- “淘宝商城”事件に見る中国ネット市場の現状 B2C・品質追求へ
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中国最大のB2Cモール“淘宝商城”が昨年(10月10日)、出店企業向けに2012年の募集ガイドラインを発表しました。それによると、出店企業から徴収している技術サポート費用を、現在の年額6000元(約8万円)から大幅に引き上げ(3万元=約38万円、6万元=約76万円の2種類)、また出店企業違約保証金制度を導入します。出店企業違約保証金制度とは、出店企業に対して契約時に最高で15万元(約190万円)の保証金の支払いを求めるものです。
ガイドラインの変更は、すでに出店している企業も含め、すべての出店企業に適用されます。出店の継続を希望する場合は2011年12月26日までに、新たに出店する企業は出店契約締結時に、技術サポート費用、違約保証金を一括で支払わなければなりません。
このガイドラインの変更は、“淘宝商城”に出店する中小企業の大きな反発を招きました。彼らはネット上で「反淘宝連盟」を組織、“淘宝商城”に出店する大手企業の旗艦店などに、注文・返品・支払い拒否などの悪質な攻撃を繰り返しました。攻撃は10月10日から始まり、10月13日の朝方まで続きました。
“淘宝商城”の調査によると、“韓都衣舍”(HSTYLE)、“七格格”(OTHERMIX/右の画像)、“千姿百袋”(CHANCEBANDA)、“優衣庫”(ユニクロ)をはじめ約170の店舗が被害を受け、一部店舗は販売できない状況に追い込まれました。ある店舗の責任者は「最もひどいときは30分間で数100点の悪質な注文があった」と言います。

攻撃を仕掛けたグループは、“淘宝商城”がガイドラインを見直さなければ、再び攻撃を行うと公言、10月16日に2度目の攻撃を実行しました。中央政府はこの事態を重く見て、早期解決を求める見解を発表。アリババは10月17日、技術サポート費用の減額、出店企業違約保証金制度導入の1年間延期などを発表し、事態は再び沈静化しました。しかし、中小企業の不信感を拭い去ることはできず、しばらく膠着状態が続きそうです。
中国ではここ数年、インターネットの爆発的な普及に伴い、ネット販売は最も成長するマーケットの一つと言われています。中でも“淘宝網”(C2C)、“淘宝商城”(B2C)は中国のネット販売を代表するサイト・モールであり、アジア最大規模にまで成長した輝かしい側面があります。一方で、商品やサービスの品質、消費者の保護などでは少なくない課題を抱えています。
アリババは「安値」の追求と「品質、サービス」の追求を切り分け、前者では“淘宝網”、後者では“淘宝商城”をつくりました。“淘宝商城”については、ブランド、品質、サービスなどでの他モールとの差別化に注力しています。今回のガイドラインの変更は、この取り組みを前進させるものと言えそうです。“淘宝商城”事件は、市場をより良くしたいというアリババの思いも感じ取れますが、中小企業を半ば無視した諸費用の値上げなどでは、ビジネス道徳上の問題を指摘されても仕方がなさそうです。
B2Cへのシフト、商品・サービスの品質を追求しようというトレンド。マーケットの管理体制がまだまだ十分でないこと──。“淘宝商城”事件は、中国のネット販売のさまざまな側面を見ることができる出来事です。
(※参照:ビープラッツ株式会社と株式会社アルクとの共同企画「中国語ジャーナル10周年記念 スペシャルコンテンツ 中国Eコマース最前線」)
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