- 経営者集中事前申告制度と企業悩み 中国独占禁止法厳格適用動向
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商務部独占禁止局は、昨今、特に経営者集中(事業者結合)事前申告制度に関する動きを急速に進めています。事業者結合には、合併などの他に、中国で合弁会社を設立することも含まれます。2011年12月30日には「経営者集中の違法な不申告に関する調査処理申告暫定弁法」が公布され、2012年2月1日より施行されることになりました。
独占禁止法の観点から、企業側に事前届出を促す法令と言えます。商務部における独占禁止法厳格適用の動きを示す法規です。商務部としては、合弁会社設立前の段階で、設立の適否を厳格に判断しようとしているのです。自由競争を守ると言うと、中国の体制と矛盾するように感じる部分もありますが、中国政府は、あくまで中国市場における自由競争志向の法律法規の制定を進めています。
そこで、今回は、中国において、合弁会社設立の際にも厳格に要求されるようになってきた経営者集中事前申告制度と企業の悩みの一こまを紹介します。
1. 「経営者集中の違法な不申告に関する調査処理申告暫定弁法」の公布
(2011年12月30日公布、2012年2月1日施行)
独占禁止法厳格適用、特に経営者集中(事業者結合)事前申告制度に対する商務部の強い姿勢については、2011年12月7日に陳商務部部長の主催の下、開催された商務部第57回部門会においても表明されていました。商務部は、「経営者集中に関する事前届出制度に反して集中(合弁会社の設立等)を行う事例が散見されるが、これらの会社は相応の法令責任を負うべきである。
この法令責任には、集中実施の停止、期限までに株式あるいは資産を処分すること、違約金の発生等を含む。現状は事前届出違反という違法状態が散見される由々しき事態ゆえ、経営者集中に関する違法な不申告に関する調査処理申告暫定弁法は必ず成立させる」と主張していたのです。
事前届出の必要性については、2011年12月27日開催の「2011年独占禁止活動主要状況」発表会においても、商務部独占禁止局長兼国務院独占禁止委員会事務室主任である尚明氏により再度強調されていました。これに対応する法令が、商務部が2011年12月30日に法令の形で実現した「経営者集中に関する違法な不申告に関する調査処理申告暫定弁法」です。
独占禁止法に対する商務部の昨今の強力な姿勢を見ても、日本企業としては、今後ますます事前届出制度に対する対応を敏感に行う必要があります。
2. 企業の悩みの一こま
同様の問題は、アメリカでも、EUでも、日本などでもあります。そのため、世界に展開している企業であれば、アメリカ・EU・日本などのどこで経営者集中(合併、合弁会社の設立等)するかにかかわらず、中国等の他国でも経営者集中事前申告を行わなければならないのか、という悩みがあります。
たとえ事前申告をする、と腹をくくった後にも悩みは残ります。各国での届出について、一括してどこかの世界機関ででも取りまとめしてもらわない限り、企業側にとっては対応が難しいこともあるのです。毎回、各国で個別対応をするとなると、事前申告資料中における企業売上の金額が異なることになる事態が発生します。また、日本円建での売上額は一緒でも適用為替レートが少しずれると金額が変わってしまう等の問題も発生します。企業側担当者からすれば、細かい部分での無駄な作業・時間に手間取る部分も生じるのです。
これについては、たとえば、決算公表した段階での為替レートを適用することで、次の1年間に発生する経営者集中事前申告において使う資料の数字を固定する等も必要でしょう。各社においては、申告書作成に関する実務規則を自社内で固有に規定する等の対応も必要になりそうです。
以 上
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