一人っ子手当の改正


上海に駐在されている日本人の中でもご存知の方は案外少ないのですが、上海市には「上海市計画生育奨励及び補助に関する若干の規定」という政令があり、一人っ子の証明書を持っている従業員には毎月2.5元の手当を支給しなければならないのです。

この政令が6月14日に改正公布となり、「独生子女父母光栄証」、つまり一人っ子の証明を持ち、上海市の戸籍を有する従業員には、子供が満16歳になるまで毎月30元の手当を支給するよう、金額の引き上げがありました。この改正は1月1日に遡って扱われ、企業はその間の差額を支給しなければなりません。中国では極度の少子高齢化が進んでおり、至る所で一人っ子政策の緩和が議論されていますけれど、このような政令の公布を見ますとまだまだ市民に対する一人っ子の奨励は続くのかなと感じさせられます。

中国には生育保険という社会保険の一種があり、妊娠中、或いは出産後の女子従業員にはこの保険から各種手当が支払われますが、確かに二人目の出産以降は手当の制限もあり、病院での出産費用なども減額されたりします。厳しい目で見れば、多産は計画生育違反なので、行政罰により、解雇できるという解釈も存在します。

急激な人口の増加はそれ自体、社会問題を引き起こしますが、年金政策などを考えた場合、一人っ子政策の影響は今後更に大きな社会問題の要因になっていくと思われます。


清原 学

清原 学
http://ameblo.jp/preseed/

プレシード 上海基望斯企業管理諮詢有限公司 CEO
中国の人事労務事情、中国労働関連法の第一人者。学習院大学、東京工業大学大学院研究科修士課程。共同通信社、アメリカAT&Tにて勤務後、財団法人社会経済生産性本部にて組織人事コンサルティングに従事。上海・大連・無錫・ホーチミン・香港の駐在を経て、2004年プレシード設立。中国進出日系企業の組織構築、人事制度設計、労務アドバイザリーに携わる。企業の代理人として中国労働組合との交渉、労働仲裁・和解の法廷にも立つ。独立行政法人中小企業基盤整備機構国際化支援アドバイザー、ジェトロ上海センター人事労務相談契約、兵庫県中国ビジネスアドバイザー、神戸学院大学東アジア産業経済センターアドバイザー、京都外国語大学非常勤講師等を務める。上海在住12年。ユーモアを交え、中国の労働法制度からその社会的背景まで鋭く切り込む語り口は、多くの聴衆を惹きつける。中国と日本を往復し、各地自治体、商工会議所、経営者団体等での講演多数。

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