香港で法人設立する3つのメリットと各注意点


1.香港という地域

まず香港という地域はどういう地域なのか?ここは世界の上位銀行100の約75%が支店をおく場所である。法人設立に関しては一人以上の株主、役員から会社を設立でき、もちろん外国人が株主、役員になれる。

地理的な関係上、中国ビジネスを展開するにあたっては非常に有効です。現実に中国の本土外投資の約45%が香港からの投資です。

2.香港の税制

世界にはオフショア地域(税金が低い、あるいは無い国のこととここでは言い切って書く。)は数多くあり、その中には香港の16.5%の税率よりも低い税率(0~10%)の場所も多くあります。

しかし、香港は金融インフラが整っているので多くの国から香港で起業する人がやってきます。実際、事業利益を生み出すために掛かった経費は全額損金参入できる事や、キャピタルゲイン課税が無いこと、赤字の永久繰越、香港に源泉が無い収益に対しての課税の免除など実際のパーセンテージでははかれないメリットがあります。

3.法人設立の容易さ

香港法人設立までの手順は非常に簡単です。

1.類似商号のサーチ 

2.設立・登記に必要な情報(役員、株主、業務内容など)の提出

3.設立・登記書類作成に入ります。

4.登記書類への署名。

5.署名済書類を政府に提出。

その後、10営業日で登記完了

ちなみに日本の法人設立と大きく違う部分として香港では必ず【会社秘書役】を置かなければなりません。

会社秘書役(Company Secretary)とは?
会社秘書役(Company Secretary)とは、香港で登記される全ての会社において任命が義務付けられており、法定登記事項の1つでもあります。会社秘書役は、登記事項が発生した場合、定められた書式を公司登記所(Company Registry)に提出、保管しなければなりません。また、議事録の作成、年次報告書(Annual Return)の作成も行います。会社秘書役は、香港居住者もしくは香港法人でなければなりません。

4.納税の義務

香港では香港法人であってもその他の法人であっても、以下の条件にあてはまると納税義務が生じる。

1. 香港で事業をおこなっていること

2. その事業が香港での活動により所得が発生していること

3. その所得の源泉が香港にあること

また香港法人は、設立してから18ヶ月以内で決算月を自身で決めることができる。翌年以後はその決算月に決算することになる。赤字申告した場合は2年目以降、政府から申告用紙が送られてこず、数年分まとめて送られることになる。

決算の流れは決算に必要な書類1.売り買いの台帳、2.領収書原本、3.銀行ステートメントなど実際の運営において動いたお金の流れを記したものを会計士に提出し、決算書を作成してもらい必要箇所にサインをします。

5.オフショア申請

オフショア申請(OFFSHORE CLAIM)とは香港法人を通して商売が発生しているが、実際のものの移動は中国、日本間である場合など香港に源泉が無い商売をしている場合に申請が可能である。この申請が認められるとどれだけ香港法人が利益を上げていようとも法人税を支払わなくても良い。

この『オフショア申請』で国内所得と国外所得を区分するために、その所得の源泉地がどこになるのかが問題となるが香港税法では詳細な定義を示していない。原則は以下になる。

【原則1】
所得の源泉地の特定は、判定が難しいため、事実認定の問題とされている。全ての事例に適用される普遍的なルールは無い。

【原則2】
一般的には、当該利益を獲得するために、どのような事業活動が利益を生み出したのか、それがどこで行われたかを確かめることになる。

【原則3】
所得の源泉は、個々の取引ごとにその粗利益の発生の源泉を以って決定される。

【原則4】
ある取引に関して所得の源泉が国内と国外にまたがっている場合、所得は国内所得と国外所得に分けて取り扱われる。

【原則5】
日々のマネージメントが行われている場所は、所得の源泉地の決定には直接的には関係がない。

【原則6】
香港外に恒久的施設が無い場合でも、オフショア申告は可能である。

6.ビザ取得

香港で就労をする為にはビザを取得する必要がある。例えば取得後、仕事の内容が日本での営業でほとんど香港に滞在しなかったとしよう。このケースは問題が無いのかというとないのである。

もちろん永住権取得を念頭においているなら年に数回は香港に来なければならないが、その人の年間の香港滞在日数が60日未満であれば香港の税金の支払いもする必要はないのである。

ビザを取得せずに就労するともちろん違法になるが、香港に会社があって役員になっているからといった理由だけで就労しているとはみなされないので、必ずしもビザを取得する必要が無いケースもある。


和田 泰明

和田 泰明
http://www.chinaworld.com.hk/jouhou/

イギリス・ロンドン、カナダ・トロントへの留学やネット小売業で成功を収める。1994年 チャイナワールドトラベル(旅行社)を設立、2003年より法人設立サポートを行うチャイナワールドセクレタリーを設立した上園良一氏に請われ2010年4月チャイナワールドセクレタリーの社長就任。現在までに法人設立サポート実績800社以上を誇る。2011年1月より【経済産業省後援ドリームゲートアドバイザー】にも就任。
【メディア掲載】
2007年 日経マネー 8月号 掲載
2007年 YEN SPA 夏季号 掲載
2008年 日経新聞 1月6日付 掲載

【寄稿者にメッセージを送る】

著書
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