中国ではほとんど使わない「忘年会」という言葉


  中国の今年の旧正月の休みは1月22日から1月28日までです。先週や今週は、中国では、いろんな忘年会が開かれていることでしょう。

  ところでこの「忘年会」という言葉は日本では使いますが、中国では、「忘年会」という言葉は聞いたことがありません。多くは、「新年会」「聯歓会」「答謝会」と使っています。なぜでしょうか。ここに考え方の違いが出てきています。

  日本で、忘年会のルーツをたどると、いろんな説がありますが、その1つとして高度経済成長で非常に頑張ってきた起業戦士が、一年の「疲れをとる」「いやなことを忘れる」という意味で、忘年会が開催されるようになっています。そう言えば、日本の年末に除夜の鐘を鳴らし、「108つの煩悩を忘れる」という習慣も残っていますね。

  いやなことを忘れるというのは、元々仏教思想からもたらされている考えなので、中国でも、そのような考え方はもちろん存在していますが、北京・上海・広州等の大都市での多くの友人の考え方を聞く限り、どうも仏教的な影響よりも違う影響があると考えます。その沢山の中国人の友人に聞いて回り、少しは疑問が解消できました。

  答えの多くは、「1年のいやなことを忘れる」ことよりも、「前向きな気持ちになることが大事です」でした。中国では、異民族との戦争の歴史なので、いやな辛い思いが多く存在し、それを口に出すよりも、人よりも早く前に出て、自分の利益、家族の利益を獲得したいという根本的な思想があります。そう考えている時間がおそらく無駄なのでしょう。よって、「忘れる」という行為は、自動的に去っていき、前向きに発想を切り替えているのかも知れません。

  同じ食事会、宴会でも、その目的は日中間で大きく違います。


廣田 廣達

廣田 廣達

■所属:
・王子ホールディングス(王子製紙グループ)の中国の子会社に出向。中国におけるマーケティングの担当。上海駐在。
■ライフワーク
日中及び日本アジアの違いに着目し、コミュニケーションの改善を通じて、ビジネスの発展に寄与するための講演活動を行う。
・講演実績:三菱総合研究所、日刊工業新聞社、桜美林大学、異文化コミュニケーション学会、スイングバイ株式会社、東京-上海ビジネスフォーラム、アジア経営研究会、人生繁盛会(道端康予主催)等
・異文化コミュニケーション学会役員・会員誌編集長

■強み:中国ビジネス全般・マーケティング・異文化マネジメント

■その他プロフィール:
中国系華人。神戸出身。神戸商科大学を卒業。

■ユニチャームで勤務:ベビー、フェミニン、大人用おむつの中国・アジア地域のマーケティングを担当。当時上海に通算で約3年駐在。

■㈱ベネッセコーポレーションで勤務:教育に関する海外展開のため中国事業の支援及びFSを担当。

■㈱新日本科学で勤務:世界的No.3の医薬品の前臨床、臨床試験を行う研究開発の会社(CRO)で中国の会社立ち上げ、中国を中心に合弁パートナーとの交渉を担当。中国以外ではカンボジアの事業、ブータンの事業等を支援。

SIETARのHP
http://www.sietar-japan.org/index.html


【寄稿者にメッセージを送る】

著書


Facebookページにご参加ください


更新情報やランキング情報、その他facebookページでしか配信されない情報も届きます。下記より「いいね」を押して参加ください。




中国ビジネスヘッドラインの購読にはRSSとtwitterが便利です


中国ビジネスヘッドラインの更新情報はRSSとtwitterでもお届けしています。
フォローして最新情報を見逃さないようにしてください。


 RSSリーダーで購読する   

メルマガ登録