中国工場の現場で食事をしてもOK? 現場派の総経理も見落とし

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今回は、以前わたしが関与していた日系中国工場での食事に関する出来事を紹介します。

ここには、毎月訪問して品質管理に関する指導をさせていただいていました。

その工場には自前の食堂はなく工業区の中に誰でも使える食堂があり、みんなそこで食事をとっていました。

  会社が食事代の補助を出しており、食堂の価格よりも安く食べられるようにしています。現場の作業者は全員残らず外の食堂で食べていると思っていました。というか特に食事については、気にしていませんでした。

  通い始めてから何回目か訪問のとき、現場での確認が長引き昼休みにかかってしまいました。確認を終えた後、現場を通って事務所に戻る途中で、作業者が現場の自分持ち場で食事をしているのを見ました。

  当然現場には仕掛りの部材があり、そのすぐ近くで食事をしていました。最初に見たときは「危ない」という印象と、「何で?」という疑問が湧いてきました。疑問と言うのは、「どうしてこんなことが許されているのだろう?」というものです。

  実際は、現場で食事をすることが許されていた訳ではなく、食事をしてよいとも悪いとも決まりがなかったのです。言ってしまうと、工場トップである総経理がその事実を知らなかったのです。

  総経理もまったく食事については気にしていなかったようで、全員外の食堂に食べに行っていると漠然と考えていたようでした。この総経理はよく現場に足を運んでいる人でしたが、昼休みに現場に行くことはなかったようです。もし、気が付いていたら何らかの対策を取っていたと思います。

  もうひとつ問題と思ったのは、現場の班長や生産の責任者は作業者が現場で食事をしているのを知っていたことです。それを問題視出来ないことが問題だと考えました。「食事を仕掛部材にこぼしたらどうなってしまうのだろう、どういうことが起きるのだろう」とか想像力を働かせて、何らか対応が出来たのではないかと思った訳です。幸い食事をこぼすなどの問題は発生していませんでした。

  事実がわかったので対応しなければなりません。総経理は現場での食事を禁止するにしても食べる場所を確保してからでないとと言っていましたが、ローカルの総務担当経理に相談すると、即禁止のお触れを出しました。このあたりは日本人が考えるよりローカルスタッフに対応させた方があっさり、ばっさりとやれるということですね。

  実は、この時期新規顧客の工場監査が予定されていました。その顧客が現場での食事を目撃したら、悪い印象を与えただけでなく管理レベルも疑われてしまったことでしょう。

根本 隆吉

根本 隆吉
http://www.prestoimprove.com/

◆ 主業務:日系中国工場の品質管理体制構築、品質改善支援。

 現場管理のキーパーソンである班長の育成研修にも 力を入れている。

駐在員が能力を発揮することを目的とした駐在員コーチングも手掛ける。

◆ 電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て、香港・中国に駐在。

中 国においては、購入部材の品質管理責任者として延べ100社に及ぶ取引先品質指導ならびに現場改善指導に奔走。

◆2007年より現職。生産の3要素で捉えた中国工場の品質管理の問題点と指導 のポイントをテーマにしたセミナーの実施多数。外観目視検査の精度アップセミナーの講師も務める。

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