁を洗わせたうえ、その場で新たに切らせていました。

  この屋台はまだ果物を切るだけですから清潔な方です。ハエなどが集っていた包丁で切る程度です。しかし、中国ローカルの店では、刺身も肉(牛、豚、羊)も同じ包丁で洗わずに切ることがしばしばあります。私自身、厨房に入って動物(鳥、ネズミ)を生きた段階からさばくのを見学させてもらったこともありますが、「中国料理屋の厨房を除くとそこで出される料理が嫌になるよ」と言われた言葉を思い出していました。

6.     中国人以上に気をつける

  現地に住む中国人でさえ気を付けるのですから、慣れない日本人はそれ以上に気を付ける必要があるわけです。

 

 ※ 中国某所にある台湾料理の名店「鼎泰豊ディンタイフォン」の偽物店 中国企業が台湾企業のパクリをしている模様(本文とは関係ありません)

以 上


奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

公認内部監査人
1996年早稲田大学教育学部教育学科社会教育学専攻卒業、2001年早稲田大学大学院法学研究科民事法学専攻修了(法学修士)。2009年中国北京にある中国政法大学大学院に留学し民商法を研究すると同時に、中国現地各有名弁護士事務所にて中国法務・労務を中心とした実務研修を行う。
【著書】
◾︎『中国のビジネス実務 人事労務の現場ワザ Q&A100』(共著、第一法規、2010年)
◾︎『中国のビジネス実務 債権管理・保全・回収 Q&A100』(共著、第一法規、2010年)他。
【論文】
◾︎「中国で債権回収に手こずる~現場からみた注意点(合弁、独資別)~」(中央経済社『ビジネス法務 2011年10月号』)
◾︎「中国ビジネス 現場で役立つ実務Q&A」(第一法規『会社法務A2Z』2012年1月号より連載中)
◾︎「中国から”上手”に撤退する方法」(中央経済社『ビジネス法務 2013年6月号』)
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