- 中国ECサイト タオバオについて
-
前回のコラムでは、2009年頃から、「タオバオ」を中心に中国EC市場が急速に発展してきたとお話ししました。現在、タオバオはユーザー数約2億人、年間取引総額は約3兆円に上る巨大市場へと成長しています。
今回は、タオバオがどのようにして中国人ユーザーに受け入れられるようになったのか?について、これまでの中国EC市場の実体も交えて解説していきたいと思います。
何事も「失敗から学べ」とはよく言いますが、タオバオの今日の成功は、まさにそれまでの中国ECの失敗から学んだ結果と言えるでしょう。
それまで中国EC市場が飛躍できなかった唯一の問題点は「信用の欠如」でした。
オンラインショッピングをするに当たり、まずは商品が本物なのか?という不安から始まり、決済はどうするのか?先払いか、後払いか?
先払いの場合、ユーザーは「ちゃんと商品が届くのか?」という不信感があり、後払いの場合、ショップ側は「料金を支払ってくれるのか?」という不安が生じます。
日本人の私たちからはまず想像もつかない事が、中国EC市場で重要な課題となっていたのが現状でした。
タオバオは、こうしたユーザーや出店者側の不信感を解消するため、いくつかのシステムを取り入れました。
今回は主に、以下の2つのシステムを説明しましょう。
① アリペイ(中国語名:支付宝)
② アリワンワン(中国語名:阿里旺旺)
システム① 第三者保証型決済システム「アリペイ」
ECに不可欠なのは、言うまでもなく決済の保証です。
しかし、クレジットカードの信用があまり確立されていない中国では、消費者が商品を注文した後、銀行へ直接代金を振り込みに行く、というケースが多くありました。
しかし、振り込みを終えた後に、ショップ側が雲隠れしたり、サイトが消去されてしまうなど、トラブルが耐えませんでした。
そこでタオバオは、海外の決済システムを参考にして中国の現状に合うよう改良し、アリペイを開発、採用しました。簡単に言うと、インターネット銀行を開設するようなもので、タオバオに登録するすべてのユーザーが、アリペイに登録する必要があります。
ユーザーは商品注文後、アリペイへ代金を振込み、ショップ側はアリペイからユーザーの代金振込み通知を受けます。その後商品を発送し、ユーザーの確認を経て、最後にアリペイからショップへ代金が送金されるという仕組みです。
悪質なショップも多く存在したそれまでの中国EC市場で、当初ショップ側から不満の声もありましたが、健全な運営を行い、ECを発展させようとする多くのショップや、ユーザーの支持もあり、アリペイは徐々に受け入れられ、決済の保証を可能にしました。
システム② チャット「アリワンワン」
アリペイの導入で決済が保証されたことは、タオバオの成長に最も大きな影響を与えたと言っても良いでしょう。
タオバオは、これに加えて中国ならではのチャット文化を取り入れ、タオバオでの商品の取引にアリワンワンという専用チャットシステムを導入しました。
現在、中国のオフィスや、ビジネスの取引などにも使われているのがチャット。電話代がかからず、オフラインでも記録が残る。また、電話よりも気軽に知らない者同士が交流できるなど、現在タオバオユーザーから絶大な支持を得ています。
相手の顔が見られないネットショッピングにおいて、チャットでリアルタイムに交渉ができることは、バーチャルな取引であるネットショッピングにリアル感をもたらし、ユーザーの安心感の向上にも大いに役立っています。
タオバオは、これらのシステムの他にも、出店を無料にしたり、信用評価システムを採用し、ユーザーからの評価でショップの「格付け」を行なうなど、ネットショッピングの信用性を徐々に確立していきました。
こうしたことが、「信用」という、中国のネット通販に欠如していた最後のピースを埋めることになり、ECも普及し、タオバオのユーザー数も大きく増加することになりました。
現在、ユニクロやアディダス、DELL、HPなど、外資系もタオバへ参入し、大きく売上を伸ばしています。中国EC市場の焼く8割を占めるタオバオの発展は、日本企業にとって中国へ進出する好機と言えるでしょう。
次回からは、タオバオに関する最新ニュースや様々なプロモーションツールなどをご紹介していきたいと思います。
特集のコラムニスト 次のコラムニストもチェックしてみて下さい




















