- 中国の「ストライキ権」
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● 中国の現行「憲法」には「ストライキ権」が明記されていない。
中国の1975年及び1978年の「憲法」には、公民は「ストライキ」(中国語は「罷工」である)の自由があると定めていた。しかし、1982年の「憲法」改正時に、「ストライキの自由」が削除され、その後、4回の改正がなされたが、現行「憲法」には公民の「ストライキの自由」は規定されていないままとなっている。また、中国の現行労働関係法でも、「ストライキ権」に関する明確な規定はない。「法律が禁止していないことは、許可されていることを意味する」という解釈もあるが、一般には、「ストライキ権が労働者及び労働組合の法定の権利でない限り、法律上は保護又は保障されず、刑事責任、民事責任を免れない」と解釈されているようである。
● 中国は「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」を採択する際、「ストライキ権」について特段の留保をしていない。
ところで、「ストライキ権」について、中国は1997年10月27日に「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」に調印し、2001年2月28日に発効されている。この「国際規約」は、労働者に「ストライキ権」があると定めており、中国はこの「国際規約」を採択する際、「ストライキ権」について特段の留保をしていない。したがって、この「国際規約」に基づき、中国では労働者に「ストライキ権」があると解釈することができると思われる。但し、この「国際規約」第8条第1項(丁)によると、労働者には「ストライキ権」があるが、各国の法律に従いこの権利を行使しなければならない。中国の現行労働関係法では、「ストライキ権」に関する明確な規定がないため、結局、「ストライキ権」の行使については、曖昧なままになっている。
●中国の「労働組合法」によると、作業停止又は怠業の場合、使用者は労働者の「合理的な要求」を解決しなければならない。
2001年10月27日に改正された「労働組合法」第27条によると、企業、事業組織に労働者が作業停止 (中国語は「停工」である)又は怠業(中国語は「怠工」である)を行った場合、労働組合は、労働者を代表して、企業、事業組織又は関係者と協議を行い、労働者の意見及び要求を報告し、かつ解決のための意見を提出しなければならない。作業停止又は怠業は、「ストライキ」に類似する争議行為と解釈することができるが、「ストライキ」(「罷工」)という用語を使用していないことに留意する必要がある。なお、同条によると、企業、事業組織は、労働者の合理的な要求を解決をしなければならず、労働組合は、企業、事業組織が業務を適切に行い、生産及び業務の秩序を早期に回復させることに協力する義務を負う。
●現行の中国法上は「ストライキ」につき刑事責任、民事責任を明確に免責していない。
「労働契約法」第39条によると、①労働者が使用者の内部規則に著しく違反した場合、②労働者が著しく職務を怠り、使用者に重大な損害をもたらした場合、③労働者が法により刑事責任を追及された場合、使用者は労働契約を解除することができる。労働者が作業停止又は怠業を行った場合、労働者から「合理的な要求」がない限り、現行の中国法上は「ストライキ」につき刑事責任、民事責任を明確に免責していないから、この規定が適用されて、労働者との間の労働関係を終了させることも可能である。
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