課税逃れの防止における海外連携について


本日の新聞で海外を利用した課税逃れが増えており、そのために各国の税務当局に要請した情報交換の件数が646件と、昨年の315件に比べ倍増したとの記事が出ておりました。近年、さまざまな国や地域と租税条約や租税協定を結ぶ動きが活発化し、タックスヘイブンといわれるケイマン諸島とも租税協定を結んだのは記憶に新しいところです。今回のオリンパスの損失隠しに関与したとされる投資ファンドがケイマン諸島にあったため、この投資ファンドを調査するという意味でも、ケイマン諸島と協定を結んだのはタイムリーだったかもしれません。

租税条約や租税協定の一番の目的は二重課税の防止と脱税行為の防止にあります。そのため、各条約や協定の中には情報交換規定があり、お互いリクエストされたら相手が求める情報を提出できるように努力しなければならないとされています。しかし、あくまで努力規定であり、義務はありません。この実効性を疑う声もありますが、国税庁は情報交換の効果で過去10年間に約850億円の申告漏れを発見したという今回の発表で、こういった声を打ち消したいという意図もあるのでしょう。また、海外に資産を移したり、海外で所得を受けたりすることで課税逃れをしようとする傾向が後を絶たないための苦肉の措置ともいえます。


小嶋 大志

小嶋 大志
http://www.kojimaz.jp/

小嶋税務会計事務所 代表 税理士 
一橋大学商学部卒業後、丸紅株式会社にて中国を中心とした貿易業務に従事。その後、西山会計事務所にて法人・個人の決算申告、相続税申告、株式の評価など担当。みらいコンサルティング株式会社・税理士法人みらいコンサルティング(旧中央青山PwCコンサルティング株式会社)国際ビジネス部部長を経て2010年1月より現職。
【執筆実績】2009年11月「外国人の雇用・研修における課税関係」日中経協ジャーナル/他2006年より多数。 【講演実績】2009年12月 「中国税制の概要および中国子会社との課税問題」主催:SMBCコンサルティング 開催地:東京・大阪/他2007年から30回以上

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著書


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