中国現場コラムvol.2 漢族のウイグル観、チベット観、内モンゴル観 その2


1.新疆ウイグル自治区

筆者が初めて新疆ウイグル自治区への旅を考えたのは、2009年4月のことでした(実際に始めて新疆ウイグル自治区を旅したのは、2009年5月。ウイグル騒乱(7月5日)勃発の約1ヶ月前のこと。)。筆者は、新疆ウイグル自治区を旅するに際して、どういった所がおもしろいかを周りの中国人の友人たちに聞いて回ったのです。

 筆者は、いつも旅行する先を決定する前に、中国人の友人たちにもどこがおもしろくて、どこへ行くと良いと思うか、を聞いて回ることにしています。日本人向けの旅行本の感覚ではなく、中国人の生の感覚を知るためです。

その結果、分かったのは、中国人たちに人気があるのは、雲南省だということが分かったこともありました。雲南省は、中国の大人気トレンディードラマの中でも旅行先とされていた漢族の好きな場所です。中国人の新婚旅行先としても人気です。ヒアリング結果、中国人には、雲南省の中でもタイ族の街である西双版納が大人気だということが分かり、旅行先として付け加えたこともあったのです。

 このように、いつもは筆者が中国中を旅して回ることに好意的な反応をし、色々とアドバイスしてくれる友人たちの反応が、このときばかりは違ったのです。

 2.漢族の友人たちの反応

漢族の友人①:「新疆ウイグル自治区なんて、行くのはやめた方が良いよ。危険だよ。そんな所に行かずに雲南省にでも行けば?」

漢族の友人②:「ウイグル族は泥棒が多い。北京や他の都市でも子供に泥棒させたりしている、ろくでもない民族だよ。行くべきではない。」

漢族の友人③:「彼らはすぐにナイフを出してくるし、人を刺すことなんて何とも思っていないよ。危ないから行かないほうが良いよ。四川省の九寨沟に行きなよ。奥北の好きそうな自然がいっぱいあるよ。」

漢族の友人④:「漢族はウイグル族にひどい目に遭っているけど、漢族の警察は、相手は少数民族、しかも件のウイグル族だから、何も言えないのだよ。ひどい話だよ。警察も何もあったものではないよ。」

漢族の友人⑤:「あれだけ中央政府は新疆ウイグル自治区に投資しているにもかかわらず、ウイグル族はすぐに反発して漢族にひどいことをしてくる。金をあげているのに。」

多くの漢族の友人たちは、異口同音にウイグル族のことをなじったのです。漢族の友人の中では、新疆ウイグル自治区伊寧市出身(地元では漢族は少数民族とのこと)の友人と新疆ウイグル自治区を旅行したことがある友人の2人のみが、肯定的なことを言ってきました。

曰く、「新疆ウイグル自治区に行くなら、天山山脈の南側の南疆(楼蘭など)に行くべきだよ。北疆(ウルムチなど)より良いよ。」

 3.漢族のウイグル観、チベット観、内モンゴル観

筆者が、中国で感じたのは、漢族のうち多くの人が、ダライラマに対しては悪感情を持っているものの、チベット族のことは悪くは思っておらず、チベット自体は、憧れの旅行先。内モンゴルについても、貧乏だとは思っているものの、それほど悪感情はない。それに対して、ウイグル族および新疆ウイグル自治区に対しては大変な偏見がある、というものだったのです。


カシュガル/職人街で遊ぶウイグル族の子供



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奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

公認内部監査人
1996年早稲田大学教育学部教育学科社会教育学専攻卒業、2001年早稲田大学大学院法学研究科民事法学専攻修了(法学修士)。2009年中国北京にある中国政法大学大学院に留学し民商法を研究すると同時に、中国現地各有名弁護士事務所にて中国法務・労務を中心とした実務研修を行う。
【著書】
◾︎『中国のビジネス実務 人事労務の現場ワザ Q&A100』(共著、第一法規、2010年)
◾︎『中国のビジネス実務 債権管理・保全・回収 Q&A100』(共著、第一法規、2010年)他。
【論文】
◾︎「中国で債権回収に手こずる~現場からみた注意点(合弁、独資別)~」(中央経済社『ビジネス法務 2011年10月号』)
◾︎「中国ビジネス 現場で役立つ実務Q&A」(第一法規『会社法務A2Z』2012年1月号より連載中)
◾︎「中国から”上手”に撤退する方法」(中央経済社『ビジネス法務 2013年6月号』)
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著書


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