沸騰する中国化粧品ネット通販市場の現状 後手の日系企業

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  今回は“美麗経済”(ビューティー経済)と呼ばれるマーケットの一角、化粧品のeコマース展開についてご紹介します。

  中国では、ここ20年来の経済発展とともに、化粧品も世界最大の新興市場に成長、外国ブランドに加え、“美加浄”“六神”などに代表される国産メーカーも台頭してきました。近年、化粧品市場の成長は加速しており、2006年に1000億人民(約1兆3000億円)だった規模が、2010年には1530億人民元(約2兆億円)に拡大しました。市場規模において、いまや中国はアメリカに次ぐ世界第2位の化粧品消費大国です。

  一方、従来型産業と呼ばれてきた化粧品業界ですが、インターネット通販での売り上げも着実に伸ばしてきています。中国のインターネット調査会社、iResearch社の「2009-2010年中国ネット通販業界発展報告」によると、化粧品は2009年のネット通販の売り上げ全体の6~9%を占め、売上高は150億人民元(約1950億円)に上りました。今年、2011年は化粧品のネット販売にとって大躍進の1年になる、とも言われています。

  海外の代表的な化粧品ブランドでは、P&G社が2007年にいち早く、中国最大のeコマースマーケット“淘宝網”に電気カミソリ「Braun(ブラウン)」の旗艦店を開設、2カ月で2000個以上を販売しました。最近では、電動歯ブラシ「Oral-B」の販売を中心とする「口の健康保持センター」を、“淘宝網”内の二つ目の旗艦店としてオープンしています。

  ユニリーバ社は今年5月、男性用香水「LYNX」を中国市場に投入。ミニブログや検索エンジン、SNSサイト、ポータルサイト、動画サイト、B2Cネット通販サイトなどを駆使し、短期で60万近くのページビューを稼ぎ、中国の男性化粧品市場で認知度を高めました。日本企業では、資生堂が昨年9月に独自のB2Cネット通販サイトを開設。“80后”と呼ばれる若者向けにネット通販専門のブランド「泊美舒亜SOI」を展開し始めています。

  “淘宝網”の2010年の調査によると、輸入商品の中で化粧品の売り上げがダントツであり、“淘宝網”の輸入代行ショップの約半数(2200店舗)が化粧品を扱っています。海外、また中国の大手化粧品メーカー、中小、零細ネット販売業者が参集する中国の化粧品ネット通販市場では、すでに激しい競争が起きています。

  日本の化粧品ブランドに目を転じると、まだまだ多くが中国に進出できていません。中国では化粧品の販売に対して非常に厳しい規制があります。この規制が日本企業に中国進出を躊躇(ちゅうちょ)させているのだとしたら、海外からの直販、もしくは中国国内のパートナーによる代理販売など、ネット販売の中でも規制を受けないパターンでマーケティングをしてみるのは、試す価値がありそうです。

  化粧品は商品のイメージ、ブランドが特に大事です。したがって、通常のプロモーションに加え、クチコミサイト、SNSサイト、コミュニティサイト、ミニブログサイト、動画、アニメサイト、ゲームなどへの取り組みも必要不可欠と考えられます。今の中国では、沿岸部の都市よりも、これから発展していく内陸部の都市に注目するといいかもしれません。収入の増加に伴い、若者を中心に「美」に対する意識が高まり、ファッションや化粧品のニーズの拡大が見込まれますので、市場に入り込める余地は大きいように思います。

(※参照:ビープラッツ株式会社と株式会社アルクとの共同企画「中国語ジャーナル10周年記念 スペシャルコンテンツ 中国Eコマース最前線」)

任 力

任 力
http://info.chinaplats.com/

ビープラッツ株式会社
事業開発本部 中国事業統括 部長
twitter:chinaplats

1973年3月 中国・上海市生まれ
1992年5月 来日、在日歴19年
最終学歴: 早稲田大学大学院 経営学修士(MBA)

HR戦略系コンサルティングファームやITコンサルティング企業のコンプライアンスとセキュリティに関する新規事業の立上経験を経て、前職の三井物産社内ベンチャーであるライセンスオンライン社にて中国事業を担当。
2007年、Bplats中国事業戦略子会社を設立、総経理を務める。事業パートナの日本商権獲得やグローバルECプロジェクトなど、Bplatsの中国・アジア事業を推進する。日中両国それぞれのビジネス事情や商習慣を熟知し、通訳としても活躍。

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